表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オーヴァーランダー  作者: 猫の人
終章 アンサー
280/290

リベンジ

 僕らは命からがら、ギリギリの状況からの生還に成功した。


「長様」

「ん? 何?」


 逃げ終えたところで、荒い息を整えている僕のところに仲間のひとりが近付いてきた。


「あのまま戦って、本当に勝てなかったのでしょうか?

 我々なら、きっと勝てたと思うのです」


 そのゴブリンは瞳に憎しみとか暗い感情を乗せつつ、そう質問してきた。

 ああ、と僕は彼の勘違いを訂正する。


「うん。あの場にいたのは倒せただろうね」

「ならば!」

「で、多分も何も、他の奴らに囲まれ、みんな殺されて全滅かな?」

「なっ!!」


 あの場にいたキメラは1匹だけだった。

 けど、他にいないと何で断言できるかな? 僕の予想ではもっといると思うんだよ。


 この子は、その可能性を無視して戦闘を組み立てていたみたいだ。



 他のみんなの顔を見てみると、僕が口にした可能性に気が付いていたのは半分ぐらいみたい。8人ほどが驚いているね。


 今回生き残った17人。

 大損害を出した事に大いに落ち込んだ僕らは、粛々とホームに撤収するのだった。





 なお、死んだメンバー13人のうち11人が進化した。

 義輝や氷刃や雷刃など出雲のメンバーが進化した為、戦力的には大幅なパワーアップだ。EP的には大損害だけど、トータルで言えばプラスになると思うので、惨敗であっても痛し痒しと言ったところ。


 さすがに信綱は2度目の進化などといった素敵イベントに恵まれず据え置き状態。

 復活費用が500Pと一桁増えているのには苦笑するハメになったけど、二度目の進化で復活費用が5000Pとか言われるとお財布的に死ねるので、それはそれで良かったと思っておこう。


 無論、もう誰も殺されないように全力を尽くすけどね。





 アタック141回目。



 前回の戦いを踏まえ、今回はあの透明キメラへの対策で色々とアイテムを持ち込んでみた。

 そのために他の物資が犠牲になったけど、その程度の負担は仕方がないよね。


 正直、生き返るとは言え仲間を殺された僕はかなりムカついている。家族を死なせるような警戒しかできなかった自分にもムカついているけど、この怒りは全部あのキメラにぶつけるつもりだ。


 あのキメラは絶対に殺す。今度は誰も殺させない。

 その覚悟を以て戦いに臨む。





 そうして前回の反省を踏まえ、僕らは魔法陣へと、山頂側から向かう。

 山頂側から動くという事は逃げ道が反対方向であり、状況的には背水の陣に近い。それだけ本気で挑むという事だ。



 前回、僕らは彪のこともあり、透明モンスターに対してそこそこ注意していたんだ。

 それなのに不意を打たれた理由としては、あの魔法陣の近くにはあまり草が生えていない事があげられる。彪の時は草の倒れ具合で位置を把握していたんだよ。あの辺りはあんまり草が生えていないからね、前回はそれが出来なかったという事だ。


 そしてキメラは体が汚れても透明化を維持できるようで、ペンキをぶっかけるというのもあまり効果があるとは思えない。

 それにペンキをかけるなら結構近付かないといけない。遠距離から先制攻撃を仕掛けたい僕らは、そんな方法よりももっと遠くから敵の位置を把握したかった。



 この難問を解決すべく、僕は手軽に入手できるアイテムをいくつか用意している。

 これらに魔法を併用すればきっと高い効果を見込めるはずだ。


 魔法陣まであと500mぐらい。そこで抱えていた大きなボックスを開ける。

 僕らは30kgほど持ち込んだボックスの中身を地面にぶち撒けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ