フロア3の中ボス③
中ボスのところから戻った僕らは、当初の予定通り、フロア3の入り口付近で一泊した。
遠回りをしたこともあり、普段よりも遅めの就寝になってしまった。
翌朝、僕らは宝箱のところに向かった。
今までで一番良いものが手に入るかもしれないと、ワクワクする気分に逸りながら、罠があるかもしれないと慎重さを失わないように自分を戒めながら、蓋を開ける。
「ブヒ?」
やったね、白豚ゲットだぜ!?
豚は豚でも豚人間だけどね!!
はい。せーの、
「オーク!?」
「ブヒー!?」
フロア3で2泊した結果。
宝箱からはオークが出てきました。
訳が分からないね。
一周回って冷静になると、オークが出てきたのが不思議でも何でも無いことに気がつく。
ラノベやゲームでよくある設定だけど、ゴブリンを最弱とすると、次に弱いのが犬人間かオーク。つまり、ゴブリンの次にオークが出たのは定番中の定番だって事だ。
「特に問題も無いし。ま、いっか」
「ブ~ヒ~」
僕とオークは顔を見合わせ、気の抜けた声を出す。
うん、問題ないよね。
このオークは筋肉質な人間の体の上に豚の頭を乗せたモンスターだ。いや、けっこう毛深いから猪頭かもしれないね。
そうなるとこいつはオークの上位種であるハイオークやハイランドオークなのかもしれない。地上に戻ったときが楽しみだ。
ちなみにこいつは一応だけど服を着ている。
けっこう長めの長方形の布の真ん中に穴を開け、そこに頭を通し、ひらひらしないように紐で腰回りを固定しているだけの、簡素な服だけど。
ついでに靴相当の物も履いていて、板に紐を付けただけの物を使っている。
武器などの類いは持ってないけど、空っぽの手提げ鞄を所持している。
一瞬だけ「無限収納系の鞄!?」と思ったけど、物はごく普通の鞄だった。重量軽減などのチートも無い。無念。
こいつは白ゴブ姫と同じく、ホームに行ってからサーヴァントにするモンスターのはずだ。なので、地上までの護衛ミッションになる。
今回も強行軍になり、即日撤退のつもりで動く。多少の疲労は無視し、休憩少なめで戻ればなんとか夜には戻れる。
こうして僕らは白いオークを連れ、ホームに戻るのだった。
白いオークは特に暴れることも無く付いてきてくれたので、予定通り夜にはホームに着いた。お決まりの『サーヴァントが手に入りました』
ホームに戻ったのだからお待ちかねの鑑定タイムだ。オークの種族を確認しよう。
僕はステータス画面からオークのデータを読み込む。
『オークセイント』
……セイント?
聖者?
スキルに≪神聖魔法≫ってあるんですけど!?
目をこすり、ステータスを確認し直す。
どう見ても、聖なる人のセイントだ。間違いない。
新しいサーヴァントは、対アンデッドとして破格の性能を持つオークセイントだった。
白ゴブ姫とは違い、即戦力クラスの新人。オークセイントの『鞍馬』。神聖魔法の有用性を考え、幹部候補として起用することにした。
誰を外すかは考えていないけど、こいつを連れて骨の巨人と戦おう。
タイムリーというかご都合主義的だけど、戦力が整った事を喜ぼう。
もちろん過度な期待はせず、その他の対策も考えるけどね。
骨を溶かす酸って、一般人でも入手できるかなぁ?




