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プロローグ
1時間目の授業が始まってすぐに、メールボックスに新着メッセージが届いた。
内容はこうだ。
件名：遺品整理 実施に関する通知
本文：
あなたの親族である祖父（母方）が、本日午前3時26分、搬送先にて死亡したことが確認されました。
死因は老衰と判断されています。
現在、あなたが唯一の近親者として登録されています。
このため、遺品整理に関する対応が必要とされています。
行動予定と支援情報：
出発準備開始：4時間目終了後
目的地：S県K郡M町
対応内容：
・重要書類の確保
・処分対象物のリスト作成および報告
・部屋の原状回復（清掃・整理など）
移動手段：
専用車両（本日12:00出発予定）
滞在想定時間：48時間（延長申請可能）
搭乗までに生体チェックおよびリハビリ処置が設定済み
酔い止め薬およびアシストスーツも準備されています
本日午後の授業は休講扱いとなり、出席記録には影響しません。
体調と精神状態にご留意ください。
今思えば。
このメールが届かなければ、私は人類を滅ぼす決断に迫られずに済んだのかもしれない。
