表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オーヴァーランダー  作者: 猫の人
ひよっこオーヴァーランダー
61/290

対策会議①

「長様、子作りをしましょう。それで数を増やし、正攻法で正面から()の集落を打ち破るのです」

「却下」

「では、子作りだけでも」

「僕は無理だよ。信綱に任せるけど、それでいい?」

「くっ!」



 みんなで戦っているので、みんな状況を正しく理解している。

 しかし、打開策を思いつくかどうかは話が別なんだよ。


 誾は思いっきり本能に忠実な方法を提示した。

 もちろん却下したし、軽く睨んでおいた。


 誾はとてもとても悔しそうで、どうにか僕の子を孕もうと画策しているのがなんとなくわかる。

 なんというか、誾は巫女さんなんだよね。僕を神様に据える感じの。

 今は古代宗教の時期というか、現人神な僕の国というか。そんなだから、誾は僕の血を残そうと躍起になっている。


 ……可能か不可能かって話なら、DNA的には可能で、心情とか性的な思考を加味してみると、完全に不可能なんだよ。

 なんでこんな実験結果が外に出回っているかというと、ファンタジーあるある、ゴブリンのところで種付けされた女性がいるって話なんだよね。時間経過で物理的には戻ってきたけど、お腹の中にはゴブリンの子供を仕込まれていたわけだ。

 だから逆もできるだろうっていう話だけど、だからと言ってそれを僕ができる訳じゃないという。


 ゴブリンの外見は、緑の肌をした小柄な人型だ。髪の毛は無いし、目はギョロギョロしていて耳が尖っている。皺くちゃじゃないからまだマシだけど、ほぼ完全にクリーチャーです。ありがとうございます。

 そんなゴブリンとアレができるのは、きっと一部の上級者だけだと思う。





 誾のたわ言は聞き流して、他のメンバーの意見を聞くけど、僕の催涙スプレーで作る催涙弾作戦が一番マシって話になった。


 火を使えるようになると、鉄を使えるようになる可能性が出てくるんだよね。

 うちではスコップがあるから……って、数を増やすなら僕らも自前の鉄装備が必要になるじゃないか。


「竹槍でも持たせればよいのでは? 江戸時代の農民はこれで『びぃにじゅうく』を撃ち落としたとありましたが」

「江戸時代に戦闘機は飛んでないよ。それに農民でも刀で武装していたって言うよ?」


 B29はネタとしてどこかの漫画がやっていた奴だったっけ?

 誾の教育に絵本ならぬ漫画を持ち込んだけど、変な知識を与えていたようだ。


 でも、竹槍は悪くないかな。

 今も投擲用に使っているし、ストックはそれなりにある。

 そうだ、竹で弓でも作ってみるかな?

 ネットでスペックを確認してから、20m先を攻撃できそうなら試しに作ってみてもいいかもしれない。



 それはそれとして。


「信綱。窯の進捗は悪くないと思うけど、もしかしたら製鉄を先に始めるかもしれないから覚えておいて」

「ギャッ!!」


 鉄に手を出すのはまだ時期尚早って気もするけど、将来の予定として頭の片隅に置いておくのは悪い事じゃない。

 スケジュールを作るには納期指定というか、期限を切ってないのでダメダメなんだけど、先を見据えた行動って大切だよね。


 信綱もやる気だし、将来的には刀を扱えたら面白いんだろうけど。

 ……それ、何年先の話になるのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ