ep.18 誓い
三週間連続で一日投稿遅れました…多分…
どうもすみません。なまパスタです。
来週は絶対に日曜に出します。絶対に。
ということで、ep.18、始まりです。
この街は良いところだ。
周りが森に囲まれているから、野菜や果物は取り放題。
多分、動物や魚も質がいいのだろう。どの料理も脂がのっていてすごくうまい。
それに街の景観も人の街と似ているところもあるが、独自の文化が感じられる。
「うっひょ~!やっばいぜこれ!肉汁があふれてくる!」
「キャー!このスイーツ!果物めっちゃ使われてる!美味しそ~!」
そんなことを考えながら騒ぐ二人を遠目で見ていると、フーリンが近づいてきた。
「なんだ、ちゃんと食べているか?
今日は腕利きの料理人たちが腕を振るってくれたからな。
遠慮せず食えよ?アイツらみたいに。」
「流石にあれは無理ですよ、フーリンさん。
確かに料理はうまいんで遠慮なく食ってますが。」
俺がそう答えると、フーリンは苦笑しながら言った。
「よそよそしいのはやめよう。フーリンでいい。
・・・それよりこの街、少し周っていくか?良ければ案内するぞ。」
そのまま街のことを熱弁を始めたフーリンを見て少し笑ってしまった。
街のことが好きなんだろう。
「じゃあ、お願い。
フーリンのおすすめの場所に連れてってよ。」
そう話に割り込むと、フーリンは少し照れくさそうに笑った。
「ああ、じゃあ付いてこい。
とっておきのところに連れてってやる。」
「ここ?すっげぇ…」
付いたとたん、思わず声を上げてしまった。
目の前には、湖があった。月明かりが反射して幻想的になっている。
「ここは、聖魔の泉って呼ばれてる場所だ。
本当はここにはあまり立ち寄ってはいけないんだが…
一人になりたいときは、いつもここに来るんだ。」
「へぇ…聖魔の泉…なんで聖魔なんだ?正直、真逆の意味だと思うけど。」
「…悪いが、その辺を話すと長くなる。
今度、時間がゆっくり取れた時にでも話そう。
そろそろ戻らないと、お前の仲間たちが心配するだろう。」
そう言って、フーリンが立ち上がった。
「…ねぇ。」
そう呼びかけると、フーリンが不思議そうに振り返った。
「俺たちと一緒に来ない?
正直まだ三人しかいないし、フーリンが来てくれたら戦力的にも安心なんだけど…」
フーリンが一瞬、驚いたように目を丸くした。
しかし、それがすぐに優しい目つきに変わった。
「…ありがとう。
だけど、俺はこの街の…シュハライトの守護部隊の隊長なんだ。
この街を襲う輩がいる限り、俺はここから離れることはできない。
すまないが、皆が安心できるようになるまでは、ここを離れるつもりはない。」
そのままフーリンが話を続ける。
「俺らの鱗は、希少性が高い。
武器や防具としての価値も高いから、よく金目当ての奴らが来るんだ。
だけど、もしこの町が安全になったら…あんな奴らが来なくなったら…
俺も、お前らの旅に混ぜてくれないか。」
それは、儚い願いだった。恐らく叶うことなどない、悲しい願い。
ドラゴニュートは人より寿命が短い。
おそらく長い間、ずっと狙われ続けたのだろう。
それでも闘い続けたのだろう。
仲間を守る…たった一つの信念に誓って。
「…分かった。その時は、必ず一緒に冒険しよう。」
その後、2人の間に長い沈黙があった。聞こえるものがない、夜の静寂にのまれていくようだった。
「そろそろ戻るか。」
フーリンに言うと、ゆっくりと立ち上がった。
「誓おう。我々ドラゴニュート守護隊はお前らに力を貸そう。
…代わりに、もし俺らに手が負えないくらいの敵が来たら…俺らと一緒に戦ってくれないか。」
「…分かった。アイツらもきっといいって言ってくれる。」
そう答えると、フーリンは安心したように笑った。
ということで、皆さんいかがだったでしょうか。
良ければ、星やブクマ、コメントなどよろしくお願いします。
それではまた、来週お会いしましょう。
バイバイ!