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殺人鬼転生  作者: 裏道昇
第四部 青鬼と英雄
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第四部 55話 緊急退避と打上パーティと情報開示依頼

「よし! ティアナをバケット邸で匿おう!」

「……! 分かった! 準備するよ」


 老婆から逃げ切れないと考えたナタリーはそう提案した。

 すぐさまアリスが応じる。流石の呼吸である。


 老婆がガセ情報を全て目視で確認してティアナを見つけようとしている。

 ……いや、本当にすごいな。ナタリーが流した大量のガセ情報だぞ。


 全員を見て回るって、全てのガセ情報に引っかかってるのと同じなんだよ。

 そのうち、王都の家を全部見て回るんじゃないか?


 老婆の方を止められないなら、ティアナの方を逃がそうという発想だ。

 大したものだが……俺はナタリーがアリスに目配せしたのを見逃さなかった。


「……お前ら、ティアナを呼んで騒ぎたいだけだろ?」

「あはは、バレてるよ」


 俺がぴしゃりと言うと、加奈が苦笑いを見せる。

 ナタリーとアリスは視線を泳がせた。




 結局、俺とティアナはしばらくバケット邸に滞在することにした。

 俺としてもティアナが老婆と会うのはもう少し先延ばししたかった。


 初日はしっかりと宴会が始まった。城塞都市に向かった時と似ている。

 しっかりグレイも招待しているのだからちゃっかりしている。


 ブラウン団長も参加していた。暇ではないだろうに。

 ちなみにすでにナタリーアリスは出来上がりつつある。


「グレイ・ウッドだね? 連合では良くやってくれた。感謝するよ」

「あ、はい! ありがとうございます!」


 ブラウン団長がグレイに声を掛けた。

 グレイの方は緊張した様子で答える。


 隣に立つ俺とティアナが思わず笑った。

 普段のグレイを知っているから尚更だろう。


「ああ、そうだ。伝えることがあったんだ。

 統一学舎から王立学院へグレイに関する問い合わせが来ている。成績等の情報開示依頼だな」


「わあ、すごいですねっ!

 情報開示依頼があるってことは統一学舎からの覚えが良いってことなんですよ!」


 ブラウン団長の言葉にティアナが手を叩いた。

 対するグレイは……顔面を蒼白にしていた。


「……覚えが良い? 情報開示?」

「どうした? ……あ」


 グレイの様子から俺も問題点に気が付いた。

 確かにマズイかもしれない。


 覚えが良かったら駄目だろ。

 情報開示? 何を開示するんだ?


 こいつ、優等生のフリをした底辺卒業生だぞ。

 早く忘れてもらった方が良いんだ。情報開示なんて嘘の上塗りでしかない。


「……あの、俺はもう連合には行かない方が良いですかね?」

「……否定はしない」


 グレイが遠慮気味に言う。

 ブラウン団長は珍しく目を逸らしながら返した。


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