EPによる対策
EPを使って解決する方法は2つあり、うち片方は検証が必要な方法だ。
やってみないと分からないなら、やってみるしかない。
検証に必要なEPは50Pと少ないけど、無駄にならないと良いなぁ。
そんなわけでやってきた処理施設。
壁はあるけどけっこう臭いが漏れていて臭い。
ゴブリン達には壁越しに処理をさせるつもりだけど、これだと壁越しでも嫌かなぁ。
そんな感想よりも、まずは今の処理だ。
僕はEP購入画面を呼び出し、地形オプションを選択する。
今回試すのは『大穴』という必要EPが100Pの地形。購入すれば1コマの土地に対し、深さ10mの穴を開ける。
これで糞尿のある高さを一気に下げてしまおうという作戦だ。
運が良ければ、今ある糞尿を取り除くべきゴミとして土ごと消してくれるんじゃないかなって期待もしている。
さて、どれぐらい上手くいくかな?
処理施設は深さ2mの穴に糞尿を捨てるという物だった。
試してみると、すでに捨ててあった糞尿ごと土が消えて大穴があいている。
多分だけどね。底の様子が暗くてはっきりとは見えないから。
懐中電灯でも持ってくれば良かったよ。
臭いで判別できれば良いんだろうけど、臭いまでは消えていないし、壁に染みついた分もあるので断言できない。
消臭効果のある物、何か考えないと駄目だよね。ハーブ類は思ったほど効果が無いし。
まぁいいや、と思い直したけど、僕はもう一つの方法を試せなくなっている事を思い出した。
もう一つの方法は、キノコ栽培だ。糞尿を苗床に、キノコを育てようと思っていた。キノコで発酵の促進を狙っていたんだ。
あんまり食用とは考えれない話だけど、マッシュルームって昔は馬糞で育てていたっていうんだよね。
で、それが50Pで買えるようになっていたので買おうと思ったわけだ。
菌類が頑張ってくれれば糞尿の臭いの元が分解されるので、発想としては間違っていないと思う。
馬糞ならぬゴブ糞で育つのかなーって疑問はあったけど、そこは試してみてから考えるしかない。
もっとも、糞尿は消えたっぽいから今回は試さないけど。
しかし、今回の実験でいい事が分かった。
地形の『大穴』は、何でも対応してくれるという保証は無いけど、異物もまとめて消してくれるという事だ。
これならどんなゴミが出ても対応可能になる。
……って、ゴミなんて出ないか。
村では、ゴミという概念が糞尿ぐらいしか無い。
獣の皮の切れ端や木屑などは火付けに使うし、鉄などの金属は再利用が当たり前だ。
何かを燃やした後の灰は竹林に撒いて土壌改善に使っている。
雑草の類いも乾燥させて土に混ぜるといった使い方をするし、ゴミらしいゴミなどここでは出ない。僕の持込んだ物以外は。
こっちには残らないゴミだけど、包装に使われるプラスチックなんかは一般家庭では燃やさない方が良い物として扱われるので、僕が回収して日本で捨てている。
そう考えると、ゴミ問題って本当に現代社会が作り上げた新しい問題なんだよな。古い時代では考えなくてもいい話なんだ。
ま、そこは僕が考える事じゃないよね。
プラスチックやそれに相応する品なんて僕らには作れないから。
村の技術力は「目指せ江戸時代」だから、近代や現代レベルの品は絶対に無理。
技術力って、人口も関係してくるからねー。




