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温泉で恋バナ⁈

温泉を掘り当て、入れるように整備した梢は村人達に温泉はどうかと提案する。

それを聞いてドワーフ達は早速温泉へと向かい温泉と酒を堪能する。

村人達も温泉などを堪能したのを聞くと、まだ入っていないリサを迎えに行く梢。

一緒に温泉に浸かるとリサがとある話をふってきた──





「「「「「「「「温泉⁈」」」」」」」」

「うん、穴を掘ったら湧いて出て来て温度もちょっと熱め程度だから大丈夫かなぁって」「その温泉とやらは?」

「この道を行った先にあります、シルヴィーナさんが木々と話をして空間を曲げる魔法を使ったのですぐつきますよ」

「ほほう、じゃ行ってみるかの」

 ドワーフ陣営ぞろぞろと温泉のある場所へ。


 しばらくまつとほかほかとしながらキンキンに冷えたビールを片手に帰って来た。

「ふー最高じゃぁ!」

「風呂上がりに飲む冷えたビールは美味いのぉ!」

 ビール瓶置き場とフルーツ、珈琲牛乳置き場 (自動補充)を作ったのでドワーフの男性陣は皆ビールを飲んでいる。

「コズエ様、俺達ビール飲めないよ?」

「珈琲牛乳とフルーツ牛乳があるから、それを飲んでご覧?」

「うん、かーちゃん、父上、行こうぜ!」

 ルフェン君を先頭に村の人達も温泉へと向かっていった。


 しばらくしてから同じように、大人達の多くはビール、子どもや女性はフルーツ牛乳や珈琲牛乳などを飲みつつ帰って来た。


「気持ち良かったよーコズエ様!」

「それは良かったです」

「コズエ様、有り難うございます」

「いえいえ」

 私はそう言うと、一人温泉へ向かった。


「あ、コズエ様」

 温泉の受付にはシルヴィーナさん達がいた。

「コズエ、か」

「コズエさん」

「皆温泉入り終わったかな?」

「後はリサさんだけです」

「じゃあ呼んでくるね」

「はい」

 私はそう言うと、ミストリア家を訪れた。


「──と言うことなんですが」

「まぁ、温泉。いいわね……ここに来てから体もずいぶんと動くようになったし、行ってみようかしら」

「送ろうか? 母上」

「大丈夫よアルトリウス」

「じゃあ、行きましょうか」

 私はゆっくりとリサさんの歩幅に合わせて歩いた。


「ああ、ここですか、温泉は」

「はい、私の故郷風にアレンジしました」

「立派ですねぇ」


 女性用の脱衣所に入り、服を脱ぎ、温泉へと向かう。

 温泉に浸かると、少し熱いが心地よかった。


「ふへー良い気分」

「ええ、良い気分ですね」


 リサさんの体をちらりと見る。

 此処に来た時はガリガリに痩せていた腕が見えたが、今では標準の体に見える。

 そして私は──何も変わらない。

 残念な事に。

 太ってもいなけりゃ、痩せてもいない。

 鏡を見るがぼやけて映る。


 温泉のお湯で見れば、すこしだけ以前よりもすっきりした顔立ちをしていた。


 髪の毛は伸びている。


 どうやって切ろうかなぁ。


 そう言えば、蜂蜜たまってるだろうな、見て回らないと。


 とか、色々考えていた。



「コズエ様」

「アッハイ」

 リサさんに呼ばれて現実に戻る。


「コズエ様は……どなたかに恋などはされたことはあるでしょうか?」

「んー残念ながらないですねー生まれてこの方」

「そうですか……」


 少しリサさん複雑そう。

 まぁ、嘘を言っている。

 恋をしたことはあるが、既にその相手には好きな人が居て人知れず恋の花は散ってしまった。

 私が好きになった人は悉くそうだった、だから恋をしても相手がいるんじゃないかと思ってしまうようになった。


 まぁ、つまりだ。

 私は恋愛とは縁が無いのだ。


「いい人がいれば恋をしてみたいと思いますけど」

 村人は大体家族持ちだし、ドワーフ陣営もそう。

 私が入る隙間は無いから軽く言ってみたすると。

「まぁ、でしたら。うちのアルトリウスはどうですか? あの子貴方に気があるようで」

「へぃ⁈」

「ああ、でもティリオ様や、アイン様も気があるようですからねぇ……選び放題ですよ‼」

「ちょちょちょ、ちょっと冗談は止めてくださいよぉ‼」

 私は慌てる。

「え、本当の事ですけど」


 こんな盆暗に、あのイケメン集団が興味あり、だと……⁈

 ありえん、ありえない‼

 多分、リサさんの思い違いだ、そうだろう。


「恋のお悩みならいつでも乗りますからね」

「は、はは……」

 私は苦笑いを浮かべるしかなかった。



 温泉を堪能するはずが、変な情報貰っちゃったせいで珈琲牛乳の味がちょっと分からなかった。

 キンキンに冷えて美味しいはずなのに、トホホ。


 リサさんを家に送り届けると、私は自宅へと戻った。

「あ゛──‼」


 棺桶の中でもだもだする。


 あの情報は本当か⁈

 そんな雰囲気一度も見られなかったぞ⁈

 リサさんの思い違いだな、確実に‼

 そうだ、そういうことにしよう‼


 私の思考切り替え終わり!


「さて、温泉浸かったし、やることやったし、久しぶりに趣味に走るか」

「コズエ様大変です‼」

「オウフ……どうしたのシルヴィーナさん」

「イブリス教の信者が行商を襲っているんです‼ 森の入り口付近でかち合ってしまったらしく」

「はぁー⁈ イブリス教の信者まだこりてねぇの⁈」

 私は呆れた。

「今すぐ行く‼ シルヴィーナは村で待機を‼」

「はい‼」

 私は家から飛び出した。


 猛スピードで入り口に向かった。


 キンキンと音がした、ドスっと音がした。


「キメラやゴーレムまで持ち出してくるなんてこいつらは何を考えている‼」

「レイヴンさん‼」

「おお、コズエ様。来て下さいましたか‼」

「負傷者は⁈」

「今のところ出ていませんが、このままだと出るかもしれません‼」

「危険度が高いのは⁈」

「キメラです‼」

 私はキメラに応戦しているエルフの方々の前に立つ。

「ここは私がやるから、貴方達は他を!」

「はい‼」

 私はキメラの攻撃を片手で掴みそして地面に幾度もたたきつけた。

 振動でよろめくキメラの喉元に食らいつく。


 血がぶしゃっとあふれ出す。

 私はそのままキメラの首に手を食い込ませ、頭をもぎ取った。


「次ぃ‼」

 倒れ、動かなくなるキメラを放置し、ゴーレムへと向かう。

 ゴーレムの拳に拳で返し、腕を崩壊させる。

「コズエ様、ゴーレムにはゴーレムコアがあります」

「ソレ何処⁈」

「おそらく、胸部かと!」

 私は胸部を拳で殴りつけた。

 砕け散る胸部の中心に光る玉を見つけわたしはそれを奪い取った。

 ゴーレムは動かなくなった。

 ゴーレムコアをレイヴンさんにぽいっと投げると、私は全身を覆っているイブリス教の信者共を見る。

「レイヴンさん、こいつらどうします?」

「逃しましょうただし」


『呪ってやるー』

『呪ってやるー』


「「「ぎゃああああああああ‼」」」

 リーダー格と思われる数名が耳障りな悲鳴を上げてのたうち回る。

「お前達は愛し子に危害を加えようとしたから妖精と精霊が呪った。もし同じ事を考えれば、さらなる呪いがお前達に降りかかろう、去れ‼」

 レイヴンさんがそう叫ぶと部下達はのたうち回る者達を馬車に押し込み逃げ去っていった。

「あーせっかく温泉はいったのに、べとべと」

 口の血を拭いながら、私は嫌そうに言った。

「初めて見ましたね、コズエ様が牙を立ててる所」

「初めてだからね」

「なるほど……」

「で、この死体どうする?」

「キメラの死体は貴重ですから持って行きましょう、先に戻っててください」

「うん、任せるね」

 私はそう言って村へと戻っていった。







リサからアルトリウス、アイン、ティリオから惚れられてるという情報を聞かせされた梢。

頭がパンクしたので、一端情報を頭の隅に追いやることに。


そして村に入ろうとしていた行商がイブリス教の信者達に襲われるのを助ける梢、キメラを豪快に吸血鬼的に倒して、ゴーレムも倒しました。

リーダー格が妖精と精霊に呪われて逃げ出しましたが、イブリス教はどうなるのでしょうか。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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