秋の収穫祭と梢の妊娠(2回目)
収穫祭、梢は何も手伝わずに始まった。
いつも通り家畜の世話や畑仕事をするだけだった。
そして収穫祭当日は──
収穫祭まで、私はなーんも手伝わなかった。
いつも通り畑仕事や家畜の世話などするだけで。
あと、織姫の布をレイヴンさんに渡したり。
そういう事をしていたら、収穫祭当日になった。
私が棺桶から起き上がって着替え終わると、子ども達が入って来た。
「母様!」
「もう始まってます!」
「いきましょう!」
「分かった、だから落ち着いて」
興奮している子どもたちを宥めながら、私は子どもたち押されて家を出て行く。
すると良い匂いが漂ってきた。
「コズエ様、お目覚めになりましたか!」
「うん、でも、収穫……」
「村人とクロウ様の手もあり終わりました!」
「え」
不安だった今日の収穫がとっくの昔に終わっていたことを知り驚愕する私。
「皆でやったもの」
「それが終わってから調理をしました」
「お母様が使ってる道具とかも使わせてもらったの! ……ダメだった?」
「ううん、ダメじゃない」
私はにこりと笑った。
そして子どもたちを抱きしめる。
「みんなありがとう」
そう言うと、子どもたちは誇らしげに笑った。
「お父様達も頑張ったの」
「そうです」
「父さん達、張り切ってました」
「コズエ」
「コズエ様」
「コズエ」
アルトリウスさん、ティリオさん、アインさんが近づいて来た。
「ところで、お父様はいつまでお母様に様をつけるの? あとアインお父様のことも」
音彩が疑問を口にする。
そう、ティリオさんは未だ私とアインさんを様付けで呼ぶのだ。
「それは……お二人は私に取って命の恩人以上の存在だからなのですよ、音彩」
「でも、そろそろ様付けしないほうがよいと思うの。だって私が生まれて13年間ずっと様付けだし、その前から様付けでしょう?」
ティリオさんは困ったような顔をする。
「ティリオ、私とコズエを様づけするのはそろそろ止めたらいいのでは? 音彩もこういっていますし……」
「ですが……長年染みついた言い方は早々簡単には……」
「そうよね、お父様じゃなくてもそうだもの」
「まぁ、ティリオさんには善処して貰う方向で、ということで」
「ええ、お父様。頑張って!」
「ぜ、善処します……」
何か心配だなぁ。
でも、私も様づけは止めて欲しかったとかなり前から思っていたし、頑張って貰うか。
「はい、こちら、豚汁と油揚げと豆腐の味噌汁ですよー」
「こちらはトウモロコシのポタージュと、ジャガイモのポタージュですよ」
「こちらは、ブラッドワインのスープです」
それぞれ汁物を提供していた。
他には飲み物。
私が作っているジュースや、ビール類などのお酒、ブラッドワインが提供されていた。
そしておにぎりとパン、白パンが提供されていた。
どれも美味しそう。
「好きなのを食べてきていいのよ」
「じゃあ全部食べてきます!」
「私も!」
「私も‼」
「あはは……」
この食いしん坊ちゃんは。
我が子ながら心配だ。
エンゲル係数やばそうだな、我が家。
いや、調べ方分からないけど。
色んなものを食べて飲んで、口にして、子ども達は大満足。
私もお腹いっぱい食べていた。
いや違う、食べても食べても満たされない感じがした。
しかも特定の料理しか食べられない。
お腹が空いてしかたなくて、結局家に戻り同じ大量の料理を口にした。
そして食べて居ると、それを不安に思った子どもたちがクロウを連れてきた。
「ん? コズエお前……」
「何?」
「妊娠しているぞ」
「は?」
思わず間抜けな声が漏れた。
心辺りはちょっとある。
子ども達は自室で寝るようになってから、たまにそういうことをすることがあった。
でも妊娠しやすくする薬は飲んでいない。
「しっかし、不思議だな。また三つ子で親は全員違うぞ」
「は?」
また間抜けな声を出してしまう。
え、つまり。
アルトリウスさん、アインさん、ティリオさんの子どもを妊娠したってこと?
「そうなるな」
「……」
あのー神様、もしかして私が妊娠するときは三人の子になるようにしてません?
『当然じゃよー平等平等』
立ちくらみを起こしそうになり、アルトリウスさんが支えてくれた。
さすがダンピール、動きが速い。
「大丈夫か、コズエ?」
「大丈夫よ、でもどうしよう? 安定期までは安静にしてた方がいい?」
「「「当然だ!」」」
「「「当然です!」」」
「お母様、何をバカなこと言ってるの?」
「畑とかどうしよう?」
「私たちがやるからお母さんはお腹の赤ちゃんを大事にして、安定期に入るまでは絶対安静! シルヴィーナさんに私達から報告するから、村の人達にお母様が無理してないか伝えて貰うの!」
「Oh……」
なんてこったい。
私は天井を仰ぎ見た。
子どもは嬉しいが避妊はしっかりした方がよかったな。
吸血鬼だからいまいち分からなくてそこおろそかにしちゃった。
まぁ、子どもは嬉しいからいいか。
……
取りあえず、安静だな。
前回同様体重には気をつけて、まぁ前回は子どもの分しか増えなかったんだけども。
多分今回もそうだろうな。
私は息を吐き出した。
「愛し子様、妊娠とは目出度いですな」
「ベアトリーチェさん」
翌日の夜ベアトリーチェさんが訪ねて来た。
「今回は実感が湧かないというか」
「なるほど、何か納得がいかない顔をしてると思ったらそういうことでしたか」
「コズエ様ー!」
シルヴィーナがやって来た。
「シルヴィーナ、この忙しい時期に妊娠しちゃってごめんね?」
「何をおっしゃいますか! めでたきことですよ」
「そ、そう?」
「新しい命が生まれるのは目出度いこと、そしてコズエ様は神々の愛し子、ならば尚更目出度いのですよ」
「そう?」
「そうですとも」
「愛し子様、此度は空腹が凄いと聞きましたが」
「そうなんですよ、お腹が減って減って仕方が無いんです、体重増えたらどうしよう」
おでぶさんにはなりたくないぞ!
赤ちゃんにも悪いし!
『そこは安心するんじゃー』
また神様が脳内に。
「お腹の赤子がきっと栄養を欲しているのでしょう、ちゃんと食べていただきたい」
「なので差し入れもってきました! どうぞ‼」
「シルヴィーナ有り難う」
私はお腹をさする。
予想外の妊娠だが、子どもが生まれるのは楽しみだ。
早く生まれておいで、私の可愛い子ども達──
はい、梢妊娠、二回目です!
年が離れた子ども達になりそうですね。
また、この妊娠はとある理由があります、それは次回明かされます。
あと、梢の妊娠は必ず三つ子でアルトリウス、アイン、ティリオが三つ子別々の親になるのは神様の加護?みたいなので確定してます。
多分大分前もいったかなぁと思いますが、もう一度。
産まれてくるであろう、妹、弟のどちらかに、実は三人はわくわくしています、三人とは晃たち、梢の子どもたちです。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
反応、感想、誤字脱字報告等ありがとうございます。
次回も読んでくださるとうれしいです。




