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オーヴァーランダー  作者: 猫の人
クリエイション
252/290

平穏の裏で

 僕らが山歩きをしている間、誾達も同じように山歩きをしている。

 あっちは僕がいないからEPが使えず拠点制作が出来ないので、基本は日帰りばかりだ。応用的には拠点なしの野宿なんだけど、今のところ、そこまでやる理由はないかな。


 日帰りの範囲はほとんど探索済みなので、やる事と言えばモンスター退治、EP稼ぎだ

 誾達のチームは高火力もちが多く殲滅力があるので、戦闘に専念し戦利品に目をつぶればかなりの数の霧狼などを狩ってこれる。

 おかげさまでEP収益は上々、今回は1300Pもの収入があった。





 アタック124回目。


 ネット発注した誾達の装備が届き、火熊にリベンジを果たす為、彼女らは洞窟に向かっていった。

 僕らは僕らで泊まりがけの遠征だ。


 装備の再発注があったし、たぶん今回の火熊戦でも誾達は装備をボロボロにするだろう。

 なので、前回と前々回の収入は現金化しておいた。

 まぁ、今回のアタックが終わればゴブリン5人の派遣がある為、そこまで日本円に拘らなくてもいい気はしたけど。個人的に、現金が少なくなると不安になるんだよねぇ。

 日本時間で言えば1日2日だけど、体感では1週間2週間なので早めにお金が欲しかったんだよ。



 僕らは拠点まで戦闘1回でたどり着き、何事も無く、無事に翌朝を迎えた。


「朝ご飯はパンとスープだよー」

「うぅ、寒いっす。はぁ~~。温かいスープがありがたいっすねぇ」


 朝ご飯はコッペパン2個とスティックのコーンスープ。

 コッペパンは日本で買ってきたもので、移動中に押しつぶされて堅くなっていたけど、焦げ目がつかないように軽く火で炙ってから食べると味わい深い。

 クノ○ルのコーンスープは3つで200円のやつだけど、この手のスティックは運びやすいので、遠征などに最適だ。運びやすいとはいえ、みんなに行き渡るほど持ち込む事もないので、飲めるのは遠征の時ぐらいだけどね。


 肉体労働者の僕らにこの量は少ないけど、食糧持ち込みはある程度計算して行わないといけないので、ちょっとぐらいは我慢するわけだ。

 足りない量は味、つまり質でカバーするんだね。

 ……余計にお腹がすく気もするけど。



 今回は入り口から北の方に、川を越えてからもずっと進んでいるけど、この先はどんな地形かよく分かっていない。

 ドローンを使えば、また灰鷹が襲ってくる気もするし。さすがに10万円を使い捨てにするほど僕の金銭感覚は狂っていない。

 いや、命とか時間とか情報とか、そういったものと引き換えにするなら10万円は安いのかな? どうだろう?


 何にせよ、この先は未知の領域という事で慎重に先へと進む。

 すると。


「長様! 新種です!」

「新種? いや、違う。アレは山羊だ!」


 山の中にある、開けた土地。

 緑が少なくまばらに草が生えているだけの場所。

 そこには頭に角を持ち、茶色く長い毛をまとう、4足歩行の動物が何頭もいた。


 間違いない。

 あれは、山羊だ。


「捕まえるぞ! 3手に分かれて囲む!」

「生け捕りっすか!?」

「おう!!」


 僕らは山で、山羊を見つけた。

 この日は悪戦苦闘し、なんとか3頭の山羊を確保した。


 山羊は乳が採れるし、毛は織物に使えるし、肉も一応は食える。

 僕らは意気揚々と村に帰還し、今度はなんとか火熊を倒した誾達と顔を合わせる事になり。


 火熊との戦いで信綱が死んだ事を聞かされた。

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