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秋の出来事~収穫祭~

秋の収穫祭。

村人達が賑やかにしている中、梢は一人小屋で食事を取っていた。

そこへ──




「はーい、スープですよー!」

「こっちはピザだ」

「おにぎりもあります!」


 わいわいがやがやと、村人達が料理を受け取り美味しそうな表情で食べる。

 収穫祭は、皆で協力して行った。

 私は最低限の事しかしてない。

 巨大すぎる作物などを切り分けたり、そう言った事。

 配布は他のヒト達に任せている。


 私は一人小屋でおにぎりと豚汁を口にしている。


「ふぅ」


 みんなとわいわい楽しくやるのもいいが、私の本質はこっち。

 一人静かに楽しみたい。

 緑茶を飲みながら、おにぎりと豚汁を味わう。


 子ども達も私が一人になりたい時があることが分かってきてくれたようで、その時はそっとしてくれる。

 有り難いが、罪悪感もある。

 子どもに其処まで気づかいをさせてしまったことに。


 はぁ、とため息をついていると──


「相変わらずしけた顔をしているな」


 クロウが入って来やがった。

 私は盛大にため息をつく。


「何の用?」

「お前の姿が見えないのでな、どうせ一人で飯を食ってるだろうと思ってきたのだ」

「だったら、少しそっとしておいてくれない?」


 私は眉間にしわを寄せながら疲れたように息を吐き出した。


「疲れたか」

「ちょっとね」

「大分良い兆候だな」

「はい?」


 意味が分からずクロウを見る。


「今までのお前なら人付き合いを考えて交流に参加していたが、今はそれが不慣れなのを自覚して休んでいる、良い傾向だ」

「クロウアンタ私の事どこまで神様から聞いてるの⁈」

「まぁ、色々と、だな」

「かーみーさーまー⁈」


 スマホをとりだし、神様に連絡をする。


『いや、儂らは最低限のことしか教えとらんぞ? 本当じゃぞ?』


 嘘くさい!


『いや、マジじゃって!』


 焦る神様。

 これは本当そうだ。

 しかし、プライバシーの侵害に値する。

 どうしてくれようか。


『仕方ないじゃろ、お主の事を分からんまま、お主をエンシェントドラゴンに任せるのは不安があったし』

「むぅ」


 事実だが、不満しかない。


「本当に最低限ですよねー?」

『お主の祖母に確認しつつやったから最低限じゃて!』

「ならいいんですが……」


 私の事をお祖母ちゃんはよく理解してくれた。

 お母さんと同じくらい。

 だから、いつも。


『梢ちゃん、無理はだめよ。お祖母ちゃん心配だわ』


 と言ってくれていた。

 生きる事自体かなりしんどい思いをしていたのだ、元の世界で。

 お祖母ちゃんのお陰で今はかなり楽だからいいなと思ってる。

 ありがとう、お祖母ちゃん。


 この世界に連れてきてくれるよう神様に頼んでくれて。





 久しぶりに、教会にやって来た。

 すると、ネヴィアさんがピアノを弾いていた。

 なんの曲だろうと思っていると──


「主神デミトリアス神をたたえる曲ですよ」


 と、アインさんが耳打ちしてくれた。

 へーそうなんだ、と思いつつ。

 聞いていた。


「ネヴィアさんは、ピアノを習っていたのですか?」

「いえ、ここに来てから教会で習いました、今ではいくつか弾けるようになりました」

「そうなんですね」


 まぁ、そうだろう。

 ネヴィアさんは精霊と妖精の愛し子だ、それ故、身分が帝国の帝王の一族でありながら反論し、幽閉された。

 まともな教育をうけさせてもらえなかったのだろう。


「ここに来てから、色んな事を教えていただいてます」

「ネヴィア、ここにいたのか」

「かあさま!」

「ランスロットに、トネリコ」


 てとてとと駆け寄ってくるトネリコちゃんに近づき、抱っこする。

 五歳児だが、結構大きい。

 やっぱり精霊と妖精の愛し子だからだろうなぁ。


 と、昔五歳児だった我が子達を思い出す。


「トネリコちゃんはどんな風に育つんでしょうね」

「良い方向に育っていると思います、村のみなさまのお陰で」

「ええ、本当に」

「なら良かったです」


 願わくばロガリア帝国復興とか馬鹿な事考えている連中に利用されませんように。


『ほっほっほ、分かっておるよ』


 うわ⁈

 神様いきなり脳内に話しかけるのは勘弁してください。


『いや、無反応だとお主が不安がるから、ついな』


 ぐむむ、反論できない。


 神様も言ってるし、大丈夫だろう。

 というか、そういうこと考えている奴らは森に入れない、もとい出禁だしな。




「収穫収穫ぅ!」


 ネヴィアさん達と別れてから、収穫できていないものを収穫する。

 そして必要なら種を蒔く。

 種は全部スマホの売買機能で購入したものだ。

 種をとれるものもあるが、そうじゃないものもある。

 なみに、栗の棘が村人はちょっと怖がって収穫をしようとしない。

 ので、私達家族で収穫する。


 栗は大きくて、ジャンボサイズ。

 通常のリンゴと同じくらい。

 まぁ、リンゴもびっくりするほど大きいんだけどね。

 私の果樹は頑丈なのか重たい果実は落ちない。

 栗等熟したら落ちるもの以外は。

 栗は熟したら落ちるからね。

 棘は乾燥させて火種にする。

 使えるものはなんでも使わないと。


「もう休もっか」

「そうだな、終わったから休もう」

「丁度良かったですしね」

「夕食は用意しています」

「あ、ティリオ本当? ありがとう」


 料理は皆が交代で担当する。

 子ども達もそろそろやりたいと駄々をこねているが……


 ちょっと心配なので親の誰かと一緒にやるなら良しと許可を出した。


 子ども達は私達の料理を見て直ぐ真似ていた。

 これも、精霊と妖精の愛し子パワー?


 とか、首をかしげたが楽しそうに調理をしている子ども達を見て私は安心する。

 いやいややるのは苦痛だからね──






梢が無理をしなくなっています、よいことです。

クロウに神様が梢の情報を提供していたことがバレました、梢ちょっとお怒り。

プライバシー侵害ですからね、仕方ないですが。

そしてランスロット、ネヴィア夫妻と娘トネリコとのやりとり。

ロガリア帝国の残党などに三人が利用されることはないでしょう。


収穫に関して、梢の大きいと言っているのは、栗って複数個入って棘に包まれているじゃないですか。

栗の大きさをリンゴと書きました、複数でリンゴの大きさではなく、1個1個がリンゴの大きさに近いのでがちででかいと行っているのです。

そしてリンゴも通常のリンゴの何倍も大きく、ずっしりと実っています。

果樹系統はみんなそうだと思ってください。

野菜も同じです、大きくてずっしりとしている。

それで品質が最高級、神様にお供え──もとい神様以外が口をつけるのを許されないようなものを梢はばかすかと量産しています、無自覚に。

神様は梢の能力だから許していますし、お供えもしてくれるので許しています。

クロウはそんなやべーブツなのを知ってて黙っています、シルヴィーナ達もです、じゃないと梢が農作業怖くてできなくなるからです。

梢に鑑定能力がない(封印されている)のもこれが原因です。


最期に子ども達が料理をしているのをみて、いやいや料理していた自分の過去とは違うんだと梢は安心しています。


ここまで読んでくださりありがとうございます。

反応、感想、誤字脱字報告等ありがとうございます

次回も読んでくださるとうれしいです。

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― 新着の感想 ―
確かに梢ちゃんのプライバシーは侵害されてますが、そうしないといけない状態だったのでしょうね。梢ちゃんは怒るのは仕方ないとは思っていますが、わたしも神さまと同じ立場だったら神さまと同じようにおじいちゃん…
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