表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

1-3

門の前で車両が停止した。


そこにあったのは、

深い森に囲まれた巨大な屋敷。


祖父の家だ。


誰も迎えには出てこない。

静寂だけが、そこにあった。


受けとっていた鍵を取り出し、ドアを開けた。

電子式でも、生体認証でもない。


「今時カギ使うって、古くさすぎでしょ」


中はひんやりとしていて、きれいに整っていた。

ただし、その清潔さとは裏腹に、全体的に古臭い。

木の床、革張りのソファ、壁掛けのアナログ時計。

なんともレトロな内装だ。


端末にアクセスすると、すでに遺品リストが登録されていた。

重要書類の場所、貴重品の保管場所、廃棄対象の一覧。

整理作業は想像よりもあっけなく、簡単に終わった。


「こんなもんかなー」

リビングのソファに腰を下ろし、一息ついた。

「ここで暮らしてたんだなあ、ずっと。

あってもしょうがないし、取り壊しになっちゃうんだろうけど。ちょっと寂しいかな。」

「…コーヒーでも入れますかっ…っと」

立ち上がると同時に、幼いころの記憶を思い出した。

「あれ?そういえば、あのとき一部屋だけ、生体キーの部屋があったような…」

記憶を頼りに書斎に行くと、今は本棚があった。

「なんで塞いじゃってるわけ?怪しいな…」

「動かすか…重った!ぐぬぬぬぬ…」

やっとの思いで動かすと、そこにはやはり扉があった。

「やっぱりあった。これどうやって開けるか…」

悩みながら目を近づけると、なんと登録してあったらしく、電子音が鳴り、ゆっくりとドアが開いた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ