土器と布原料
ドローンの難点は、バッテリーかな。
僕の買ったタイプは約1時間、それぐらいしか持たない。
けど、1万円ぐらいでも買える安物なら10分と持たないっていうし、10万円出した甲斐はあるって事だろうね。同じ値段帯でも一番バッテリーが長持ちするっていうのが、このモデルの人気の秘訣なんだよ。後は悪環境への耐性だね。
今回持ち込んだバッテリーは予備を入れて4つ。
その全部を練習に費やしたおかげか、操作の方は特に問題なくなったと思う。これなら次回のお出かけの時はドローンも持ち込んでいいかな。
航空写真が撮れれば手書きの地図もレベルアップするし、周辺地形の情報量が増えて行動範囲が広げやすくなるんだよ。
次回が楽しみだね。
アタック1回分の練習では、魔法使いが増えるという事は無い。
信綱が教えたりしているけど、成果が出るのはまだまだ先だと思う。
それよりも、信綱が窯の前にと作っている素焼き、と言うか直火焼きの土器の方が面白い。
釉薬の様なコーティング用の塗料は、超高温で焼かないと意味が無い。簡易コンロなたき火で焼いているだけでは、炭を使っても釉薬を融かすまでの温度は出せないので土器に釉薬を塗ることはやってない。
なので、出来あがった土器はただの土の塊よりはマシ程度の物だ。持ち上げてもすぐに崩れない、ちょっとの衝撃で簡単に壊れる、その程度の代物。
でも土器があれば料理に幅が出るし、器の方も充実する。
僕自身が使う予定はないけど、下僕ゴブリン達ならこれで十分だろう。まずは数を揃えないとね。
土器が無いって事は、料理もろくなものが作れないって事だからね。
フライパン(金属)や鍋(金属)なんて、今のホームの技術力では不可能なんだよ。
お玉や包丁なんかも持ち込みに頼っているからね。それをどうにかしないと文化的なサムシングが発展できないんだ。
だから土器は文明発展の、石器に続く最初期の一歩だったりする。
ついでに余力でお湯を沸かしたりするのはご愛嬌。
信綱はお風呂用のお湯を用意しつつ土器を焼いている。
当たり前だけど、お湯はたったそれっぽっちじゃ全然足りない。
あくまで「ついで」に出来るからやっているだけだよ。
皆お風呂が大好きだ、そんな話なんだね。
それに対し、蔵人たちの布製作は暗礁に乗り上げた。
ぶっちゃけ、原材料の量が全く足りないんだね。
今は編み棒で布と言うかマフラーと言うか、そんなものを作っているだけだったんだけど。すでに糸を作るための綿花は消費し尽くし、麻っぽい植物も無いから追加の繊維が無い。
今ある糸を使い切ったら、たぶんも何も今回のアタック中に使い切るんだけど、できる事が無くなる。
織り機の開発を進めるにしてもね、糸が無いと話にならない訳だよ。
で、その糸は定期的に安定した量を入手する手段が無い。
僕もこればかりはどうにもならない。
栽培用の麻の購入は出来ないんだよね。大麻にもなる危険な植物だから、栽培には許可がいるし、僕はダンジョンに持ち込むっていったところで大量栽培するわけで、いろんな意味で危険度が天元突破しているから売ってもらえない。
どうしても麻を栽培しようとするなら、残る可能性は現地でゲットする事なんだけど、今のところ見付かっていないからそれも難しい。
化学繊維は、作れる訳が無い。論外だね。
綿花の栽培をここでやる?
今のところ、こっちで出来そうなのはそれぐらいなんだよね。他は僕もよく分からないし。
うーん。
数年先を見込んで動くというのは、悪くない話だよね。
まぁ、すぐに効果が表れる訳じゃないけど、やらないよりはマシかな?




