美味しい料理には……
畑仕事をするこず梢。
その中でギョウジャニンニクを育てていた、ニンニクは駄目だが、こちらは平気らしいということもあり。
そんな中ラーメンが猛烈に食べたくなり──
「よいしょっと」
種を蒔いたりできるようになっているので、作物を収穫する。
また年中サクッと収穫できるようになったので村人達が収穫できなかった野菜や収穫しきれなかった果物をサクサクと収穫してアイテムボックスに入れる。
まだまだ、去年のが魔導保管庫で眠っているのでそれを消化仕切ってからだ。
宴やろうかなとか考えてもみる。
ちなみにニンニクは育ててない、ギョウジャニンニクは育てるけど。
ギョウジャニンニクは吸血鬼の方も平気っぽいので育ててる。
ニンニク本当は育てたいけど、仮にも私は吸血鬼だ。
そして吸血鬼の方々が沢山居る、止めておこうと決めている。
あー、ニンニク増し増しのラーメンが懐かしい。
でも、食えない、諦めよう。
ラーメン作るにしてもニンニク抜きのスープじゃないと駄目だしね。
しょうゆ好きだし、しょうゆラーメンならいけるか?
あ、でも魚居ないんだよなぁ……待てよ、クロウがダンジョン潜って取ってきた魚干した奴でいけるんじゃ無いか?
よし、ラーメン、作ろう。
魚介系で出汁を取り、合わせる。
麺は購入済みなので問題無い、作ると色々必要な物が出てくる。
かん水とか。
小屋でひっそりと作り食べる。
うん、醤油ラーメンだ!
というかラーメンだ!
これが食べたかった。
チャーシューとお麩とかナルトとか色々入れて食べた。
ちっちゃい頃のラーメンにはお麩が入ってたんだよなぁ。
今のっていうか大人になった頃のラーメンにはお麩は入らなくなってたけど。
満足した私は小屋を出て、家に戻り歯磨きをして畑仕事や家畜の世話に戻った。
「コズエ」
「何、アルトリウスさん?」
間食にラーメンを食べるようになって四日後。
「最近俺達に隠し事していないか?」
「え゛」
ヤバいバレたか?
「最近小屋に行く回数が増えているし、かといってレイヴンを誘っている訳じゃ無いから『エルキャラット・ブース』を食べている訳じゃ無い」
やべぇラーメン食べているのがバレそう。
「……出て来た君は嗅いだことの無い匂いを纏っている、悪い匂いじゃない。別に咎める気はないんだが、何を食べているんだ?」
「……ラーメンです」
「らーめん? エルキャラット・ブースに麺を入れて作ったアレか?」
「そうなんだけど出汁が違うの! クロウが取ってきた魚を干した奴で取ったスープに麺を入れてるの!」
「……ニンニクは?」
「入ってない入ってない!」
「なら──」
「私も食べてみたいのだが、というかティリオとアインとクロウとシルヴィーナも気になっているんだが」
マジですかー
隠し事してたのは私なので甘んじよう。
これを気に入ってくれたらダンジョンに魚介類取ってきてくれる回数増えるかもしれないしね。
なので四人を小屋に呼び、醤油ラーメンをご馳走する。
具材は私のトッピングで、卵は無いぞ、ゆで卵苦手だから。
と言わなければ誰も気付かないだろう。
「はい、醤油ラーメンおまたせしました」
四人分を並べていく。
取りあえずどんぶりは同じサイズで。
「口に合うか分からないから気に入ったらおかわりして」
と私は言う。
皆が箸を持ち食べ始める。
白狐の方達が来てから箸の文化が一気に広まったんだよねー。
全員が無言で麺をすすり、具材を食べ、スープを飲み干す。
そして出た言葉は、
「おかわりをいただきたい」
「おかわりおねがいできますか?」
「おかわりをお願いします」
「おかわりだ、次は器を二倍のでかさでな」
「私は小盛のおかわりを」
「うん、ちょっとまって」
器を二つ取りだし、再び全員分の麺を茹でて、スープを入れ、麺を入れ、具材を盛り付けて皆の分を出す。
「はい、どうぞ」
皆はもくもくとラーメンを食べた。
「美味しかったです!」
「うむ、美味かった、魚介類というか魚が特に欲しいんだな、分かった今度ダンジョンで探してこよう」
「有り難うクロウ」
「すまない、こんな美味い物を食べさせて貰っておいて返礼の品が思いつかん」
「じゃあ、フォレストボアでいいよ、太ってるのね」
「フォレストボアで何をするんだ?」
「そのお肉で、今日入れてたお肉作るの」
「そうなのか……わかった」
まぁ、それくらいか。
「こんな美味しい食べ物村に出さないのですか?」
「材料を仕入れるのが大変なんですよ」
「なるほど……」
「村の物で作れる美味しいご飯があれば良いんですが……」
シルヴィーナの言葉に悩む。
何か無いかな、美味しいもの……
「スープならある」
「何を使うんですか?」
私はアイテムボックスから赤い液体の入った瓶を取り出す。
「エルキャラット・ブース? な訳ないですよね」
「トマトジュース」
ケチャップでニンニクが入ってるのを思い出し止めた。
ニンニクをどうにかできればオムライスも考えた。
オムライスにケチャップは不可欠だ、チキンライスに。
宴用の鍋にトマトジュースと切った野菜等をドバドバ入れていく。
それにスープ……元いコンソメを大量投入しておく。
こうすればトマトの味は皆無だ。
私はトマトが嫌いだからね。
そしてミネストローネの完成。
なんちゃってだけど。
「良い香りです」
「問題は味だ」
ですよねー。
クロウがお椀によそったスープを口にし、スプーンで野菜等を口に入れる。
「うむ、美味い」
「あー良かったー」
「じゃあ、宴にしよっか?」
と、言う訳で宴になりました。
何故ラーメンから宴になったのかは未だよく分からないが、皆美味しそうにミネストローネ食べているからよしとしよう。
ちなみに私はパンを食べている。
ミネストローネにはパンが合うと思ってたから、パンを焼いていた。
だから他の皆も食べている。
パン釜の番人はアルトリウスさん達。
ミネストローネは一杯で満足したらしい。
まぁラーメン食べたしね。
シルヴィーナはよそう係。
クロウは……まだ食べてる。
どうしようかなぁ、オムライス作りたいけどケチャップにはニンニク入ってるし……
だからオムライスは厳しい……
いや待てよ、中身をチーズとベーコン入りのとかにしたらいけるんじゃ無いか?
と、一人悶々と考える私だった。
梢、久々のラーメンを実食。
魚介だしだったけど、満足いったそう、
ニンニクは入れない方向で色々と作った様子。
結構苦労してラーメンにありついたのです。
で、それがバレてるというのをしった梢地味にショック。
上手く隠してたつもりだったがバレバレだったと。
その後も食を豊かにすることで悩む梢であった。
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