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ニンニク革命~神々の加護付きです~

梢はニンニクなしの餃子をクロウと食べて居た。

そこで梢が作るニンニクなら大丈夫じゃないかとクロウが言ってきて──




「それにしても、なんであんなに美味しそうに食べたんだろう?」

「それは幾ら新鮮なまま保管できるといっても収穫したてを冷やしたものと、保管庫で鮮度だけを保ったものでは差がでる」


 私はニンニクなしの餃子を食べながら言う。

 クロウもニンニクなしの餃子を食べながら応える。


「コズエ、聞いた所それはニンニクが入っていると……」

「ニンニク抜いてつくったの、変わりにニラとキャベツ多めに入ってるから」

「そうか、それなら……」


 アルトリウスさんが安心して食べ出す。


 餃子に似た料理があるのだろうか。

 うん、あるんだろうな。

 反応的に。


「クロウ、餃子って言うんだけどこの料理。似たようなのあるの?」

「形状は違うがガレオ包みという奴が似てるな、ガレオ……ニンニクに葉野菜、豚肉を入れて包むものだ。収穫祭なんかに食う物だな」

「ああ、そうなの」

「ここではニンニクは作っておらんが……コズエお前が作ったニンニクならもしかすると吸血鬼が食べても問題無いかもしれないぞ?」

「前向きに検討しておく」


 後で、スマホでカタログ見ようっと。


 そう思いながらニンニクのない餃子を食べる。





「本当だ、ネロ神印のニンニクの素売ってる」


 多分、神様印の~~というのがよく売っているのでそれかなぁと思ったらニンニクがそれだった。

 どうやら私が育てると吸血鬼も食べられるニンニクになり、またニンニクに耐性がつくらしい。


 なので、畑の隅にネロ神様印のニンニクを植えた。


 翌日にはニンニクになっていた。

 相変わらず、愛し子パワーすげぇな。


 試しにそれに小屋でラーメンのスープを作って食べてみた。


 美味い。

 これだ、これが私が求めていた物は!

 ニンニクがないと物足りなかった!


 だが、問題がある。


 誰に食べてもらう?


「母さん、これ美味しいです」

「お母様、コレ美味しいわ!」

「母様、このラーメン美味しいね」


 匂いにつられてやって来た子ども達にブーイングを食らい渋々食べさせると高評価だった。

 だが、待て。


 この子らは神々の愛し子()の子どもやぞ?


 ニンニクに生まれた時から耐性を保っててもおかしくない。

 となるとやはり……


「分かった、君が頼むなら試してみよう」

「アルトリウスさんごめんね……」


 他の吸血鬼のおたくに頼む勇気はない。

 なのでアルトリウスさんに頼んだ。


「匂いでダメだったら速攻で逃げてね」


 私はそう言って小屋の扉を開ける。


「……なんだろう、この良い匂いは? 食欲をそそるような……」


 匂いは問題無い。

 では試食ということで、子どもサイズのどんぶりにカエシ、スープ、茹でた麺を入れて出す。

 アルトリウスさんは恐る恐る口にする。


「‼」

「だ、大丈夫?」

「ああ、大丈夫だ、美味い」


 そう言って小さなドンブリのラーメンを完食してしまう。


 そして時間経過を見る。


 一時間経過。

 二時間経過。


 ……半日経過。


「神様ー何も起きないんですが、これって大丈夫ってことですよねー?」


 不安になって自室にこもり、スマホで神様に連絡する。


『その通りじゃ、というかニンニク作るのおそかったのぉ』

「一応吸血鬼なもんで」

『そう言えばそうじゃの』

「他の吸血鬼の方に食べさせても問題ないと?」

『お前さんの作った奴に限るがの』

「ハハハ、でしょうね」


 乾いた笑いが出る。

 が、仕方が無い。


 自室から出てふうと息を吐き出す子ども等が私の作ったニンニクを持って走ってきた。


「お母様! このニンニクなら吸血鬼の方々は反応しませんでしたよ!」

「寧ろ良い匂いと!」


「うぼぇええええ⁈ 何やってるの貴方たち⁈」


 私は絶叫した。



「いい? 報告は私からクロウにしてやるから貴方たちはしなくてよかったの」


「「「……」」」


 不服そうな三つ子たち。

 良い事をしたと思ってる分面倒なのだ。


「コズエ」

「アルトリウスさん」


 アルトリウスさんが、三人を諭すように口を開いた。


「晃も肇も音彩も、君の負担を軽減したかったんだ。だからクロウに確認しにいったんだろう?」

「「「はい」」」

「それは本来コズエがやる事だ、何故か? それを作ったのは晃たちじゃない、神々の愛し子でもあるコズエだからだ。君達がつくったものだとまた違った意味になってしまう」


 それもある。


「だから、晃、肇、音彩、基本コズエが関わった事はコズエに確認してから行うべきだ、次からはできるね」


「「「はい!」」」


 返事の元気は良いんだから。


「まずは、勝手に持って行った事を謝ろうか」


 三人はうなづく。


「お母様ごめんなさい」

「母さんごめんなさい」

「母様ごめんなさい」


「いいのよ、次からは気をつけてね」

「「「はい!」」」



「取りあえず、これで本格的なラーメンと餃子が作れるわね、あとケチャップも」


 今までのケチャップはニンニクなしだったからね。


 料理の幅が広がる、これほどうれしいものはない。


「さて、明日は何を作ろうか?」


 そう言って私は休むことにした。



 翌朝、吸血鬼やダンピールが食べられる匂いも平気なニンニクができたと聞いて吸血鬼を伴侶とする人達や、奥さんがやって来て若干大変な目にあったが、クロウのお陰で事なきをえた。



 そりゃそうか、弱点克服したようなもの扱いになるんだし。

 私の作ったの限定だけど。

 今のところは、はてさてどうなることやら──






ニンニク克服話です!

梢とネロ神印のニンニクなので吸血鬼に悪影響は与えません!

ちなみに小屋に入る梢を子どもたちは後をつけていたりもします、だから梢が小屋から出たときの良い匂いにブーイングしたのです、お母様だけ一人美味しいもの食べてずるい、的な感じで。

アルトリウスに食べさせるとき、小さな器にしたのは梢が小心者だからです、ニンニクで悪影響出ても少なくすみますようにって言う。

まぁ、何もなかったのですが。

これで料理の幅が広がると梢はうれしがってます、まぁこのニンニクの効果それだけじゃないんですが、次回以降に。


ここまで読んでくださりありがとうございます。

反応、感想、誤字脱字報告等ありがとうございます。

次回も読んでくださるとうれしいです。

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― 新着の感想 ―
と、唐突な飯テロおおお!ニンニクはあかんです。わたしはニンニクが大好きすぎてラーメン屋でニンニクが無料で頼める店を見つけたのでよく行き、頼んだら小さいビンにたくさん詰まったニンニクおろしを匂い気にせず…
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