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おとなしあたー  作者: 音無威人


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10/50

ヒーロー面接

「君ね。ヒーローとしては不合格だ。次の機会にまたどうぞ」

「……はい」

「次の方どうぞー」


「失礼しまーす」

「……ってなんだ君は? なんだその姿は?」

 面接官の眼に飛び込んできたのは、全身が鱗で覆われた怪物の姿だった。

「僕、ヒーローになりたいんですけど。ダメですかね」

「いやいや、君どう考えたって怪人だろ」

「よく言われるんですけど、僕別に怪人じゃないですよ。見た目はちょっとアレですけど」

「怪人じゃなかったらなんなんだ」

「何って言われても、アレとしか言いようが」

「怪人だろ。怪人と言ってくれ」

「あのですね。僕ヒーロー志望なんで、怪人と言われるのは心外ですね」

「なんでヒーローなの? 見た目は怪人だよね?」

「いや、まぁ、僕だってバカじゃないんでね。最初は怪人の面接に行こうとはしましたよ。でもね、よく考えてください。ヒーローって五人組でしょ? 怪人一人でしょ? 五対一でボコられるのはちょっと。だったらヒーローになって怪人ボコりたいでしょ?」

「まぁ、そうかもしれないけど。見た目が怪人じゃ」

「あの僕思うんですけど、ヒーローが見た目で判断するのはダメじゃないですかね。ヒーローたるもの中身で勝負するべきだと思うんですよ」

「見た目がヒーローらしくないのが問題」

「最近流行のダークヒーローで売り出すのはどうですかね」

「やっぱダメだよ。ヒーローは子供に人気が出ないと」

「任しといてください」

「まぁ、子供に人気が出るなら、採用してあげてもいいよ」

「大丈夫です。僕、自信あります」

「本当かなぁ。じゃあ試しに子供を助けに登場してみてよ」

「腰抜かしますよ」

「はいはい」

「目ん玉飛び出ますよ」

「はいはい」

「口から心臓出るかもしれませんよ」

「早くしろ!」

「ケツからウ○コ出ますよ」

「うるさい!」

「というかもう出てるんですけどね」

「早く着替えてこーい!」

「それはちょっと」

「なんでだよ!?」

「だって子供って下ネタ好きでしょ」

「帰れー!」

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