転生、そして勃起不全
私は数時間前まで英雄だった。
すぐ異変には気づいた。目が覚めると隣で寝ている筈の女がいない。それどころか、私は世界を救った英雄として皇帝から与えられた宮廷にいた筈が四畳半の部屋で黄ばんだシーツの上で寝そべっていた。
世界を救った英雄特有の不思議パワーで瞬間移動を試みても、どうやら能力そのものが失われているらしく何も起こらない。
私は一度状況を整理した。
ーーー王家アンジェンスの近衛一族に生まれ、幼少期より才能に恵まれた私は、齢12歳にしてノーケ王国軍の総司令に抜擢され、200年続く圧倒的な魔力を以て王国に立ちはだかる魔王軍との戦争に立ち向かった。
そして18歳の時、ついに魔王カージーヴァ追い詰めた。しかし、私の圧倒的英雄特有の不思議パワーを前にして勝利する道が完全に塞がれた事を悟った魔王カージーヴァは、私の幼馴染でもあるリトル・インシン姫を誘拐し人質にとろうと試みたのだ。
だが、知力ステータス、察知力ステータスがカンストしていた私はそれにいち早く気付き、単独で城に攻め入ってきた魔王カージーヴァとの最終決戦に持ち込む事に成功した。
尚、最終決戦の熱く激しい戦いはこのサイトの他の作品を参照してほしい。ほぼ同じだから。
そして最終決戦に勝利した私は、世界を救った英雄として名誉、財産、そしてリトル・インシン姫を手にし、順風満帆の生活を送っていた。
そして姉に勝手にアイドル芸能事務所に応募される程のイケメンでもあった私はモテた。
リトル・インシン姫の事は勿論愛していた。だが男という生き物は罪なもので、次第に姫と夜を共にする事は減ってゆき、毎晩毎晩その度に違う女との愛の無い性交渉に明け暮れていた。
そして私はその常軌を逸した性欲が、徐々に王家で問題視されるようになっていた。
ここで私の性欲の強さについて説明しておこう。一般的な中学生の、
「暇な日って一生オナニーしてるわw」
「たかし性欲強すぎやろw」
みたいな会話で収まるレベルではない。
食事中、入浴中など、寝ている時間以外全てを性交渉や自慰に費やしているのだ。
私の常軌を逸した性欲について、
「減数分裂の音を聞いた」と言う女がいるくらいだ。
私は魔王を討伐するまで、射精というものを経験した事がなかった。
初体験は魔王を討伐した1週間後、ギルドで受付嬢をやっていた28歳のお姉さんに手解きを受けた。
尚、激しい初体験の模様はそういうAVを参照してほしい。ほぼ同じだから。
衝撃を受けた。ぐぐっと私のイチモツを精子が登る感覚の後、キーンとした感覚と共に脳内麻薬がドバドバ分泌されたと思えば、あまりの快感に私は気絶した。
あれから射精しなかった日はない。一日禁欲した日があったが、その日は40年売春婦をやっていた掃除婦が腰を抜かす程の量を無精した。
ーーーーーいけない、かなり脱線してしまった。いつの間にか私の常軌を逸した性欲の話になってしまった。
どうやらまだ錯乱しているらしく思考がまとまらない。
後でまた解決策は考えるとして、取り敢えず昨晩のお相手のGカップはあろうかという巨乳の上についていたホクロをオカズにマスでもかくとしようか。
私はすぐに新たな異変に気づいた。
「私のイチモツが.....勃たない.......!?」