特別なアクセサリーと結婚式について
辛い物を食べ終えた梢は汗だくなのを子ども達に見つかる。
そこでジュースを貰い一息ついていると、正妃マリアから相談事が舞い込む。
それはマルスの側妃予定のアンネが呪いをかけられそうになっていると言うもので──
「コズエ様、うわ汗凄い、どうしたの?」
まだひりつく口を鎮める為にジュース置き場に行ったら子ども達が驚く。
「ちょっと辛いもの食べてね……ジュース飲みたくて来たの」
「はい、どうぞ」
一二三ちゃんがジュースをくれた。
リンゴジュースだがすっきりとした味のジュースだったので心地よかった。
「ぷっはー美味しい!」
「コズエ様、お酒あんまり飲まないけどお酒沢山作りますよね」
「うん、村の皆が飲むからね」
「僕らも大人になったら飲むのかなぁ」
「飲めない人もいるから、無理に飲まなくて良いのよ」
「コズエ様がいうならそうなんだろうなぁ」
「そうですよ」
「うん、そうよね」
子ども達は納得してくれた。
「愛し子様、少々良いか?」
「あっはい」
マリア様に呼ばれてそっちへ行く。
「実は相談なのだが……」
「はい」
「アンネの家に嫌がらせというかそれに類する呪いをかけているものがいる」
「え?」
「宮中伯だから色々と恨みを買ってるのだ」
「はぁ……」
「そしてアンネは側妃になった。アンネ自身も呪い避けをやっているが数日で駄目になる」
「んー……相手を見つけるのはできないのですか?」
「探索妨害の術がかけられている、中々の術士だ」
「うーん」
「随分と簡単な対応で済む話をしているな」
クロウが割り込んできた。
「随分と簡単って言うけど、対処しようが無いから困ってるんでしょう?」
私が不満そうに言う。
「梢、お前作り貯めているアクセサリーがあるだろう? それを渡せば良い」
「え゛⁈ あれ人様に渡す感じで作ってるわけじゃないんですが⁈」
「渡せば、呪いは来ないし、呪い返しで向こうが呪われるぞ」
え゛ー⁈
私のアクセサリーそんな機能ついてたのに⁈
怖いわ‼
「愛し子様、宜しければどうか」
「うーん、ちょっと待っててくださいますか。何人家族ですか」
「祖父母、父母、兄姉、私の七人家族です」
「りょ、ちょっと探してくる」
私は自宅へと向かった。
自室に入り、アクセサリー用のマジックボックスに手を突っ込み、あれこれ、探す。
「んー、これかな?」
エメラルドのブレスレットを七個分取り出す。
エメラルドと金を使用してクラフトしたものだ。
デザインが気に入ってるのでちょっと調子に乗って多く作ったものだが、七個あって良かった。
それを持って行く。
「これでいいですか?」
「素敵なデザイン! しかもエメラルドじゃないですか! お金は払いますお幾らですか⁈」
「いやーお金には困ってないのでお気持ち程度で結構ですよ」
「そうはいきません!」
とアンネさんは言って手を叩き、執事がやって来た。
そして袋を渡しに手渡した。
「?」
袋を開けると白金貨が20枚。
「こんなには頂けません!」
「いえ、これにはこれ以上価値がありますが手持ちはそれだけなので、どうか貰ってください!」
「だったら半分で‼」
あーだこーだと論争になり、クロウが割って入って白金貨10枚貰うで決着がついた。
どうやらアンネさんは高い鑑定能力持ちらしく、どんな加護がついているのか見ただけでわかったそうだ。
どんな加護がついていたのか怖くて聞けなかったが、クロウもアンネさんに喋らせることはしなかった。
愛し子の作るものってとんでもないんだなぁと他人事のように思う。
いや、本当他人事のように言うしかない。
で、アクセサリーの話になり──
「わぁ、このピンクダイヤのイヤリング可愛いです!」
「良かったらつけてみます?」
「いいのですか? 有り難う愛し子様!」
「マーガレッタ……」
マルス王子は呆れている。
「マーガレッタは誰とでも仲良くなれるのだが、誰とでも仲良くしようとして不安だ……」
呆れているというか頭を抱えているというべきか。
「マーガレッタは人を選びますよ」
「エリザ……」
エリザ様がフォローを入れている。
「マルス様、エリザ、似合う?」
「う、うん。似合っているよ」
「本当?」
目をそらすマルス様を、マーガレッタ様がジト目で見る。
「似合ってますよ、エリザ。マルス様は恥ずかしいんですよ、こう言う場所で貴方を褒めるのが」
「どういうこと?」
マーガレッタ様はきょとんとしている。
「人目につくところで褒めるのは恥ずかしいんですよ、この照れ屋さんは」
「エリザ!」
「事実、でしょう?」
エリザ様はにこにこと微笑んでらっしゃる。
これが次期正妃の余裕……!
「マルスも、アルフォンス同様妃達の尻に敷かれそうだな」
「そうですね」
マリア様とクレア様が頷く。
クレア様、マリア様、お二人とも国王様の事尻に敷いてるんですね。
大丈夫なのか、お国は?
とか、考えているとクレア様が微笑んだ。
「大丈夫です、アルフォンスは私達がいなくとも立派に仕事をこなせますとも」
「ああ、だから愛し子様は心配不要だ」
「本当ですか?」
「まぁ、後でぐちぐち言うがな」
「駄目じゃないっすか」
私は呆れた顔をする。
「私も行きたかった、仕事を部下に任せてのんびりしたいとか言うが最高責任者はお前なのだから隠居するまで頑張れと言っておいた。私達は子ども達の保護者だ、マルスもイザベラもだが、妃になるエリザ、マーガレッタ、アンネは預からせて頂いている子ども達だ。だから警備兵も選ばれた者だ」
「なるほどー」
ちらりと見れば、嫌な匂いも雰囲気も一切しない人達だった。
警備兵の方々は私が視線を向けると頭を下げた。
「付き人と執事も問題ない者だしな」
「確かにそうですね、嫌なにおいも雰囲気も一切しないですもん」
「む、愛し子様は何かそういうのが見えるのか?」
「まぁ、瘴気以外にやな雰囲気とか隠し事を持ってると薄らと何かぼやけます」
「素晴らしいな、実に羨ましい」
「まぁ、お陰で村に変な人入らなくてすむんですが」
「違いない」
そう言ってマリア様は笑った。
「誠実な村人達で良いでは無いか」
「まぁ、何か祝い事とかあると『宴だ酒だ』になるのがたまに傷?」
疑問系で言ってみる。
「まぁ、よくある事だ」
「そうなんですか?」
「祝い事があると、国中で騒ぎになり、祭りになる。そうなると酒が自然と出てくる、そうだろう?」
「あーなんか納得」
「マルス達の結婚式も祭りになるぞきっと」
「でしょうね」
「其処に愛し子が祝福してきたとなればもっと盛り上がる」
「ん? 私何かするんですか?」
「世界樹の枝を持ってきてそれで四人を清めて欲しい、何枝でただ頭を撫でるだけだ」
「知らないところでなんか進んでル──‼」
思わず叫ぶ、本音だよ!
「何、世界樹から枝を貰ってきて欲しいだけだ、無理そうなら教皇に願うだけだ」
「えっとそれでお願い「コズエ様やってくださいますよね!」
私の言葉を遮るようにイザベラちゃんが言う。
「えっとその」
「それで私とロランとの結婚式でも祝福してくれるのよね?」
「……」
「駄目?」
「ハイ、ヤリマス」
「やったぁ! コズエ様大好き!」
イザベラちゃんが抱きついてきた。
嬉しいけど複雑だ。
そんな私を見て、マリア様は苦笑い浮かべてるし。
ちくせう。
「でも、葉っぱじゃなくて枝、ですよね? 早々簡単にくれますかね?」
「枝か、お前が頼めばもらえるだろう、その枝はアイテムボックスに保管しておけ使い終わったら次が来るまで」
クロウが来て解説して去って行く。
「エンシェントドラゴン様、見てる限り人の姿ばかりだが、何故だ」
「さぁ、クロウの考えはよく分からないので」
と、私はごまかしておく。
まだ、クロウに慣れてない人が多いのであのクロウは封印中らしいという事を。
だって普段お祖父ちゃんみたいな感じなんだもん本来は。
そんな事を考えていたら、クロウが盛大にくしゃみをした。
心の中で喋ってても噂になるんかなこれ?
と、思いながらアイスを貰いに行き、口にした。
やっぱり夏はアイスだよねー!
お酒は別に飲まなくていいという梢の持論。
そしてマリアからの依頼で悩んで居るとクロウがアクセサリーを渡せば良いと言ったのですんなり家族分渡す梢、その価値に少ないながらも支払おうとするアンネ。
それくらい、梢のアクセサリーはヤバいのです、加護が強いという意味で。
あと、結婚式の件で何やら進んでて梢は頭を抱えることに、大変です愛し子は。
最期のアイスは現実逃避です、梢の。
ここまで読んでくださり有り難うございました。
次回も読んでくださると嬉しいです。
イイネ、ブクマ、感想、誤字報告等有り難うございます。




