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ユーヒ


「え、夢?」


 渡された紙片を見て、正直苦い気持ちになる。


「また……随分なテーマを……」


 僕の答えはいつでも『Yes』。


 だけど、少しは不満も垂れる。


「はぁ、分かったよ。みんなに聞いてみるからさ」


 そう言いながらも分かってる。


 みんなの意見も、『Yes』だって。


 僕らに反対意見は許されない。


 トップが言うなら、その通り。


 応えてあげるが、僕らの使命。


「ねぇねぇ、みんな。今回のテーマ、これだって」


 僕がみんなに投げかける。


 "みんなの恋人"ユーヒが、一番やりたくない仕事。


「なんだよ、それは。ないものなんて、書けねぇよ」

「夢!? それはステキなテーマだね! 規定範囲に収まるかなぁ?」

「うっわ、きたよ。このテーマ。くるとは思っていたけどさぁ……」


 三者三様、リアクションが違いすぎ。


「指令なんだよ、何とかしてよ」


 僕は彼らに頭を下げる。


「……お前がそんなに言うのなら」

「うわわわ、ごめんね! ちゃんとやる!」

「やりたくないけど、命令だしな……」


 これまた三者三様に。違った反応、返してよこす。


 僕らの仲は忙しい。


 どうにかこうにか分かってもらい、これで安心と思ったら、またトップからの声がする。


「君も書いてね、当然ね?」


 僕は心で『いやだ』と言って、顔に微笑み浮かべるよ。


「もちろんですとも、マイマスター」


 主人の願いを叶えるが、僕に許された最後の道で。


 それを夢と呼ぶのかは、正直僕にも分からない。


 だけど、叶えたその時に、あなたがご褒美くれるから。


 だから、僕は従うよ。


 あなたの命令、僕の夢。


 これで、許して頂けませんか。

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