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村の一日と、緊急事態

狩りから帰って来たアルフォンス達が巨大な獲物を持ってやって来た。

梢は毛を狩り、他の事はレイヴン達に後の事は任せて女子達と果樹園に向かう。

そこでマリアと話していると、クロウがやって来る。

理由は森の入り口に馬車が来ていることにあり──





「フォレストシープの群れが居たから特段でかい個体を二匹狩って来た」

 アルトリウスさん達が狩りから帰って来てドンと地面が揺れる。

「ワーオ」

 今度は野生の羊のモンスターかよ。

 しかも一匹がでけぇし、熊よりでけぇぞ。

 この森どんだけ「フォレスト」ってつく動物元いモンスターいるんだ。

「すごいすごいー!」

「毛は普通の羊の毛よりも高値で売れる。コズエ刈ってくれないか」

「了解」

 私は毛刈り鋏を取りだし、刈り始めた。

 二十分ほどで毛刈りは終了し、二枚の毛皮ができた。

「レイヴン」

 クロウがレイヴンさんの名前を呼ぶ。

「何でしょう?」

「後の事はお前に任せる」

「畏まりました」

 レイヴンさん達ハイエルフの方々が商品になるように手を加えるのだ。

 私が手を加えるのも最初やっていたが、とんでもない品物になってしまう為刈り取るだけで終わっている。


 まぁ、刈り取るだけでも結構加護が負荷されるらしいけどね!


「うわーでけぇ!」

「父上、解体手伝います!」

 ルフェン君が挙手する。

「ああ、頼むぞ」

 アルスさんは頷きナイフを渡す。

 女の子達は畑と果樹園に移動する。

 あ、イリスさんとヴェロニカさんは解体を手伝っている。

 私はしない。


 まだ生き物を解体する勇気は無い。

 私の苦手分野なので誰も私に解体させようとはしない。

 前にキマイラの頭部引きちぎったけど、アレはノーカン!


「今日も大量収穫ね。半分はお酒用にしても良いくらい」

「……確かにこれほどの果実ほぼ毎日収獲できるなら酒に半分回してもいいだろうな」

 マリア様が苦笑して言う。

「お酒にすればドワーフやハイエルフ、大人達は飲み食い沁ますし、売ってお金にすることも可能ですしね」

「そうか」

「そういえば果物も王宮に卸す話でしたよね」

「いや、これほど毎日採れるのならば文句はない」

「まぁ、今年は特に採れてますよ。世界樹の祝福があったらしいので」

「ああ、実際見たのは初めてだ。何日にもわたりあらゆる植物が季節関係無く花を咲かせるなど見たことはない」

「周期がアレらしいですけどね、数百年単位」

「だな、文献で愛し子から伝えられたというものが残ってる程度だ」

「どこでも愛し子がでてますな」

「愛し子である貴方にとって他人事のようですね」

「愛し子っていっても他人ですから」


 だって本来の愛し子は神様のところにいるしー。

 私はその力を貰っただけの元陰キャなので。

 お陰で吸血鬼なのに畑仕事とかできるんですけどね。


「愛し子様、もらっていっていい?」

「勿論、お手伝い賃だからね」

「わーい!」

「やったぁ!」

 子ども等は持ってきた置いた籠に果物を詰め込み帰って行く。

「あれで何日分だ」

「一日で食べ切っちゃうらしいですよ、美味しすぎて」

「……確かに、あの味なら食べきってしまうなあの量でも」

 先ほど、あのお高いマスカット種を食べたマリア様は納得したように頷く。

「まぁ、魔法で保管しているんですが一考に減らなくて酒にしちゃうのが定番だったので食べてくれる方々がいるところに卸せて私は満足ですよ」

「そう言ってくれると有り難い」

「「コズエ様ー!」」

「ああ、イザベラ様にロラン様」

「この果物はなんですか?」

「ああ、蜜柑よ。オレンジと同じ柑橘系だけど味とか違うでしょう?」

「はい! 甘くって美味しいです!」

「皮をむいてすぐ食べれるなんて……」

「蜜柑か、良いな」

「まだ沢山あるからね」

「「はい!」」

 ロラン君とイザベラちゃん、王族の方々用に収穫した果物食べに戻って行った。

 それは急ぐだろうねー、なくなっちゃいそうだから。

「マリア様は食べないんですか」

「子ども達に優先的に食べさせたい、王宮では食べられぬからな。ここでは毒の心配もないし、仮に毒に当たっても愛し子様、貴方がいる」

「なんか信用されてるのは分かりますが、あまり信用しすぎないほうがいいですよー私仮にも吸血鬼ですから」

「貴方ほど信用のできる相手は居ない、善に寄りすぎてる。寧ろ貴方の方が他人を信用するかどうかを見極めた方が良い愛し子様」

 うーん、ぐうの音も出ないぞ。

 まぁ、私もなんかこいつやだなー程度は分かるし、クロウに至っては心読んでるのかとでも言いたい具合に見透かすからな。


「梢」


 クロウがやって来た。

 理由は分かる、馬車が来た。

 嫌な気配はしない。


「マリア様、ここでお待ちを」

「いや、私も行こう」

 マリア様、頼むから言うこと聞いてくれよぉ。

 と思いながら森の入り口へ。





「愛し子様、愛し子様はおります──正妃やはりここに」

 馬車から降りてきた女性がマリア様を見て安堵の表情を浮かべる。

 あれ、もしかしてドミナス王国の御方?

「ローザ殿ではないか。どうしてここに? 夫と色々あったと聞いていたが」

 女性元いローザさんは少年を連れて馬車から出て来た。

「正妃様、どうか、ギャラハッドをお助けください……!」

 息子さんの名前かギャラハッドって。

 まぁ、取りあえず森の中に案内し、来賓の館で事情を聞くことに。



 結論、ローザさんの夫はクソ野郎でした。



 愛人が子ども望めないからってローザさんに子ども産ませようとする馬鹿だし、義父母と義弟二人にボコられても懲りず、料理長にギャラハッド君の食事に毒をもって殺させようとしたので、義父母と義弟二人が安全になるまで始祖の森に行くように言い出した。

 どうやら正妃マリア様が噂では夏はそこで過ごしているらしい、と。



「ヴェデーレ。奴の功績に英雄の名誉を与えたのは不適格だったようだな、早速国王(アルフォンス)に連絡を取る」

「……」

「そして毒を盛ろうとした証拠は」

「私が聞いていました! 魔晶石にその時の会話を録音しています」

「魔晶石?」

 たまに聞く単語だが、詳しくは知らない。

「魔力の結晶で作られた石だ、宝石並みの価値があるし、純度が高い程使い方の幅が広がる」

「なるほど」

「しかし、タダのメイドが何故そんなものを?」

「先代様が下さったのです。もし、息子が愚かな行為をしようとしたらその現場を録音するなり、録画してくれ、と」

「さすが前グラン侯爵、跡取り息子の育て方は間違えたようだが、他の子等は問題ないようだな」

「クロウ、この人達とマリア様連れて王都に行ってさくっと解決してきてくれない」

「任せられた。証拠があるし、水鏡の魔法も場合によっては使えば良い」

 何を言ってるかさっぱり分からんがなんとかなるだろう。

 クロウは巨大なドラゴンに姿を変えて、馬や、人を背中に乗せると、馬車を掴んで飛んで行った。

「なるべく早く帰ってねー!」


 私は手を振り、見送った。



「え、マリア義母様、いったん王宮にもどっちゃったの?」

「色々用事があるんだよ、まぁ早く帰ってくると思うので待とうね」

「はい!」

 返事をするイザベラちゃんを見て早く帰ってこないかなぁと思った。





「グラン現侯爵よ、私は其方を見誤ったようだ。我が子を殺そうとする愚者だとは思わなかった」

「陛下それは誤解です!」

 ドミナス王国王宮にて、ローザと当事者達が集められ糾弾が行われていた。

「魔晶石の声、間違い無くお前の声であった。しかも平民の娼婦の女と共謀するなど愚かしいにも程がある」

「ローザが役目を果たさないのが……」

「愚か者! 貴様がここまで愚かだとはおもわなんだ。グラン前侯爵、ヴェデーレ・グランを廃嫡し、ギャラハッド・グランを侯爵の地位に置く。そしてその後見人となるのはロディオ・グラン。貴殿で良いな」

「勿論で、陛下」

 すらっとした老人──ロディオ・グランは頭を下げた。

「廃嫡したヴェデーレは、鉱山送り。毒を渡したとされるレディカも同様に鉱山送りだ!」

「そんな!」

「私はそんなことしてません!」

「レディカ⁈」

「一方的に好いてきたこの方が悪いんです‼」

「ギャラハッドが居なければいいと言ったのは君だろう‼」

「黙れ、喧しい」

 クロウの圧に、罪人の男女は黙り込む。

「大人しく罪を受けるか、我に殺されるか選べ、エンシェントドラゴンに喧嘩を売った愚か者と名前が生涯残るぞ」

 そういうと、兵士がやってきて罪人を連れて行った。

「エンシェントドラゴン様、感謝いたします」

 正妃マリアが頭をさげ、国王アルフォンスも頭を下げる。

 そしてローザや、グラン侯爵家の一同も頭を下げた。

「別に構わん、正妃マリアよ、始祖の森に戻るぞ、まだ夏だ。満喫せんとな」

「ありがとうございます」

 クロウはにやりと笑い、マリアを見る。

 マリアは苦笑して頷いた。






梢の一日と、非日常を混ぜました。

大体、男性陣は狩り、女性と子ども達は畑か家畜(Not聖獣)、果樹園の仕事をしています。

ルフェンは両方やってます。そして梢が寝ている間に勉強などもやっています実は。


やってきた女性は救われたでしょう、マリアとクロウのお陰でこの命や未来、自分の立場も救われたと思います。

夫と愛人はしらないですが。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

イイネ、ブクマ、感想、誤字報告等有り難うございます。

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