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ちょっといいですか…?!中編2

be感染症ウイルスによる身体機能不全。二度と聞かないと思っていた。いや、俺が次その病名を聞く頃には俺が治すと約束したはずなのに。

「本当ですか…?」

さすがに動揺し、声が震えてしまう。

「あぁ本当だ。君は日本で2人目の再発患者になってしまったのだ」

尾瀬さんは気まずそうに俯きながら答えた。

be感染症ウイルスによる身体機能不全。最初は感覚がなくなり、末期には感情や身体機能までも奪ってしまう病気。通称「死の病」。俺はこの病気で父を亡くしている。そう。俺の父はこの「死の病」の再発により、見るにも耐えない死に方をした。しかも、このウイルスは厄介なことに感染するので、俺や母も例外ではなかった。俺は2歳の頃に発症。母は今もアメリカで治療を続けている。幸いbeウイルスは女性ホルモンに相殺される特性があるらしく、治療を続ければあと2年でこっちに帰って来れるらしい。

俺は子供の頃に感染したので、ホルモン注射で何とか相殺できた。しかし…

「再発ってことは…もうホルモン注射で治すことができないってことですよね?」

「残念ながら…すまない…」

尾瀬さんはこちらを見ずに言った。

つまり、俺は死ぬのだ。

これから感覚が無くなり、感情が無くなり、身体機能も奪われる。そう考えると、胃液が逆流し、もどしてしまった。

「っ…すいません」

「あぁ…構わない。今は気持ちを落ち着かせたまえ。」

もう何も感じなかった。俺はこのウイルスを殲滅するために全てを捧げて勉強したのに…

「先生、俺これからどうすれば?」

母のように治る見込みがない俺は治療することができないため、延命処置をするために入院する必要がある。そのことを聞くと、尾瀬さんは意外にもこちらを向いて、

「その事については大丈夫。君はこれから尾瀬家が全力で支えるよ」

「支える?どういうことですか?」

「支えるも何も、君はこの総合病院の真横にある私と私の子供の家で一緒に暮らしてもらうの。そうすれば通院も楽だし、何かあった時にいいでしょ?」

え?さすがに予想の斜め上を行く回答で戸惑った。

俺には一人暮らしをしているアパートもあるし、何より同居?色々整理が追いつかない。

「同居ってことですか?無理ですよ。俺にはアパートもあるし、何より同居って…」

俺の余命は持って一年。このウイルスに感染したら最後、長くても一年しか生きられない。その事は知っていた。

「その事なら心配ない。もう大家にも話をつけてある。何なら荷物もマンションに届けてもらった。同居については君の母も承諾している。それに何より一番悲しんだいたのは君の母だからな」

はいそうですか。とはならない。いくら母が悲しんでいても俺の余命が一年でもさすがに同居っていうのは…そう考え、断ろうと口を開きかけた時だった。尾瀬さんが俺を抱きしめてきた。

「もう何も言うな。君の気持ちは分かっているつもりだ。だからこその提案だと思って欲しい。君の余命は一年だが、その間には学校に通いながらbeウイルスについての研究も手伝って欲しいと思っているんだ」

優しい香水の香りが鼻を刺激した。

そうか。まだ終わりじゃない。感染症が再発したからこそ分かることもある。俺も研究に参加して、治療法を見つけてやるんだ。そう考えると、さっきまでの憂鬱な気持ちは晴れ、余命宣告されたのにやる気が湧いてくる。

「そっか。そうですよね。尾瀬さんありがとうございます。俺頑張って研究します!是非お願いします」

「うん。その答えを待っていた。これは私のマンションの鍵だ。自由に使ってくれたまえ」

「ありがとうございます!あ、そういえばなんですが、尾瀬さんのお子さんって何歳の子なんですか?」

再発したbeウイルスは、感染することはないが、一応配慮はするつもりだ。

「あぁその事だが。私の子供は君と同じ西條高校に通う3人姉妹だよ。」

え?それは聞いてない。

まじで設定凝りすぎてヒロイン登場できませんでした。すいません。尾瀬さん推しは歓喜会でした

次後編で一気に3人登場です

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