表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の恋人  作者: 織田一菜
23/99

第二十二話 誘拐

ブログ頑張ってます!!

ラブコメ「キス魔な彼女と草食系僕」連載中です


http://syousetukani.blog133.fc2.com/


twitterはこちら

http://twitter.com/

「二宮さんが誘拐って‥‥どういうことなの?」


僕は、一度『夢魔の巣(サキュバス・ウェブ)』に戻ったモモさんの代わりに残った十文字に話を聞く。


「俺にもよく分からないけど‥‥千夏がぐったりとしてる二宮を車に押し込もうとしてる所を見たみたいで‥‥」


「千夏さんが?」


「千夏が言うには、あれは薬か何かの力を使って眠らせたのだと‥‥二宮も全く動かなかったみたいだから」


「そう‥‥」


十文字は、心配そうな表情をしていた。


僕も二宮さんに何かあったら、と思うと不安でたまらなかった。


「ほら、二人ともそんなに心配しないで。二宮さんのことだからきっと大丈夫だよ。それに、誘拐って決まったわけじゃないしさ。電話とか、かかってないきてないんでしょ?」


六車さんはそう言って僕達を励まそうとしているけど、六車さんも心配そうな表情をしている。


「とりあえず三神さんに伝えた時にはそうだったみたいですけど」


モモさん達が来たときにちょうど携帯で話していた三神さんは、とりあえず僕の家に来てくれるそうだ。


「でも連絡がないってことは今もそうってことでしょ?」


「そう、だと思いますけど‥‥」


僕達はとにかく喋った。


黙っていると、不安に押し潰されそうだったから。




モモさん達が来てから15分くらいで三神さんがやって来た。


「真鈴は! 大丈夫なの!?」


三神さんはそう言いながら十文字に詰め寄る。


「分かんねぇよ! 千夏が見たのは連れ去られる所までだよ」


「何で追わないのよ!」


三神さんが十文字の胸ぐらを掴む。


「俺に言うんじゃねぇよ!」


「二人とも落ち着いて!」


「落ち着いてられるわけないじゃない! 一之瀬君は心配じゃないの!?」


「心配に決まってます!」


僕は自分でも驚くぐらいの大声を出していた。


「心配に決まってるじゃないですか‥‥二宮さんは、僕の一番大切な人です! 出来るなら、いますぐ助けに行きたいですよ! でも今僕達に出来ることなんて何もないでしょう!? 今は待つしかないんです‥‥」


僕がそう言うと三神さんは俯いた。


「‥‥ごめん、一之瀬君‥‥」


「いいですよ、三神さんの気持ちは分かりますから‥‥」


僕がそう言った時、僕の携帯が鳴った。


千夏さんからだった。


僕は急いで出る。


「千夏さんっ!」


『悠、今モモが店出たよ。バイクかっ飛ばしてたからかなり早く着くはずだよ‥‥『アレ』もちゃんと持たせたよ。二宮の居場所を示したやつと一緒に』


「やっぱり、何かしてたんですね」


『当たり前じゃない。私がただ見てるだけなんてありえないわ‥‥まぁその分大変だったけど』


「大丈夫ですか?」


『大丈夫よ、今京極に手当てしてもらってるから‥‥しっかり助けなさいよ』


そう言って千夏さんは一方的に電話を切った。


「千夏は、何て‥‥」


「今、モモさんが『アレ』と二宮さんの居場所を示す道具を持って来てくれるって‥‥もう少しだけ、待とう」




モモさんが戻って来たのは千夏さんから電話がかかって来てから10分後だった。


本当に急いで来てくれたみたいだ。


「悠様、持って来ました!」


モモさんはそう言ってショルダーバックを僕に向けて投げた。


僕はそれを受け取り、チャックを開けて中身を取り出す。


一番最初に出て来たのは液晶画面のついた何かの受信機のようなものだった。


「これは‥‥」


「GPSだそうです。千夏が、作ったシール型送信機を相手の車と千夏を殴った男の袖につけたそうです。これで二宮の居場所が分かります」


僕はそれを取り出し、隣に置き、『アレ』を取り出す。


「それは‥‥」


三神さんが不思議そうな顔をする。


ただの黒いパーカー、千夏さん特製の長い黒髪のウィッグ、そして口元以外を隠すマスク。


それは、『小さな死神(リトル・デス)』の『衣装コスチューム』だった。


ウィッグを装着し、パーカーを羽織り、マスクを顔に装着させる。


それは『僕』が『俺』に、『一之瀬悠』が『小さな死神(リトル・デス)』へと変わる合図。


「‥‥久しぶりだな、この感覚‥‥」


体中の血が冷たくなっていく感覚。


小さな死神(リトル・デス)』を名乗っていた時は、いつだってこの感覚を味わっていた。


決して気持ちの良いものではなかったけど、なぜか嫌ではなかった。


「十文字、糖分は補給したか?」


「多分持つと思う」


「なら‥‥六車はここに残って連絡係、モモと俺はバイクに‥‥三神はあの黒い車で来たんだろう?」


「え? あ、うん、そうだけど‥‥」


三神は様々な驚きがごちゃまぜになったような表情になる。


「なら十文字と三神は車に乗って、バイクについて来てくれ‥‥行くぞ!」


『俺』はそう言って走り出した。


後二、三話で第一章と言える部分が終了します。


そこで連載終了にするかそのまま続けるかは決めていません。読者様の反応を見て決めようと思います。


とりあえずそれまではお付き合いください!!よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ