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行商と服

梢は少し早めに起きて料理をしてそれを食べて、畑仕事に向かった。

そこでルフェンの父親であるアルスと出会い、心配されるが、太陽神イブリスから加護を貰ったから大丈夫と話。

そこでクロウから聞いた情報を話すと──





「ふぁ……」

 棺桶の蓋を明けて起きる。

 少し早いお目覚めだ。

 ジャージに着替え、顔を洗い、スクランブルエッグと牛乳とパンを食べて、外に出る。

 太陽が少しだけ熱い。


 私は帽子を被り、畑仕事などを行う。


「コズエ様、お目覚めでしたか」

「アルスさん、こんにちは。ちょっと早く目覚めちゃって」

「こんな日中に大丈夫ですか?」

「いえ、太陽神イブリスからも加護を貰ったので、少し熱かった程度です」

「太陽神イブリスから?」

「なんか自分の信者が碌でもなくてすみませんー! って謝罪の意味合いで貰いました」

「……まぁ、確かにイブリス教の信者は碌でもない連中ばかりですよね、我ら獣人族も奴隷として隷属させようとしている」

「でも、聞いた話だと神殿の像が壊れた上、神様から直々に見捨てる発言されて、その上太陽の下を歩けなくなったって聞いたよ」

「どなたから」

「クロウから」

「クロウ様……エンシェントドラゴン様からですね」

「なんか居着いてるけど情報通だしね」

 私はクロウが多分くしゃみをしているであろうことを想像していた。





 実際、盛大にくしゃみをしているのだが、それは誰も知るよしも無かった。

 それをもし知っているとすれば神のみ──





「そう言えば、コズエ様も精霊や妖精と会話できると聞きましたが、そういう情報は?」

「うーん、なんかねーそう言う情報は私には直接渡してくれないんですよー」

 そう、妖精と精霊達は仕事の時は元気が良いのだが、風の噂というか遠くの情報を私に教える事だけはなんかしてくれない。

 クロウにはしてるみたいだけど。

 後、シルヴィーナさん。

 ただシルヴィーナさんは絶対教えてくれない。



「コズエ様ー行商の方々が来ました──!」

「はーい。アルスさんも行商みていかない。武器とかもあるらしいし」

「そうですね、見ましょうか」


 村の大人達のほとんどは冒険者だ。

 なので、近隣の街のギルドに登録して狩りを行ってるらしい。

 私は吸血鬼なので登録しにいくのもある種自殺行為──いや他殺行為か?

 まぁ、そんな感じなので大人しく畑仕事に精を出す日々だ。


「ユグドラシルの葉っぱ一袋どうぞー」

「これは良い品です、白金貨100枚で」

 袋に入ったお金を袋を開けて確かめてからアイテムボックスにしまう。

「で、これが今年作ったお酒です」

 どんどんとお酒を置いていく。

「果物が入っている酒がありますな」

「梅酒とレモン酒です、お酒につけて香りや味をつけてるんですよ」

「試しに一杯いいですかな?」

「はいどうぞー」

 梅酒をくいっと飲んだ。

 勿論水割り。

「おお、これは濃厚だ、そして水で割るんですね」

「炭酸水で割るのもいいですよ」

「タンサンスイ?」

「えっと、泡がぷくぷくとでている水です、綺麗な水で。こうゆうの」

 炭酸水のペットボトルを出し、梅酒で割る。

「おお、こういう水があるのですね」

「こっちもどうぞ」

「これはいい、刺激がほどよい」

「それなら良かった」

「酒を各種10本ずつ、白金貨120枚でどうでしょう?」

「ユグドラシルの葉っぱより高くなってない総合的に? 大丈夫? お金平気」

「お気遣い感謝します、ですが愛し子様の作った酒は飛ぶように売れるのですそれは貴族や王族がこぞって大金を出すほどに」

「そんなとんでもないお酒なのかなぁ……」

 そう言うと、行商のレイヴンさんはにこりと笑った。

 あ、これヤバいしろものか。

 と、何となく察した。





 誰も言わない、彼女の作った酒の付随効果を。

 しかし「鑑定」さえできれば、誰でも分かるものなので王家や貴族のお抱え鑑定士が酒を出すとこぞって買いたがる。

 一本に白金貨100枚など安い物ほどに。

 だから、レイヴンは酒でぼろもうけさせて貰って居る分サービスしている。




「わー! この宝石綺麗ー!」

 私は数々のアクセサリーになりそうな宝石に声を上げた。

「お目が高い、それはブルーダイヤモンドの原石を加工したものです」

「おいくら⁈」

「そうですね金貨10枚でどうでしょう?」

「買うわ!」

 そう言って宝石を爆買いする。

 そしてアクセサリーにして、村人や自分がつけるようにしている。





『あのお酒もっと高い値段で買えばいいのに』

『でも、あの石だって本当は50倍位の値段だよ』

『そっかぁ、じゃあいいのかな?』

『お酒を売って此処に来る時たくさんのものを仕入れているからいいんじゃないかな』


 妖精と精霊達は遠くから小声で話合っていた。





「後はこれと、これと……」

 行商でなくとも購入はできるが、生の買い物には生の買い物の魅力がある。

 私とは違う本格アクセサリーも買ったりしてご満悦。

 村の人達も色々買えてほくほく顔。


「では、明日の昼頃帰りますね」

「はーい」


 私は行商さん達に許可を出すと、自分の家に戻っていった。

「さーて、メーカーで色染めして一杯布と糸作らないと」

 うきうきしている私。

「そんで服やアクセサリーも作って……」

 と考えていると、リサさんの事が思い浮かんだ。

 リサさん、着回しばっかだよな、というか一着しかない?

 私は巻き尺を持ってミストリア家に突撃した。

「リサさん居ますかー⁈」

「はい、何でしょうか?」

「……あのぉ、失礼な事聞きますが、お洋服何着持ってます」

「服はこれともう一着だけで……アルトリウスはダンピールなので冒険者登録もできず……」

「お金を稼ぐ手段は行商、だけど行商で売ってる服はなんか違うと」

「いえ、服を買うのも少々躊躇われるので……」

「そんなにお金稼ぐ手段ないと?」

「お恥ずかしいながら」

「……ちょっと測って良いですか」

 私はリサさんに立ってもらいサイズを測り、メモをする。

「よし、じゃあ服を作ってきますんでしばしお待ちを」

「そんな……! ただでさえよくしてもらっているのに……!」

「いやぁ、私が作りたいんですよ」

 私は家に戻り、布達を出して服の設計図を作り、それに合わせて切り出して、ミシンで縫った。

 細かい所は手縫いをし二着ほどの服を作った。

 品のある、ブラウスにそれに合わせたロングスカートを。


 もうダッシュでミストリア家に向かう。


「頼もう!」

「!」


 入り口付近でアルトリウスさんがブラッドワインを飲みながら、肉のステーキと野菜のソテーを食べていた。


「あ、お食事中でしたかすみません……」

 流石に食事中邪魔する訳にはいかない帰ろうとすると──

「母に用事があるのだろう?」

「アッハイ」

 そう言って服を見せる。

「母が好きそうな服だ、渡しておこう」

「有り難うございます」

「礼はこちらが言うべきだ、母は自分の事を後回しにして私の事を優先するからな」

「そうなんですか……」

 まぁ、そうだろうなと思った。

「母がもう少し身なりに気を遣うよう私も努力するが……あいにく私ができるのは狩りくらいでな、稼げる金はたかが知れてる」

「あー」

 そうか、吸血鬼になったけど、普通は農作物なんて触れないもんね、枯らしちゃうから。

 だから手伝ってとも言えない。

「んークロウに頼んでみるかー」

「クロウとは、ここに居るエンシェントドラゴン様、だろう?」

「うん、狩りで打開策を作れないか相談してみよう」

 私は食事を終えたアルトリウスを連れてクロウのいる家に向かった──







梢地味にパワーアップ。

そしてクラフト能力も生かして服作り。

そこで狩りしかできないアルトリウスの打開策をクロウに聞きに行くことに。

クロウはどんな答えを言うのでしょうか。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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