勇者と魔王のラブラブ物語 魔法使い視点
私は、勇者アレスが、好きだ。
魔法使いとして、PTに加入したが、冒険をしていくうちに好きになって行った。
魔王を倒し、平和の世界になったら、告白しようと思っていた。
なのに……
なのに、どうしてこうなったあああ
なんで、倒しに行った魔王と勇者様がラブラブになってんだ。
「アレスに、こうやって抱っこされるの大好きなのじゃ」
「ふふ、ルルが、してほしいなら、いつでもしてやるさ」
勇者にお姫様だっこをしてもらっている魔王。
ちなみに、魔王の名前は、ルルというらしい。
見た目は、人間の女性のようだが、魔王だ。
「アレス、好きじゃ、」
「俺もだ」
なんだ、この状況。
二人だけのラブラブ空間が、広がっている。
私と戦士は、なんかみじめだ。
「嘘だ……嘘だ……嘘だ……」
戦士のアンジュが、下を向いたまま、ぶつぶつ言っている。
アンジュは、勇者様の幼馴染で、私と恋のライバルでもあった。
魔王を倒したら、恋の決着をつけようと約束した仲だ。
「もうすぐ、王国につく」
「ふふ、王に、われらが、恋仲になったことを伝えに、行かないとのう」
「えっ!?」
この状況で、王の元に、行くつもりなの!?
王様にどう、報告するつもりなんだ。
そして、王宮に到着した。
今、衛兵に囲まれてます。
「勇者アレスよ、なぜ、魔王と一緒に、帰ってきた」
「やっぱり、こうなったよ」
王様が、めっちゃ、睨んでるよ。
「魔王を倒し、世界に平和をもたらす、それが勇者の使命だったはず」
「世界平和なら、魔王を倒さなくても、問題ないです」
「ならん、勇者は、魔王の命を奪うものだ」
「わしのハートは、勇者様に奪われたのじゃ」
なに言ってんだ、この魔王。
「ええい衛兵達よ、裏切りの勇者と魔王、そして仲間達も捕えろ、殺しても構わん」
「えっ私達も!?」
アンジュは、ずっと下向いたままだし、アレスと魔王は、バカップルだし、やばい。
「ルル、ちょと下がっていてくれ」
そう言って、アレスは、魔王を降ろす。
そして、剣を抜いた。
一瞬の閃光だった。
光の速さで、衛兵達を倒した。
「なに、衛兵達が……」
王が、一歩下がる。
「みねうちだ、死んでは、いない」
相変わらず、強い。
さすがは、勇者様だ。
「ええい、衛兵、衛兵」
そう王が、言うと、さらに衛兵が、来た。
こんなに衛兵いるなら、私達が、わざわざ魔王倒しに行かなくても、よかったんじゃ……
「わしの出番のようじゃのう、ドラゴンに変身でもして、焼いてやるのう」
なにするきだ、魔王。
「だめだ、ルル」
アレス、もしかして、衛兵達の死ぬかもしれないと考えて……
人間を殺してしまったら、取り返しが、つかなくなると言いたいんじゃ……
「ドラゴンって、全裸のようなものじゃいか、ルルの裸を見ていいのは、俺だけだ」
「なっ、まったくしょうがないやつじゃのう」
しょうもない理由だった。
顔を真っ赤にして、うれしそうにしてる魔王。
今は、そんな状況じゃないと思うんだが。
「かかってこい、衛兵達、おれが相手だ」
そして……
勇者様は、衛兵達を全員、殺さずに、倒した。
「ひぃ、わしの王国の衛兵が、全滅だと……」
「ふぅ、こんなものか」
全員、倒してしまった。
まあ生きてるようだが、王に、睨まれて、どうやって生きていく気だろ。
「勇者よ、王宮で、暴れて、どうするつもりなのだ」
「魔王と勇者の結婚を伝えに来た」
「なっ……」
王は、下を向いて、顔をあげた。
「わかった……人間に魔王が、危害を加えないと言うのなら……」
王が、許可を出そうとしているみたいだ。
このままでは、アレスと魔王が、本当に結婚してしまう。
「ふっふっふっ」
なんだ、空から、声は聞こえた。
昼間だったのに、一瞬で、黒い雲に覆われた。
「なんじゃ?」
「なんだ!?」
一斉に、みんな、空を見上げた。
黒い雲が、顔のような形に変わっていく。
「我は、大魔王」
大魔王!?
「ここにいるのが、魔王じゃないの?」
私は、アレスの側にいる魔王のほうを見た。
「わしは、魔王じゃが、大魔王では、ないのう」
「えっ、魔王と大魔王って、なんか、違うの!?」
「もちろんじゃ」
そう言うと、魔王に雷が落ちた。
アレスは、それを盾で、防いだ。
「われが、魔王として選んだ、ルルよ、おまえは、魔王として、役目を放棄した」
「怪我は、ないか?ルル」
「アレス、好きじゃあああ」
そう言い、ルルは、アルスに抱きつく。
「だから、魔王ルルは、ここで、消滅してもらう」
「アレス……」
「ルル……」
キスしてる。
あの二人、大魔王の話、全然聞いてない。
「二人まとめて消えるがいい」
大魔王の雷が、連続で、落ちているけど、なんかシールドに守られて、全然、アルスと魔王に効いてない。
大魔王の話も聞いてなければ、攻撃も効いてない。
「さすがは、我が選んだ魔王か、遠くからの攻撃では、倒せないか」
大魔王、雷あきらめたようだ。
「ならば、来るがいい、この大魔王城に、そこで、われの本当の力を見せてやるとしよう」
そういうと、黒い雲は、白い雲に戻っていった。
どうしたら、いいんだ、これ。
大魔王を倒してこいと王に言われ。
勇者と魔王と私の3人で、大魔王城に向かっていた。
場所は、魔王が、知っているみたいだ。
そして、今は、勇者アレスと魔王ルルと魔法使いである、私の3人PTだ。
女戦士のアンジュは、PTを抜けて、失恋のショックで、家に引きこもってしまった。
まあ、こんな状況見せられたら、引きこもるのも無理ない。
「アレスううう」
「ルル」
大魔王城に向かっているというのに、なんだ、このラブラブの空気は!?
「魔王とアルス、少しは、離れて歩くのがいいかと」
「いやじゃ」
即答!?
「大魔王の狙いは、魔王なら、そんなにくっついていたら、アレスが、危ないんじゃ?」
「そうじゃのう……不意打ちで、アレスに、危険が、あったら、いけないから、離れて歩くかのう」
よし、これで、このラブラブ空気が、少しは、よくなる。
「だめだ、ルルは、俺が守る」
なにぃ!?
「アレス」
「ルル」
二人は、抱き合って、見つめあってる。
くそう、だめだ、引きはがせない。
「んっ!?」
モンスターだ!
あれは、ウルフ。
だが、いつものウルフとは、違う、なにかオーラーを黒いオーラーをまとっている。
「二人とも、抱き合ってる場合じゃない、モンスター! ウルフのなんか、やばいやつがきてる!」
「なんじゃ……」
魔王が、手をかざした瞬間、ウルフが、風船のように膨れ上がり、破裂した。
「グッ……グロイ……」
そして、魔王が、アレスに抱き着く。
「怖かったのじゃ」
「おーよしよし」
あんたが、怖いよ。
「それにしても、なんだったんだろう、あの黒いオーラーは?」
「あれは、大魔王に、力を与えられたモンスターに、現れる現象じゃ」
「あの黒いオーラーのウルフが?」
「うむ、魔物は、魔王である、わしに攻撃なんぞ、怯えてできないからのぅ、大魔王の力で、パワーアップして、命令で、殺しに来たのじゃろう」
大魔王の力で、パワーアップ……ウルフ瞬殺だったのだが!?
「なら、こうするか」
そう言い、魔王をお姫様だっこする、アレス。
「なっ」
勇者様のお姫様だっこ、私の夢だったのにぃ。
「こうすれば、守ることが、できる」
「うれしいのじゃ、アレスぅ」
そういって、魔王は、とアレスの二人は、歩いていく。
黒いオーラーのウルフの群れが、途中、あらわれるが、魔王の力で、全員爆発させられていた。
大魔王城が、見えるところまでに、についた。
来る道中、魔王のおかげで、なんの危険もない旅だった。
だが、ここからは、さすがに危険のようだ。
気配で、わかる。
大魔王の周りには、今までと比べものにならないくらいの魔物がいる。
黒いオーラーで、強化された魔物だけじゃなく、その中に、さらに化け物がいる。
「アレス、あいつらは……」
「ああ、大魔王の四天王だろう」
そう言い、アレスが進む。
「二人は、ここで、待っていてくれ」
「あの数、一人なんて危険よ!」
「そうじゃ」
魔王もそう言う。
「ルルに怪我してほしくないんだ」
「アレス……」
そう言い、二人は、抱き合う。
くそう!!
何度目だ、このシーン。
「それじゃ、行ってくる」
アレスは、剣を抜き、魔物の群れに向かっていく。
「わしは、ご飯でも、作って、待ってるかの」
大魔王城の目の前なのに、なんて、余裕なんだ。
私は、あの崖から、アレスの様子を見よう。
アレスが、危険になってるところを助けたら、気持ちが、私に向くかもしれない!!
そして30分が経った……
それにしてもアレス、全然危険にならない。
ずっと、無双だ。
これなら、助けもいらないか。
「おい」
そう言い、後ろから、槍を突き立てられた。
「なっ!?」
気配を感じなかった。
もしかして、気配を消せるのか。
後ろを向くと、魚顔の大男が立っていた。
「魚人!?」
「俺は、大魔王四天王の一人、ダダラーン」
大魔王四天王!?
「おい、おまえ、勇者の仲間だな」
「ええ……」
「魔王もいっしょだな、あいつの居場所を教えろ」
「なっ!?」
「教えたら、命だけは、助けてやるぞ」
こいつの気配を消す力なら、魔王を倒すことができるかもしれない。
そしたら、私が、アレスとラブラブに……
「あっちの森よ」
「へへ、ありがとよ!!」
そう言い、槍で、頭を殴られた。
「あばよ~」
いかん、意識が……
「起きてくれ!」
誰かの声はする……
「起きるんだ!!」
うるさいな……。
んっ!?
アレスが、私を膝枕している。
「目が覚めたか」
夢じゃない。
「なにがあった?」
「気配を消すことができる、魔王軍四天王の奇襲にあって……」
「そうか、怪我は、大丈夫か!!」
「ええ、問題ない」
命だけが、助けてくるというのは、守ってくれたみたいだな。
「ルルが、心配だな、急ごう」
アレスと魔王がいる森の中に向かう。
そして、何事もなかったかのように、エプロン姿の魔王が出てきた。
「アレス……」
「ルル……」
二人は、抱き合う。
「今日は、料理を作っていたのじゃ」
「アレスと魔法使いの分もあるぞ」
そう言い、豪華な料理が出される。
こんなにも食材をどこから。
いや、それよりも、魔王軍四天王のダダラーンは、まだ来てないのか?
気配が消せるから、場所もわからない。
「おお、ルルの料理は、世界一うまい」
「ふふ、よかったのじゃ」
「この魚が、一番うまいな、なんていう魚なんだ、ああダダラーンとかいう魚だったかのう」
えっ……
大魔王いる、扉の前まで、来た。
ここまで、来るまでに、時間がかかった。
ほとんど、アレスと魔王のいちゃつきが、原因だけど。
「アレスついに、ここまで、きたのじゃの」
「ああ」
「大魔王との戦いが終わると、わしらの冒険も終わりだと思うと、寂しくなるのじゃ」
「いや、この戦いが終わったら、新婚旅行という名の冒険をしよう」
「アレス……」
「ルル……」
また二人が、抱き合っている。
これは、いちゃつきが、長くなるパターンだ。
さっさと扉あけよ。
「アレスと魔王、扉を開けるよ」
そう言い、大魔王のいる扉を開けた。
そこには、なにもない空間が広がっていた。
真っ黒で、天井も壁もない、ただ、無限に広がっている。
「待っていたぞ、勇者アレスと魔王ルル」
巨大な老人が、浮かんでいた。
あれが、大魔王。
なんてオーラだ。
「まったく、大魔王よ、わしらの結婚のじゃまをしよって」
「おまえを倒して、ルルと結婚さしてもらう」
「ふふ、こい」
アレスの剣が、雷になり、大魔王を無数に切りつける。、
魔王の呪文で、メテオが、降りそそぐ。
しかし、大魔王には、効いていないようだ。
「効いてないだと」
「なぜじゃ」
これが、闇のオーラというものか。
近くの町に行ったとき、調べておいて正解だった。
これについて、私は、知っている。
そして、この闇のオーラを解除する呪文も。
「こんどは、こちらから、いかせてもらうぞ」
闇が、凝縮された玉をアレスと魔王に、放った。
アレスの盾と魔王の防御呪文で、それを防いだようだ。
「くっ」
「ちょとやばいかのう」
ふぅ……
やっと私の出番が、来たようだ。
ここで、この大魔王の闇のオーラを解いて、活躍する。
そしたら、きっと勇者も私のすごさをわかって、私に恋に落ちるはず。
「しかたない」
「あれの出番じゃのう」
「えっ!?」
もしやアレスも魔王も、大魔王の闇のオーラの解除の仕方が、わかってるのか!?
勇者とルルは、二人で、剣を持つ。
なんだ、あの技の構え。
「なにをしたいのかは、わからないが、これで、終わりだ」
そう大魔王は、言い、無数に闇の球を放つ。
「「ラブラブソードおおおお」」
二人は、そう叫び剣を振るう。
ピンク色の、斬撃は、大魔王の闇の球、そして、闇のオーラを切り裂き、大魔王を真っ二つにした。
「ぐあああああ」
なんか、よくわからん攻撃で、勝った!?
私の闇のオーラを払う光魔法の出番があああ!!
「帰ろう、俺たちの場所へ」
「うむ」
アレスは、魔王をお姫様抱っこしながら、帰る。
私も帰ろう。
その後。アレスと魔王は、その後、結婚した。
世界は平和になった。
だけど、私の恋は、BADENDで、終わった。