27 違いの話
咲笑視点に戻ります。
き、気まずい。
只今、大輝にぃと二人きり。
家に帰ったら、兄は出かけているし、陸さんはバイト。
りーくんは仕事から帰って来ていなかった。
「そろそろ、大輝にぃって呼ぶの、やめない?」
と、言われてから、私は大輝にぃを避けていた。
何を話していいのか分からなかったし、接し方が分からなかった。
明日からテストだし、部屋に逃げてしまおうと、立ち上がったが、大輝にぃに手を掴まれた。
「ちょっと、いい?」
久々に話しかけられた。
と言ってもここ数日ぶりなんだけど。
すごく心臓がドキドキしていたけど、どうにか頷いた。
私だって、このままの状態でいいだなんて、思っていない。
でも、勇気が出なかった。
大輝にぃは、ご飯の時座るクッションに座った。
向き合うように、私も前に座る。
大輝にぃが息を吐く気配を感じた。
大輝にぃがしゃべり出す前に先に口を開いた。
「な、なんて呼べばいいかな?」
声がうらがえったが、気にしない。
大輝にぃの答えが待つ。
「ごめん!」
大輝にぃが突然焦ったように言った。
どうしたのだろうか?っと思っていると、大輝にぃの手が近づいてきた。
そこでやっと気付いた。
「泣かないで」
泣いていた。
自覚はなかった。
というより、気付いたら涙が落ちていた。
大輝にぃの手が私の頬に触れている。
私の涙が止まる気配はない。
なんで、泣いているのか私にも分からなかった。
だから、止め方も分からなかった。
「泣かないで」
さっきと同じ言葉。
困った顔の大輝にぃを私は眺めていた。
しかし、突然肩を、掴まれた。
私は驚いて、掴まれた肩を見た。
「咲笑」
そう呼ばれて顔を上げると、大輝にぃとすごく至近距離で目が合う。
唇が触れた。
大輝にぃと、私の唇が触れた。
おでこでも、頬でもなく、唇に。
しばらく大輝にぃの顔を見てた。
大輝にぃからしたくせに驚いた顔をしている。
私も驚いて、涙は知らないうちに止まっていた。
そんな、私を見て、大輝にぃは言った。
「呼び方はそのままで、いい。ただし…」
呼び方は、そのままで…。
それがとても嬉しかった。
私は、大輝にぃのままが良かったから。
呼び方を変えたら、距離が遠くなる気がしていた。
それに、変わることが怖かった。
「ありがとう!大輝にぃ」
私は、大輝にぃの言葉が嬉しくて、キスされたことなんて、忘れてつい抱きつく。
大輝にぃは、当たり前のように抱き留めてくれた。が、腰をぐっと引かれた。
いつもと、様子が違う気がする…。
「ただし、」
大輝にぃは、りーくんが私をいじめる時と同じような意地悪な顔をして笑った。
「俺は男だということを忘れない方がいい」
私は、大輝にぃの言っていることをあまり理解できなかった。
私は、大輝にぃが女だなんて思ったことはない。
私が考えていると、
「本当に可愛いなー、咲笑は。だから、気をつけて。そんな無防備だと……襲われるよ?」
大輝にぃの顔がまた近くにあった。
また、唇が触れた。
さっきより、少し長い。
息が苦しくなってきた。
私は、大輝にぃの胸を強く押した。
大輝にぃは、私から身体を話して、クスクスっと小さく笑うと、
「分かった?つまりこういうこと」
と言った。
なんとなく、大輝にぃの言いたかったことが分かった。
なんか、すごく大事なことに今気付いた。
私大輝にぃに2回キスされた!
私大輝にぃに2回キスされた!
大事なことなので、2回言いました。
「大輝にぃ、キスしたぁーーーー!」
おとなしく大輝にぃの腕にいたが、とりあえず、腕を解いて逃げ出す。
「今更だな」
と、大輝にぃはいつもの笑顔で笑った。
それに、少し安心する。
「それで、咲笑」
すっかりいつもの大輝にぃに戻ったよつだうだった。
「俺、咲笑のこと、好きなんだ」
「うん、私も好きだよ」
大輝にぃがいつもの調子だったので、私もいつもの調子で答える。
「愛してる」
「うん、私も愛してるよ?」
また、オウムのように返すと、大輝にぃは苦笑した。
「ばーか」と、大輝にぃは小さく言ったので言い返そうとしたが、大輝にぃが先に口を開いた。
「男として好き」
「うん?」
大輝にぃの言っている意味が分からなくて、首を傾げた。
「手繋いで外歩きたいくらい好き」
「うん?」
それくらい、小さい頃よくしたと思う。
また首を傾げた。
「付き合って欲しいって意味の好き」
「うん?」
どこにだろうか?なんか、欲しいものでもあるのかな?
また首を傾げた。
「まったく、咲笑は…。じゃあ、これならどう?
俺の恋人になってください」
…
……
………
…………
「え?」
思わず大きな声がでた。
「分かった?」
ちょっと、大輝にぃから変なオーラが出てる。
ヤバいよ、それ。
何その色気。
「そういう意味での好き。愛してるよ、咲笑」
理解した。
「答えは?」
大輝にぃは、私の顔を覗き込むように聞いてきた。
「わ、分かんない…」
つい、本音が漏れた。
というより、こんな言葉しか出てこなかった。
「まぁ、しょうがないよね」
と、大輝にぃは優しく頭を撫でてくれた。
温かい。
気持ちいい。
「じゃあさ、咲笑が俺のことを「兄」として、見れなくなったら、また教えて。告白の答え」
大輝にぃは優しい。
大輝にぃは、私のことが好きだと言ってくれた。
だから、私の「兄」をやめようとしたのだ。
でも、私が嫌がったから…大輝にぃはこう言ってくれたのだ、と思う。
私は、頷いた。
大輝にぃは、優しいから、気持ちに答えられるといいなー、と思った。
「そんな不安そうな顔しないで。これから頑張るのは俺だから。咲笑のことは、好きだけど、「妹」としても、大切だから」
私、そんな顔していたのだろうか?
大輝にぃの優しさに答えたくなった。
「ありがとう、大輝にぃ。これからも、よろしくお願いします」
私は、少し真面目な顔で言い、大輝にぃの手を握った。
優しい顔で大輝にぃは「おう!」と言った。
しばらくして、くたくたのりーくんと、なんか妙にテンションの高い兄。
それから、陸さんが帰ってきた。
ご飯を食べながら、大輝にぃに唇にキスされたことを、思い出し、それからりーくんにも唇にキスされたことを思い出した。
二人を見て、なんとなく顔が赤くなってしまった。
それにしても、二人のキスは、同じのようでなんか少し違ったような気がする。
……多分。
違いはなんだったんでしょうか?
口調が難しい。
書いてる最中に私のなかで大輝にぃが暴走しかけて、大変だった(笑)
「咲笑に俺のこどもを産んで欲しいって意味での好き」
とか、最初言わせてたんですけど、なんか大輝にぃじゃなくて、りーくんが言いそうなので止めときました。




