表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オーヴァーランダー  作者: 猫の人
新人オーヴァーランダー
43/290

ゴブリンの集落の変化

 家を作っても家具が無い。

 内装も外装もまだまだ手を入れる必要はあるけど、これだけの物を自分たちだけで作れたっていうのはかなり大きな自信につながる。

 次はベッドで、その次はテーブルや椅子かな。ちょっとずつでいいから作っていこう。



 ベッドを作るにあたって、クッションになる草を刈り入れる。

 ダンジョンにはいくらでも草が生えているから、入ってすぐの所から刈っていくだけでも必要な量が揃う。


 草刈りなんて別に大げさな技術も何も必要ないと思うんだけど、何故か卜伝(ぼくでん)に≪採取≫スキルが生えた。

 特に意識してなかったけど、草刈りって採取扱いだったんだね。気が付かなかったよ。



 自作の家具を見て思うんだけど、家具関係をそのまま持ち込めないのは痛いよね。

 ただの布でさえ、ホームやダンジョンに固定化するのにはEPを使う。

 ホームに置いておく分にはそこまで多くのEPを必要としないけど、無限増殖ネタが可能なダンジョン固定は必要なEPがはね上がる。いくら毎回手に入るようになるからって、ペットボトル一つに1000Pも使いたくないよ。毛布のホーム5000P、ダンジョン50万Pだって払いたくない。

 ダンジョンで確保した猪肉を固定化するのなら500Pで済むけど、ダンジョンの外から持ってきた物を固定化するのは現実的じゃないね。


 ……ん?

 あ。


 猪肉、固定化しておくかな?

 クエストに影響しそうな牙は止めておいた方がいいと思うけど、お肉を毎回毎回ゲットできるのは、かなり大きいよね。

 500Pは現実的な数字だし、それで楽に20㎏のお肉が手に入るなら、惜しくは無い。

 今後ゴブリンが増えることまで考えれば早めに固定化するのがお得だよね。


 なんで、今まで気が付かなかったかなぁ。



 今回のアタックでは、最後にみんなで猪狩りをして終わった。

 狩った猪は牙を折った後、わざと内臓を取り出すだけにして固定化。それから解体を最後までやったから、今後は少ない手間で毛皮とお肉の両方を回収できるようになった。


 その代わり、EPは完全に使い切り。

 すっからかん、オケラですよ。





 アタック23回目。


 ゴブリンの集落2つを殲滅するまではいつも通りだけど、今回はユニークゴブリンは殺さずに放置しておいた。

 ここで増やすとパンクしちゃうからね。住む所と食べる物の確保は何とかなると思うけど、今はもう少し余裕が欲しい。余裕があれば慌てる事も無茶をする事も無くなるし、心にゆとりを持って動けるんだ。増やしたゴブリンをしっかり教育して、足元をしっかり固める時期と思おう。



 僕はホームに近い所にあるゴブリンの集落を2つ見つけているけど、それらを殲滅してもまだゴブリンはいる。

 きっと、まだ見ぬ先に他の集落があるんだと思う。


 ただ、僕はいつものゴブリンの集落で、かなり気になる変化を見つけてしまった。



 僕が見つけたゴブリンの集落はどちらも森の中で、平地にある。

 山のように起伏の富んだ場所が無いから、これは自動的にそうなってしまう訳なんだけど。


 その集落の中に、大きな岩が持ち込まれていた。

 そして、岩には絵が(・・)描いてあった(・・・・・・)


 ゴブリンの文明が、一歩進んだんだ。

 このままいくと文字の発明や、言語の複雑化が始まるかもしれない。


 そうなると技術の継承がスムーズになるから道具が進歩するだろうし、知恵も今まで以上にまわるようになるかもしれない。

 ゴブリンは思った以上に頭が回る種族だ。信綱なんかを見ていると人間以上の成長速度が脅威と思えてしまう。



 それに、だ。

 最悪は、宗教が(・・・)出来る(・・・)かもしれない。


 別に宗教ぐらい、信仰ぐらいどうって事が無いように思えるかもしれないけど。

 ここは地球じゃなくて、ファンタジー世界なんだよね。


 つまり魔法がある(・・・・・)んだ。


 祖霊崇拝や精霊信仰が、魔法に結びつかないと言い切れる要素は無い。



 一応、この事は頭の片隅に置いておいた方がいいかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ