タイラン人
人類生活圏辺境
地球連邦艦隊、アシモフ級軽巡洋艦・USSノースカロライナ号
連邦歴221年1月末(地球歴2408年1月末)
ガルシア艦長が驚きのあまりに艦長席から落ちそうになった。
「我々・は・タイラン人・平和・を・求める」
スクリーンに映ってたヒューマノイド型異星人が話した。
「我が地球連邦も平和を求めています」
ガルシアはゆっくりと答えた。
「私・は・シュームエル・タイラン・連邦艦・サイムス・号・の・指揮官」
「私はUSSノースカロライナ号の艦長、アベル・ガルシア中佐です」
「地球連邦・に・助け・を・求める」
「地球連邦に助け?」
「生命の敵・チャーフェス人・の・脅威・から」
「チャーフェス人?」
「惑星・チャーフェス・の・ヒューマノイド種族・だ」
「話を聞かせていただきたい、それだけで判断できませんので」
「私・は・あなた・がた・の・船・へ・参ります」
「貴殿の艦をスキャンしてもよろしいでしょうか」
「敵意・ありません・どうぞ・スキャン・して・ください」
ガルシアは部下であるモンゴメリー少尉へスキャンするように命令した。
「宇宙船はシールドをダウン、武器をチャージしてません、艦長!」
「わかった」
ガルシアはスクリーンに注意を戻した。
「シャトルを送りますか?」
「いいえ・不要・です・転送・使います」
「転送?」
「物質・を・量子レベル・で・分解・エネルギー波・で・目的地・で・再物質化・する・一瞬・で・少し・広め・の・場所・を・用意・して・ください」
ガルシアはタマシロ中尉に場所を用意するように命令した。
「夢のような装置ですね、シュームエル艦長」
「地球連邦・に・その・原理・を・提供・します」
「随分と気前のいい話ですが・・・」
「疑う・気持ち・分かります・時間・ありません・チャーフェス人・は・既・に・地球連邦・を・目指している」
「第二倉庫を用意しました、保安部員既に待機済です、艦長!」
タマシロ中尉が報告した。
「場所は用意した、第二倉庫です。位置表示を送りました。何人で乗船しますか?」
「私・一人・だ」
「それでは、その転送を見せていただけますか?」
「では・位置情報・確認・すぐ・行きます」
シュームエルは消えた。まだ通信は繋がっていたが、彼は艦長椅子から突然消えた。
「保安部より、シュームエルと呼ばれる異星人が第二倉庫で突然現れました、艦長」
タマシロ中尉が報告した。
「本当に一人か?」
「一人です、敵意がないようです、艦長」
「保安部にすぐ行くと伝えろ!!」
「了解です、艦長」
アベル・ガルシア中佐は大急ぎでブリッジを後にした。
連載再開です。




