表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オーヴァーランダー  作者: 猫の人
シャッフル・セクション
219/290

ステージ3

 そういえば、小阪さんと付き合いだした事を言ってなかったなぁ。

 僕は崩れ落ちたゴブリナを見てそんな事を考えた。



 日本での僕の話は、ときどきサーヴァントのみんなにも話している。

 別に隠しておきたい事でも無いし、互いの話をする事が無駄だとは思わない。僕という人間(キャラクター)、その背景(バックボーン)を理解する手助けになるだろうし。


 話さなくても分かる、そんなのは妄想の類いだ。

 人もゴブリンもオークも、みんな。言葉を交わしてもわかり合えない事は多い。

 だからこそ、少しでも語り合ってわかり合おうとしなきゃ駄目なんだ。


 ただ、この(恋人ができた)件は、まだ言ってなかったよ。

 言い難いと言うほどの事でもなかったんだけどなぁ。





 誾に連行されたゴブリナは、次回にでも新しい名前を与えるとして。

 それよりも今は優先すべき事がある。


 それはステージ3の確認。


 クリアボーナスで『海』の購入に必要なEPは貯まったけど、その前に新しいステージを確認しておきたい。

 『海』は2万Pと高額なのだし、僕のEPはたとえ1Pでも無駄にできるEPじゃ無いんだから、これは必須だ。

 そんなわけで、僕は信綱らゴブリンオンリーのメンバーを引き連れて、ステージ3へと向かった。





 ステージ3は、一言で言い表すなら『山脈』だった。



 最初、僕らは真っ暗な洞窟に出た。

 また『迷宮』かと暗澹たる気持ちになったけど、一方通行だったので行ける方にしばらく進むと、山の斜面に出た。


 木々がそこそこに生え、緑に覆われた山々。木々は間伐されたような密度で生えているので、視界はあまり暗くない。ただ、天気があまり良くないので明るくも無いけど。

 今は夏なのに霧が立ち上り、少し肌寒い空気。空は分厚い雲に覆われている。雨が降ってきそうな灰色の雲では無く、日光を少し遮るだけの白く薄い雲だ。

 下の方を見れば川が流れていて、視界のほとんどを埋める山の面積よりはずいぶん狭いけど、平野があり。

 空には大きな(・・・)鳥が飛んでいる。多分も何も、アレはモンスターだろう。遠くからなのではっきり断言できないけど、羽毛に覆われているので恐竜(プテラノドン)タイプではないと思う。



 このステージ、どう見ても海は関係なさそうだ。塩は期待できない。

 残念無念。これは詰んだ。


 ちゃんと探せば岩塩の鉱脈があるかもしれないけど、それを探すスキルが僕らには無い。

 これはもう、諦めるしか無いね。



 僕らは1時間ほど周辺を歩き回り、出てきたモンスター(毛深いオーク)を倒すと、この日の探索を切り上げてホームに帰った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ