ちょっといいですか…?!中編
目が覚めた。朝にしては日が落ちているし、夜にしては明る過ぎる。周りを見渡すとそこは病室のような場所だった。人は居ない。
「…痛っ」
体がまだ麻痺しているのか上半身が動かせない。
何とか立ち上がろうと試行錯誤していると、扉が開いた。
「目が覚めましたか」
あまり感情がこもっていないとも思える声。看護師のようだった。
「早速で申し訳ないのですが、院長がお呼びです。着いてきてください」
有無を言わさない口調。ちょっとかっこいい。
でも問題が一つ。
「すいません。俺歩けません。」
「…」
気まずい。
「…腕を方に乗せてください。」
「…はい」
お互いに赤面しながら俺は看護師さんの方に腕を貸す。この時看護師さんに対して不覚にも可愛いと思ってしまったことは内緒。
看護師さんに半ば支えてもらうような形で病室を出る。手が触れ合い、一瞬だが看護師さんの胸に手が当たってしまった。やばいと思った時にはもう遅かった。
「びょ、病院はえ、えっちなことをする場所じゃないです!」
「そういうつもりじゃないですよ!!」
「もう、ほんとに…」
そんなことをしてる間に院長室に着いた。
「では、私はこれで」
「あ、はい。ありがとうございました」
軽い会釈をして、別れを告げ、扉を開ける。
「失礼しま〜す…」
失礼の意を込めて挨拶をすると、中にいた女性もこちらに気づいたようで、
「あぁ汀君か。私は尾瀬。この病院の院長だ。」
「よろしくお願いします…」
はっきり言ってめちゃくちゃ美人だった。可愛いじゃなくて綺麗。ボブで中性的な顔立ちをしているが、華奢な体型が女性らしさを醸し出している。
だが、なんだか妙な雰囲気だ。優しい顔の裏腹に何か隠しているような顔をしている。
「そういえば、君はあの有名な西條高校の生徒だそうじゃないか。流石、優秀そうな顔立ちをしているね」
「ありがとうございます…」
西條高校はこの県随一の進学校でその生徒の多くは付属の大学で、日本で唯一国際医療研究賞、国際医療発展賞を獲得した、西條大学に進学し、医療全般で活躍する未来を約束されている。自分はある事情により、この高校に進学したのだが…。そんな世間話をしていると、先に口を開いたのは尾瀬さんだった。
「では、本題に移ろう。」
「お願いします」
「今回君が患う、いや再発してしまったのはbe感染症ウイルスによる、身体機能不全だ」
あぁ。二度と聞くことはないと思っていたのに。
すいません。長くなってしまい、ヒロイン出せませんでした。後編で出します