私の顔はどうなっている?
――痛い、痛いよぉ。誰か助けて。
「……えますか。聞こえ……」
誰? なんて言ってるの?
頭がぼんやりしてる。もやがかかったみたい。
「聞こえますか、山田さん」
目を開けると、知らない男の人がいた。
ここはどこだろう。なんで私はここに。
「患者が意識を取り戻したぞ!」
今、患者って言った? どういうこと?
「ここがどこだか分かりますか?」
「い、いえ」
「ここは病院です。あなたは事故に遭って、ここに運び込まれたんですよ」
あぁ、そうだ。私、車にひかれたんだ。
「顔の包帯は数週間ほどで取れるでしょう。ただ……」
どうしたんだろう。深刻そうな顔をして。何か問題でもあるんだろうか。
「驚かないでくださいね。あなたの顔は以前とは違っているかもしれません」
「え?」
言っている意味が分からなかった。顔が違うってどういうこと?
「顔の原型が残ってなくて、手は尽くしたんですが、完全に元には……」
「そ、そんな」
私が何をしたっていうの。なんでこんな目に遭わなきゃいけないの。
「安心してください。ひどい状態になっているわけではありませんから」
安心なんてできない。私の顔はどうなってるのか、見るのが怖い。
いったい私の顔は……。
「いよいよですね」
顔の包帯が取れる時が来た。ドキドキする。どんな顔になってるのだろう。
「大丈夫ですよ山田さん。さぁ、包帯を取って」
医者に言われるがまま、私は包帯を取った。
「さ、鏡を」
手鏡を渡された。恐る恐る覗き込む。
「な、何よこれ!」
違う。こんなの私の顔じゃない。
「落ち着いてください」
「落ち着けるわけないじゃない」
手を尽くしたなんて嘘だ。ちゃんとした医者ならこんなひどい真似はしない。
「どうしてどうして、目と鼻と口があるのよ!」
私は――のっぺらぼうなのに。




