色々と真実を知る~それでも祈るのは~
クロウが帰宅後、クロウの家をコズエは訪ねる。
そしてイザベラの事を聞き安心するが、子ども達の話をだされ──
「そう言えばさー」
村に帰り、クロウが帰って来てからクロウの家を訪問して気になっている事を聞いた。
「なんだ?」
「私がイザベラちゃんとロラン王子に上げたブレスレット、どうなったのかなって」
「ああ、あのブレスレットのお陰で、二人は無事に村に着いたし、そして王国にも帰れた。その上パーティで、良からぬ事を考えている者を見つけることができた」
「え?」
ちょっと待って、色々初耳なんだけど。
クロウ曰く。
二人ともあのブレスレットを常に付けていたらしく、逃亡を図る二人を遮る物は何故か転げ落ち、積み重なり、馬車が追えば馬が暴れ出し追いかけられない等と言ったトラブルに巻き込まれていたそうだ、追っ手が。
それも全部私の加護が原因だそうだ。
「まぁ、二人が無事ならいっか!」
「そうだな」
クロウの言葉に、私はそれ以上考えないことにした。
「ところでクロウは何で向こうに少し居たの?」
「イザベラに害なそうとしていた連中がいたからな、ブレスレットの加護を使うまえに、我がけりを付けた」
「……」
まだ居るのか。
イザベラちゃん大変だな。
ムーラン王国でやっていけるかな。
「イザベラが心配か?」
「そりゃあね」
奴隷にされてたのと助けて以来の仲だもの、心配に決まっている。
「イザベラに害なそうとした連中は既に何らかの処分を受けている、王宮に出入りは禁じられているしな」
「もしかして、クロウ?」
「うむ、我が探し出した、先ほどのと合わせてな」
「クロウ有り難う!」
私はクロウの手を握る。
クロウはふっと淡く微笑んだ。
「イザベラの安寧がお前の心の安寧につながるなら安いものよ」
そう言って私から手を離した。
「子ども等の様子を見てこいお前の子と精霊と妖精の愛し子である子等はお前を恋しく思って居るぞ」
「わわ⁈ い、急いで戻るね!」
私は急いでクロウの屋敷を後にした。
自宅に帰り、子ども達の様子を見に行くと子ども達はギャン泣き中。
クロウの言ってる通りだった。
「まぁま、まぁま!」
「まぁま!」
「まぁま……!」
「はい、ママですよー」
そう言って三人を抱っこする。
結構キツい。
「どうしたの三人一斉に泣き出したっぽいけど?」
「その通りだ」
「三人一斉に君を呼んで」
「無力さを感じた」
「パパ達も頑張ってるのにねーなんでだろうねー?」
「……いつも一緒に居るのに、今日は居なかっただろう? それを不安に感じたのでは?」
「あー……」
私はなんだかんだ言いつつも、時間的にパパ達よりもママとして三つ子ちゃん達と一緒にいる。
その結果なのだろうか?
「でも、困るな。それだと長期外出ができない……まぁ、よほどのことが無い限りしないけど」
「それは良かったです」
アインさんが肇を撫でながら言う。
「まだまだ私達は父親として未熟ですから」
「そんな事ないですよ!」
私は慌てて否定する。
私だっって未熟な親だ。
子ども達のことを分かっているようで分かっていないこともある。
だから協力していきたいのだ。
「私も未熟よ、だから協力しましょう? ね?」
「ええ」
「はい、畏まりました」
「わかった」
三つ子達はすやすやと眠っていた。
手には私が作ったぬいぐるみが握られている。
それを握らせたまま、アルトリウスさん達はベッドに寝かせた。
起きる事なくすやすやと眠っている。
「……それにしても眠ってる期間が長いというか」
「そう、ですね」
「ええ」
「そうだな……」
私達はクロウの屋敷を訪問した。
「どうしたそろいもそろって」
クロウは首をかしげている。
「聞きたいことがあるの」
「三つ子の件か?」
「うん」
話が早くて助かる。
「二歳になったのによく寝るの、二歳になったならもう少しこうイヤイヤ期を予想していたんだけど、イヤイヤ期が早くきちゃったし、子どもの成長早いのに寝るのはどうしてかなぁって……」
「ふむ、それはアレだ。極東風に言えば『寝る子は育つ』という奴だ」
「はい?」
いや、なじみのある言葉だけどさ。
「いや、聞いた事はあるけどさ」
「その言葉の通り、梢の子ども、精霊と妖精の愛し子であるお前達の子どもは、寝る事で空気中のマナを吸収し成長速度をより速めていく。まぁその分大食らいになるがな」
「「「「あ」」」」
思わずハモる。
そういやうちの子大食漢だわ。
でもむっちりしすぎてない。
ちょうど良いふっくら感。
「分からなくなったらまた来るがいい」
「有り難う、クロウ」
「クロウ様、有り難うございます」
「クロウ様、感謝いたします」
「クロウ様、本当に有り難うございます!」
私達はクロウにお礼を言って自宅に戻った。
そして我が子達が寝ている部屋に入る。
我が子達はすやすや眠っている。
「晃、肇、音彩。大きく育つのよ」
そしてどうか幸せになってね。
そう思いながら三人の頭を撫でる。
私は十分幸せになった。
だから、今度はこの子達を幸せにしなければならない。
でも、この子達を縛るような行為はしたくない、けれども傷ついて欲しくない。
神様どうか、この子達の未来が祝福に満ちたものでありますように。
一応現時点ではムーラン王国は大丈夫っぽいですが、まだまだ不穏要素ありです、実は。
イザベラとロランが幸せになれればいいのですが……
そして子ども等、ママっ子に育ってます。
パパ達も好きなのですが、ママの方がもっと好きなんです。
梢が接している時間が長いので。
そして子ども達の特異性を聞きますが、梢はそれでも幸せに育って欲しいと願います。
ここまで読んでくださり有り難うございました。
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