次を目指す
別れ話はメールで済ませた。
回答は次のアタック後で、かな。次に会うのはこっちで2日後の予定だったし、その前にメールが来るだろう。
さすがに家に突撃かますようなことは無いと思う。
アタック135回目。
≪神託≫のチャージ期間が終了している。
最初は≪神託≫スキルでオーヴァーランダーのプレイ期間を確認するつもりだったんだけど、ネット上の誰かがすでに確認していて、100年間を予定しているという答えをもらっていた。
僕の方で確認したい、根本的な内容はそれ以上ないので、あとは攻略関連の質問にリソースを使えるようになっている。
静御前の方も時間が空いたからか覚悟が決まったようで、またスキルを使うと言ってくれている。
「じゃあ、質問内容は『ステージ4に行く魔法陣の場所』でお願い」
「分かりました」
悩んだのだけど、今回は次のステージに行く方法を確認することにした。
ゴブリンやオークたちサーヴァントの進化方法を聞こうかと思ったけど、急いで進化させたいという事も無いので、マップ情報でいいかな、と。
急いで進化させるより、次のステージを確認してそれに合わせた進化をさせたいんだよね。
それと、マップ情報は前回に比べてかなり情報量が少ないはずだ。
少ない情報であるという事は静御前への負担が減るだろうと予測でき、それがどのような利点を産むのか調べておきたいのだ。
攻略情報に頼ることを悪い事とは思わないし、命がかかっているんだから出し惜しみはしない。
けど、仲間に酷い負担を強いるのも、好きじゃないから。
無理をさせず、時間がかかったとしても気にしない。それが僕のやり方なんだよ。
スキルが使われると≪神託≫の光が静御前を包むところまでは前回と同じ。
しかし今回はすぐに解放され、彼女が叫ぶと言った事もない。大過無く、無事に≪神託≫は下された。静御前が倒れていないので、情報はすぐに手に入った。
「洞窟は関係なかったな」
「はい。次の≪神託≫で確認しますか?」
「いや、いいよ。放っておけばいいさ」
次のステージへの魔法陣。それがある場所は、僕らが探索している所からさらに2日はかかりそうな場所だった。
片道で合計3日はかかりそうなその場所は、直線距離で言えば40㎞も無いぐらいなんだけど。残念ながら山越えや迂回をするという事で、3日は見ないといけない場所だった。
教えてもらったルート以外を使った場合の情報は全く無いので、≪神託≫情報を確認してからそれ以外のルートを確認すればいい。教えてもらった道だって、僕らが通ったルートという訳でもないのだ。
なお、道中に追加の橋を作る予定はない。
橋を造ればショートカットできるところがあるんだけど、そこは距離にして400mはある谷で、さすがにそこに橋を造ろうと思うととんでもない時間と労力が消費される。
誾が「ロープを一本架けて、滑車で移動するというのはどうでしょう」などと言っていたけど、僕にそんな事をする度胸は無い。落ちたら死んじゃうしね。
次のステージボスはまだ未確認で、情報が無い。
一回はルートの確認からボスの調査までできる偵察隊を送り込まないといけないけど、それ、僕が直接やったらダメかな?
駄目ですね、はい。自嘲しますよ。
あ、自重か。




