白灰
ちゅーい! フィクションです!
先代とか、黒い奴とか、光る奴とか、登場人物はみんな、架空のものです! 気をつけて下さいね!
by 白灰
『あーぁ、無理しちゃってさ』
先代眺めて、息をつく。
『もう若くないんだから、そんなに気張っていなくても……』
僕の声は言葉にならない。
先代の無茶を見ながら、お菓子を食べる。
『そんなんしてたら、身がもたないよ〜』
僕は何にもしてあげない。
僕が彼に何かすることは、つまり「あなたは必要ない」と同義だから。
プライドの高い先代は、僕に何にも頼りゃしない。
だから、僕は暇を持て余して、彼のそばでお菓子を食べる。
『へへへ、いいだろ、お菓子だぞ』
金持ちアピールしているの。
つまりは彼への嫌がらせ。
"一緒にお菓子を食べようよ"
僕の思いは形にならない。
どんなに願い望んでも、彼の心はよそにある。
『叶えてあげてもいいんだけどー?』
彼を横目に、僕は思う。
『……君が僕を必要としないなら、何で僕を生んだのさ』
不満な思いも、よぎるけど、僕には形に出来ないし。
仕方ないから、お菓子を食べる。
口寂しくて、お菓子を食べる。
そしたら、この心の穴が埋まってさ。
君とも話ができるように、なるかもしれない。
……かも、しれない。
あくまで可能性の話だけれど、僕はそこに全振りしてる。
僕の持てる、すべての思い。
それを、全部そこに賭けている。
どっかの黒い奴には、笑われて。
光る奴には、呆れられ。
あの子には、心配されてるけれど。
僕はそう決めてんの。
僕の心が埋まったら。
そしたら、そこから本当の僕が立ち上がる。
それでいいじゃん。
それじゃダメ?
僕が動き出したなら、君の終わりと思うがいいさ。
僕は王様。必ず遂げる。
死んだ後に、必ずやるさ。
僕の夢はそこにある。
『だから、絶対生きててね』
違和感覚えて、言い直す。
『だから、絶対、生きてろよ』
それが僕の夢。
みんなが生きて、僕がいなくなる。
それが"今の"僕の夢。