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鼻くそ

作者: 束間由一


 鼻をこすったら、鼻くそが手についてしまった。

 微妙に鼻がくすぐったかったからこうなることは予想は出来た。しかし、回避する事は難しい。


 さてどうするか?

 これだけ粘っこいと、丸めてピンは到底出来ない。

 

 道端の標識にでもさりげなくパスしてしまおうか?

 しかし、ここは人が多すぎる。付けたのがバレるのは嫌だ。


 食べる? 

 とんでもない、私は鼻くそを食べるタイプの人間じゃないんだ! 

 のぺえとした男子なら食べても大丈夫だ。しかし私はれっきとした大人なのだ。

 

 ティッシュペーパーかハンカチを持ってこればこんな思いはせずに済んだ。

 私はポケットに両手を突っ込む。 

 


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