21 私と、透の話
久々の投稿です!
中学に入学したての頃、学校で迷子になったことがあった。
自分の教室の場所も、職員室の場所も、そもそも自分の現在地さえ分からず、どうしようかと、周りをキョロキョロと見回していると、
「ねぇ」
と、突然声を掛けられた。
長い髪の毛をポニーテールにしている女のこで、少し大人っぽく見えた。
それが、斎藤透だった。
「はい」
「迷子?」
と、透に聞かれ、私は頷く。
すると、透は少し笑って、それから、
「連れて行ってあげる」
と、私の手を取って歩きだした。
そして、教室の前に着くと、私の手を離した。
「ありがとうございます」
と、言ってから、なんで、彼女が私の教室を知っていたのかという疑問が湧いて来た。
「なんで敬語なの?」
と、透が言ったことにより、彼女が同い年で、尚且つクラスメイトだったことを知り、疑問が解決したと同時に、とても恥ずかしくなった。
それから、私達はお互いに自己紹介をして、出席番号が近かったから、席は今と同じく前後。
気があって、とても仲良くなっていった。
そんな私達は楽そうだから、という理由で図書委員になったのだが、実際は放課後と、昼休みの受付係が必要で、それが結構めんどくさく、たいへんだった。
当番の初日、またもや私は道に迷っていた。
透と一緒に当番だったのだが、先生に呼び出されていて、職員室から図書室に行ったため別々。
とにかく行ったり来たりを繰り返していた。
恥ずかしくて、道を聞けずにいたが、そろそろ誰かに聞かなければと思い、辺りを見回すと、あの時と同じように透がいた。
「もう!本当にどこ行ったのかと思ったよ!!図書室にはいないし、教室行ってもいないんだから!!」
と、透は怒り口調で言った。
「ごめんー。道に迷ってた」
と、私が正直に言うと透はため息をついた。
私が、すこし落ち込んでいると、
「もう、仕方ないなー、一緒に行こ」
と、またあの時と同じように手を取った。
そして、図書室に向かった。
その後図書室の先生に少し怒られたが、それ以来私達は中学2年でクラスが離れても中学校の3年間一緒に図書委員を務めた。
ちなみに私と、透は中学2年の時以外すべて同じクラスだ。
だから、私のことの性格とかをよく分かってて、よくお世話になっている。
「もう、仕方ないなー、一緒に行こ」
なんて、透が言うからなんだか、懐かしくなって、駅までの道のり、出会った頃の話をした。
「咲笑は全然変わらないよねー」
と、透が言うので、
「透も全然変わってないよ!!」
と、言い返す。
そんなことをしているうちに駅に着いた。
楽しくて、まだおしゃべりしていたい気持ちになったが、明日も学校だし仕方ない。
「じゃあね」
と、透が言い、私も「明日ね」と言おうとしたところで、見知った人物を見つけた。
「ミミ?」
相手のほうが私に早く気付いていたようだ。
透と、私は声の主の方を見た。
どうして駅にいるんだろう?と、思いながら、私は呼び返した。
「りーくん」
りーくんは基本的に車で学校に行くので駅はあんまり使わないので驚いてしまった。
りーくんは学校の帰りのようでスーツにメガネ、髪はオールバックという教師スタイルだった。
「どうして駅にいるの?」
「あぁ、今日は急いでて、車より電車の方が着くの早いかと思ってな…まあ、そうでもなかったけど」
と、りーくんは苦笑いした。
確かに今日のりーくん急いでたなーと思い、ふと朝のことを思い出した。
謝らなきゃ、と思うのだが、透がいるので今謝るのは恥ずかしい。
するとなんだか、透から視線を感じ透を見る。
透は何か言いたげに私の方を見ているから何事かと思ったら、透とりーくんは初対面だったのを忘れてた。
「ごめん、透。この人がさっき話した、もう一人の同居人のりーくん」
私は透に謝ってから、りーくんを紹介する。
「こんばんわ」
と、りーくんは外向けの顔で笑った。
なんだか、違和感。
「こんばんわ。私は、咲笑のクラスメイトの齋藤透です」
透も自己紹介をする。
「もう暗いから気をつけて帰ってね」
とりーくんは言い、私の手をつないだ。
「はい。じゃ、明日ねー咲笑」
と、透は私に手を振る。
私はもうちょっと透と話していたかったから、残念に思いながら、
「ばいばーい」
と手を振った。
透が駅の中に消えて行ってから、私達も家の方向に歩き始めたのだが、りーくんは私の手を離そうとしない。
「りーくん?」
返事はない。
「朝のこと怒ってるの?」
「別に怒ってない。ていうか、それは俺が悪かった。ごめん」
突然謝られた。
私は首を振った。
「ううん。私も子供っぽいことしてごめんね」
と、謝る。
りーくんは複雑そうな顔で私の頭を撫でて、それが気持ちよくて、でもちょっと恥ずかしくなって笑った。
すると、りーくんは私に背中を向けて
「もう少しの辛抱だ。頑張れ俺!」
と、小さくつぶやいたのが聞こえて、なんのことか分からなかったけど、応援したくなった。
家までの道のりずっと手を繋いでいて、りーくんはずっと難しい顔をしていた。
一方、一人電車に乗った透は、涼のことを思い出しながら、溜め息を吐いた。
あれはただの友達の妹に向ける目じゃないだろ。
咲笑も、「厄介な男」を捕まえたなぁー。
透は咲笑の顔を思い出し、「とりあえず頑張れ」と心の中で親友にエールを送った。
最後の部分訂正しました。




