[stage02 RED・DEMON]
暗い路地裏を三人の若い男が懸命に闇の中を駆けていた。
「最悪だ!よりにも、よって、紅鬼に見つかる、なんて!」
息を切らしながら大通りの光を目指し無我夢中で走る男達。三人の内一人が通りの光に包まれた。 しめた、と笑みを浮かべた二人の男を包んだのは光ではなく真紅の鮮血であった。
何事かと立ち尽くす男達は視界に入ってきたものを見て事態を察した。 足元に転がっている、胴で二つに分かれた仲間の遺体、血で濡れた自分達の衣服、そして血で濡れた巨大な両刃刀を担いだ黒コートの男・・・・
不敵に笑う黒コートの男を見て男が我に返った
「レウァール!きさまぁあああ!」
そう叫ぶと止めに掛かろうとした仲間の男を振り払い、懐の銃に手を掛けた。
「遅ぇ・・・!」
男が銃を構えるよりも先に黒の男の放った縦一線が男を左肩から股にかけて一刀両断にした。
ずるりと爛れ落ちた仲間の肉塊を見て最後の一人が後退り命ごいをした
「分かった!大人しく投降する!だから命だけは!頼む!」
涙を流し頼み込む男の悲願すらも巨大な大剣は断ち切った。
「つまらねぇ。命こうぐらいなら禁忌に足突っ込むんじゃねぇ。やるなら最期まであがきやがれ」
そう言って舌打ちをして大剣の血を拭い、男達の首を袋に詰めて担ぐと黒コートの男は煙草に火を着けた。
「それから俺は上の名で呼ばれんのは好きじゃねぇ。俺様を呼ぶ時は[レオン様]だ。あの世でしっかり後悔してろ」
そう言って首の入った袋を担ぎ直した。
血で染まったコートを羽織る情けなきその男の姿はまるで真紅の鬼そのものであった。