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王族の婚約者達とのやりとり

カーリャとメルディの婚約者、アレスとレオは梢の作った果実等の味を堪能する。

作物に興味を持つアレスは、梢に果実などの種や苗木を分けて欲しいと頼み──




「こんなに美味しい果物初めてです!」

「王室には献上されているとは知っていましたが、実際口にすると凄いです」


 アレス君とレオ君は種なしスイカを食べながら言う。

 種ありと種なしのスイカがあり、種ありは毎回食べるときに集めた種を植えている。

 種なしのスイカはスマホの売買で苗を購入している。


「これ、種ないんですよね、どうやって次のを?」

「門外不出なので教えられません」


 アレス君に聞かれるが、そう答えるしかない。

 流石に神様から苗買ってるなんて言えねーもん!


「そうですか……」

「アレス様、種のあるスイカも美味しいのですよ」

「その種を貰って育てていいですか」

「いいですよ」


 それくらいならまぁ、いいか。

 芽を出して甘く育つだろう、私がこの世界にいる間は。

 私が死んだら多分そうじゃなくなる。

 芽すら出ないかもしれない。


 まぁ、大分何百年も先の事だからいいか。


 袋に入った種を渡すと早速仕舞いに行った。


「アレス様もレオ様も、コズエ様の作物に目をかがやかせていたの!」

「二人とも小さい子みたい」


 カーリャちゃん、メルディちゃん、君らも私からすると小さい子だぞ。

 確か今年で八歳だったはず。


「アレス様とレオ様はおいくつなの?」

「同い年ですわ」

「はい!」


 となると、二人も八歳か。

 しかしアレス君は大変だろうなぁ、ドミナス王国っていう大国の王女様が嫁入りするんだもん将来的に。


「ところでどうやって婚約者が決まったの?」

「分かりません、大人達のつごうということくらいしか分かりませんわ」


 うおわ、カーリャちゃん重いなぁ。


「せーりゃく結婚でも、愛のある結婚にしたいですわ!」


 メルディちゃん前向きだな。


「お母様ー……あ、カーリャ様、メルディ様、いらっしゃいませ!」

「「ネイロ様!」」


 二人は喜色満面になり、音彩に近づいてわちゃわちゃし出す。

 私は距離をとってそのわちゃわちゃした可愛い子等を眺める。


「いやぁ、小さい子とわちゃわちゃするのって可愛いねぇ」

「確かにな、全くルキウスも愛し子様のご子息達とそのような関係にもなれたなら救いはあったのだが、そうでも無いからな」

「ああ……」


 音彩に執心なルキウス君に、歩み寄ろうとうちの子等、晃と肇はやった!

 だが、ルキウス君はそうではなかった。

 音彩に近しいからと突き放したのだ。

 だから説得があまり効果が無かったのだろう。


「さて、レオとアレスはどうするかな?」

「楽しんでませんか?」

「子等の成長は楽しみの一つでな」

「はぁ」


 まぁ、子どもの成長は楽しいものだ。

 ただ、教育熱心すぎるのもいけないし、放置しすぎるのもいけない。

 丁度いい地点を私達が模索しなければならないのだ。


「愛し子様、あの、あのですね。ミカンとリンゴの木の苗が欲しいんです! 分けてくださいますか?」


 作物を見て回ったアレス君が言う。


「帰る時にお持たせします」

「あ、ありがとうございます!」

「農業に興味が?」

「はい! 農地の改革など父上と話しあっています!」


 おおっと子どもらしからぬ発言。

 すげぇな!


「わ、わたしは魔法の中で大地に関する魔法が得意なので、それをいかして領地の畑や果樹園の改良をしています!」

「すごいですね」

「い、いえ。妖精と精霊に愛されているこの土地とは比べものにならないです!」


 そこまで見てるんだ、すごいなぁ……


「ところで、アレス様はカーリャ様との婚約どう思って居るの?」

「王家とのつなわたしとなる交流です、非常に大事かと」

「なるほど」

「それにカーリャ様は私より博識です、メルディ様もどうよう」


 へー、メルディちゃんがか、意外だなぁ。


「私は今ドミナス王国に留学していますが、結婚することになればブリークヒルト王国にカーリャ様とともに戻ることになります」

「へー……」

「ブリークヒルト王国でも有名ですよ、始祖の森の作物は」

「へーそうなんですか」

「はい、王家のパーティなんかで振る舞われる時は皆食べる事に夢中になりすぎる程、とさえ言われています」

「それは……ちょっとどうなのかなぁ」

「私も最初そう思いました」


 アレス君も思ったのか。


「ですが、実際食べてみると夢中になるという理由がわかるのです、それほど美味しいのです」

「私はただ作物を作っているだけのつもりなんだけどねー……」


 本当私はただ作物を美味しくなるよう願いながら畑仕事をしているだけ。


「妖精や精霊達の協力もあるのでしょう」

「多分そうかと」



「アレス様、こっちに来て下さいな、美味しいトウモロコシがありますのよ?」

「トウモロコシ?」


 アレス君は私は会釈をして首をかしげつつ向かった。


 トウモロコシは庶民の味方、ジャガイモ同僚。

 だが、私の作ったトウモロコシは甘くてジューシーでそんじょそこらのものとは違うし、何より醤油をつけて焼くという味変がある。

 ふふふ、堪能したまえ。



「あの」


 とか考えていたらもう一人の男の子、レオ君が話かけて来ました。


「あの、お聞きしたいんですが……」

「何ですか?」

「御息女のネイロ様はどちらに?」


 ん?

 何で音彩が気になっているのだろうか。


 取りあえず私は音彩を呼ぶ。


「音彩ー!」


 そう呼ぶと返事が聞こえ音彩がかけよって来た。


「初めましてネイロ様。私はメルディ様の婚約者のレオと申します」

「はいレオ様、初めまして。音彩です」


 音彩は丁寧に挨拶を返す。


「あの……ルキウス様はどのようなトラブルを」

「そうですね、私の近くの男性がいると暴力を振るったり、今の婚約者のカイル様は特に手足も出せないのを知っていて暴力を振るってましたから」

「……あのルキウス様が?」

「ええ、それにしつこい様に私を正妃に、私の妃に、とばかり繰り返して私は嫌気がさしてしまったの」

「……」

「兄達が苦言を呈したみたいだけど、効果は無し、それどころか兄にも恨めしい目で見るようになったのよ」

「それは……」

「だから、私はルキウス様とは相容れない、これからも。だって迷惑かけた方々に謝罪すらしないのだもの、許せないわ」

「……ありがとうございます」


 レオ君は来賓の館に戻っていった。


「何だろう?」

「あの子どもは父からルキウスの件を見定めるようにいわれたらしい」


 クロウがいつの間にか居て私に説明し始めた。


「クロウ」

「クロウおじさま、どういうこと?」

「ルキウスが悪いのかそうでないのかそれを見定めて、はっきりしたのだろう、ルキウスが悪い、故にシャルル派として王家を支えることにすると」


「ルキウス君の人気は強いの?」


「女の扱いが酷い意外はな『自分は音彩という美しい女性以興味はない、他の女達などカボチャだ』とかな」

「うわぁ」

「ますます嫌になってきたわ」


 音彩がグロッキーな顔をする。

 そんな音彩を撫でて、どうかルキウス君が真っ当になれないなら森に二度とこないでくれ、と願った。

 真っ当になったら来てもいいが、だけども、今のルキウス君には期待はできそうにないよ──





カーリャとメルディの婚約者達がメインの話です。

カーリャの婚約者アレスは、作物に興味津々でブリークヒルト王国出身。

メルディの婚約者レオは、ルキウスの件で色々かんがえているドミナス王国出身。

アレスは、土の精霊に特に愛されています。

レオは普通ですが、メルディの周囲の妖精達がぼやけて見えてます。

また、レオは勉学等は素晴らしいのに、一つだけ評価が悪いルキウスの事を当事者から見定めるべく来てました。

結果はご覧の通りですが。

ルキウスは変われないのです、それほど音彩との出会いが彼には刺激が強かったのでしょう。


ここまで読んでくださりありがとうございます。

反応、感想、誤字脱字報告等ありがとうございます。

次回も読んでくださるとうれしいです。

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