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第66話 魔族領 ゴライアス国 皇太子殿下


 おっさんが口をへの字にすると


「まあ、確かにそうかもしれないが、君達は一般人と違って王族なんだから例え国外であっても、気を緩めちゃダメだよねえ」


 レオが眉間に皺を寄せ深いため息を吐く横で、ラピが頭を抱えて黙ってしまった。


 すると、おっさんがウンウンと頷きながら


「分かる、分かるよ。毎日毎日多方面から煩わしい事ばかりされていれば、そりゃあ、国外に出て多少は気を緩めたくなるのも分かるよ」


 と言いながら二人を見つめると、レオとラピが肩を落として項垂れてしまった。


 ん~、やっぱりレオは獣人国の王女だったのかあ。


 にしても、レオの方は国外に出て気を緩めてしまった事を自覚して項垂れているように見えるが、ラピの方は国外でもやっぱり気を張ってないといけないのかあって感じで、単にがっかりして項垂れているように見えるな。


 すると、ラピがゆっくりと顔を上げ、消え入りそうなか細い声で


「う~、おじ様に言われなくたってそのくらい分かってますよお。でも、やっぱ国外では気を張らずにラクしたいって、思っちゃうじゃないですかあ」


 心の叫びを訴えると、おっさんが


「じゃあ、今まで行ったことないような場所は避けて、君達が稽古してもらう知人の所まで寄り道しないようにするれば良いんじゃないかな? そうすれば多少は気を張らずに行動できるでしょ?」


 と言い、ラピを見つめる。


 すると、ラピがソワソワしだすと上目遣いで


「えっと、レオ様……。予定していた観光は……」


 レオがゆっくりと首を振る。


「ですよねえ~」


 ラピが肩を落としてションボリした。


 なるほど、二人は国内で窮屈な生活を送っていた分、国外で羽を伸ばそうって考えてたんだな。


 ん~、やっぱ身分が高いと色々と大変みたいだなあ。


 などと思っていると、レオが表情を硬くして


「タール殿。今回の件が仮にネメシスの策略だったとして、私とラピは今後どう動けば良いと思う?」


 おっさんが顎に手を当てると


「う~ん、そうだなあ……。ネメシスが二人を使って何かしらの侵略行為を企てようと考えてるなら、あえて国には帰らないで、しばらく静観かなあ」


「人族領に留まれと?」


「いや、別にカトゥン国じゃなくてもゴライアスでも良いんだけど、さっき話したみたいに王女であるレオの立場を利用して色々とやり始めたら『私はここにいるぞ!』って言って現場に行けば騒ぎは治まるでしょ?」


「なるほど……」


「それに、帰国途中に身柄を拘束されたりでもしたらそれこそ奴らの思惑通りに色々と出来ちゃうだろうから、帰国しないで安全な場所から動向を探る感じが良いんじゃないかなあ?」


 レオが眉間に皺を寄せたまま首を傾け


「こちらからは何もせず?」


「ああ、下手に動くと潜伏先がバレる可能性もあるからね。だから、何もしないで静観」


「そうか、静観か……」


 すると、レオが胸に手を当て


「タール殿。貴重な意見、感謝する」


 軽くお辞儀をすると、ラピが


「よっ! 稀代の天才策士!」


 おっさんに向かって拍手し始めた。


「ふっふっふ、ありがとう、ありあがとう。だがな、ラピ」


「はい?」


 おっさんが前髪をゆっくりとかきあげ目を細めると


「その名を出したら俺の素性がバレるから気をつけてくれな……」


「あっ! あー! すいませんでした!」


 ラピが勢いよく頭を下げた。


 ん? おっさんは素性がバレるとマズイ人物なのか?


 などと思いながら、腕が疲れて来たので蟲族の男の子を抱え直しながら


「なあ、エリス。タールのおっさんって結構有名な人だったりするのか? 王族のレオ達とも親しげに話してるし?」


「えっ!?」


 エリスが目を見開きこっちを見る。


 すると、ラピが口に手を当て


「おっ、おじ様をおっさんって……」


 つぶやく横で、レオが


「タール殿をおっさん……だと」


 顔を引きつらせながら俺を見ていた。


 あっ! 普通におっさんって言っちまった!


 マズいと思って、直ぐにおっさんを見る。


 目を見開き俺を見て固まっているおっさんと目が合う。


 すると、おっさんが突然


「はっ~はっはっはっはっは~!」


 大声で笑いだした。


 そして、腹を抱えると


「ひ~ひっひっひっひ~! おっ、俺のことをおっさんって! はっ~はっはっは~! おっさんって! ひ~ひっひっひっひ~! あ~、くるしい~~~!」


 まともに息が出来ないくらい激しく笑い始めた。


 えっ!? なんで? なにがそんなに面白い?? 


 などと思いながら、目に涙を浮かべて爆笑しているおっさんを見守っていると


「ひい~、ふう~。ひい~、ふう~」


 やっと落ち着いたのか、おっさんが乱れた息を整え


「いや~、すまん、すまん」


 と言い、涙を拭いながら


「いや~、久しぶりに笑ったなあ……」


 口元に笑みを浮かべると、清々しい表情で


「見ての通り、俺はおっさんだ!」


 自分の顔に向かってビシッと親指を立てると

 

「だから、これからも俺の事はおっさんって呼んでくれ!」


 と言い、笑みを浮かべて歯を光らせた。


 よく分からないが、とりあえずおっさんは怒っていないようなので


「はっ、はい……。わかりました、そうします」


 すると、おっさんが嬉しそうに頷き


「おう! よろしくな!」


 と言うと、ラピが拍手しながら


「さすがおじ様! 心が広い!」


「だろ~」


 髪をかきあげ片目をパチッと閉じた。


 ん~、結局のところおっさんは何者なんだ? などと思っていると、ラピがハッとした表情をして


「そうだ! おじ様、おじ様。おじ様はなぜ人族領にいたのですか?」


 すると、レオも


「そう、私も気になっていた。タール殿はなぜカトゥン国に?」


「ん? 密猟者達を一網打尽にするためだよ?」


 おっさんが首を傾げていると


「えっ?? おじ様が?」


「うん。魔獣族が密猟者に襲われる被害がここ数年で急激に増加してるからね」


「確かに私たちの国でも密猟者による被害は増えてますが、おじ様がわざわざ人族領まで来なくたって、他の人達に任せれば……」


「俺が城に居ると裏でコソコソ悪事を働こうとしている奴らが動きづらいだろ? だからなるべく外出するようにしてるんだ」


「なるほど! 油断させといて後で懲らしめるんですね!」


「正解!」


「イエイ!」


 ラピが嬉しそうに胸元で拳を握ると、おっさんが口をへの字にして


「なんかさあ、ブラギが奥さんと息子を使って色々と物騒な事を企んでるみたいなんだよねえ」


 すると、レオが眉間に皺を寄せ


「以前から兄であるタール殿とは上手くいっていないと話しは聞いていたが……なぜブラキ殿が?」


「ん~、次期国王になるって張り切ってるんだよねえ」


「なるほど……、王権争いですか」


「ああ、俺はやりたくないからウルに代わってくれってずっと言ってるんだけど、あいつ頭を縦に振ってくれないんだよねえ」


 すると、ラピが


「あ~! そういえば、以前ゴライアスの兵士さん達と稽古をしている時に、ウルおじ様が『俺は体を使う方が向いてる。だから、頭を使うのは全て兄者に任せてる』って仰ってましたね~」


「だろう。あいつ、いつも兵士と一緒に訓練したり迷宮に潜ったりして、体ばっかり鍛えて全然仕事を手伝ってくれないんだよねえ。だから、ブラキがやる気のない俺とルウに代わって次期国王の座を狙ってるんだが、あいつ他種族に対して物凄く当たりが強いだろ?」


「あ~、確かにそうかもですね~。私たちの事をあまり良く思ってなさそうでしたし、城内にいる魔獣族の事もイヤな目つきで見てましたね」


「せっかく良い感じに他種族との交流が深まって平和な日々が続いているのに、あいつが国王になったら平気で他種族を見下していた、戦前の殺伐としたゴライアスに戻り兼ねないんだよなあ……」


「あ~、それはマズいですよね……」


 なんか、ゴライアスの王権争いについて三人が話し始めてるが、これって俺みたいな一般人が耳にして良い話なのか?


 それと、おっさんの弟が国王の座を狙ってるって言ってたが…… 


「なあ、エリス。もしかしておっさんってゴライアス国の王族関係者なのか?」


「あの方は、ゴライアスでは皇太子殿下と呼ばれてます」


「えっ!」


「ただ、本人は『国王になんかなりたくない』と、いつもボヤいています……」


 エリスがまるで残念な大人を見るような目でおっさんを見つめている。


 ん~、良い大人がしかも皇太子ともあろうお方が、こんな子供に『国王になんかなりたくない』なんてボヤいちゃダメだろ……


 と思いながら、ラピと話しているダメ皇太子のおっさんを見ると


「いや、元気に国外で色々とやってるみたいだよ?」


「え~! そうだったんですか! 病気って聞いてたんで、私もレオ様もすっごい心配してたんですよ!」


 相変わらず気取った感じの仕草でチョイチョイ歯を光らせながら会話をしている。


 ん~、あの気取った感じのおっさんが実はゴライアスの皇太子だったとはなあ…… 


 でも、今日一日で獣人国の王女とゴライアスの皇太子殿下に会ってしかも話しもしちゃうだなて、貴重な体験しちゃったな!


 こりゃあ、リッカとターニャにスゲーお土産話しが出来たな! 


 などと思っていると、エリスが小声で


「ちなみに、ウル様は王位継承権第二位で宮廷騎士団長を務め、ブラギ様は王位継承権第三位で財務と法務を務めていて、二人ともあの方の弟君に当たります」


「へ~、じゃあ皇太子のおっさんはいつも何やってるんだ?」


「特に何もしていないと母から聞いてます」


「えっ? でも今ってゴライアス国王って病気で動けないんだよな? 国王の変わりに皇太子であるおっさんが頑張ってるんじゃないのか?」


「基本的には王妃とあの方の奥様が国王代理として公務に当たってると、母がいってました」


 ん~、皇太子が何もしないって、大丈夫なのかゴライアス……


 などと思っていると、抱きかかえている蟲族の男の子が急に咳き込むと、また直ぐに寝息を立て始めた。


「なあ、この子にかけた魔法ってまだ解けないよな?」


「ええ、まだ大丈夫だと思いますよ?」


 首を傾げるエリスに


「でも、日が暮れる頃には目を覚ますよな?」


「はい、そうですが……、どうかされましたか?」


「いや、この子を村に送り届ける間に、魔法って解けちゃうんだろうなって思ってな」


 すると、エリスが少し考える仕草をして


「ですが、捕らわれていた時とは状況は違いますし、なにより村に帰るのですから不安になったりはしないと思いますよ?」


「ああ、でも蟲族の村はここから更に険しい山々を越えた先だろ? 人族の俺と一緒にいて、この子が不安にならなければ良いんだが……」


 エリスが気持ちよさそうに眠る男の子を見て


「ああ、そう言われると、確かにそうかもしれませんね……」


「それと、野営に必要な物とか食料は問題ないんだが、俺が蟲族の村には入れそうにないんだよなあ……」


「ですね……、人族であるケビンさんが蟲族の村に入るのは難しいかもしれませんね……」


 となると、おっさん達に頼まないとだよな? などと思っていると、おっさんがレオとラピとの話しを止め


「君の仲間達は蟲族の村に向かってるんだろ? どうせだから君も村に行っちゃえば良いんじゃないのかな?」


「えっ? 俺の仲間が村に向かってるなんて話し、してないですよね?」


「ああ、密猟者達の場所を知るのにニュクスにサーチしてもらったんだけど、その時かなりの速さで村の方に移動する反応があったからね」


「あ~、なるほど。でも俺って村には入れてもらえないんじゃ?」


「大丈夫、大丈夫。ニュクスの転移魔法で一緒に行ってもらうから心配ないよ」


「えっ? 俺が村に行っても大丈夫なんですか?」


「ああ、大丈夫だ。ニュクスと一緒なら問題ないよ」


 ニュクスさんの方に目を向けると、密猟者達を一ヶ所に集める作業はそろそろ終わろうとしていて、残っている密猟者達は後四、五人程度だった。


 なんでニュクスさんがいれば村に入れるのかは分からんが、ゴライアスの皇太子であるおっさんが問題ないって言うんだから、大丈夫なんだろうな。


 なので、おっさんに


「あ、ありがとうございます」


 礼を言うと

 

「いえいえ、どういたしまして」


 と言い、歯を光らせた。


 にしても、険しい山々を徒歩で移動しなくて良くなったのはありがたいな。


 などと思っていると、ラピが


「おじ様。あんな大勢の密猟者達を一ヶ所に集めてどうするのですか?」


「ああ、魔核を専門に扱う密猟者もいれば人身売買が専門の密猟者もいるみたいなんで、とりあえず奴らの情報を収集したら排除だね」


「えっ? 排除って!? 街の治安当局に引き渡すんじゃないのですか?」


「え~、そんな面倒くさい事なんてしないよ~。カトゥン国って引き渡した密猟者に罰として重労働をさせるだけでしょ? そうすると真面目に働いてる労働者達の仕事を奪っちゃうんだから申し訳ないじゃん」


 すると、レオが難しい顔をして


「確かにタール殿の仰る通り、罪など犯さず社会に適合して生活していた労働者の仕事を密猟者達が罰として働かされることで奪ってしまう訳だが、だからと言って排除するなどとは……」


「この件に関しては面倒くさいから議論するつもりはないよ。仮に俺のやる事に異論がるのなら力づくで止めるしかないよ?」


 冷たく笑うおっさんに、ラピが悲しそうな顔そして


「おじ様のことを止めたりはしませんが、やっぱりちょっと……」


「ああ、言いたいことは何となく分かるよ。俺の考え方が今のこの食う物にも困らず便利な物が溢れた平和な時代にそぐわないって事は理解している」


「でしたら……」


 おっさんが密猟者達を一ヶ所に集めるニュクスさんとラーニャさんの方を見て


「彼女達から色々と話しを聞いてしまったからね……」


 と言い、黙ってしまった。


 ん~、俺もラピと同じで、おっさんは密猟者を街の治安当局に引き渡すもんかと思っていたが……


 色んな理由があって仕方なく密猟者をやってるって奴もいるのかもしれないが、ターニャの件があったからか、俺はおっさんのやり方を間違ってるとは言えないんだよなあ。


 例えどんな理由があったとしても、今まで奴らは密猟目的で酷い事をしてたんだろうし、今回みたいに捕まってなかったら密猟は続けていたはずだ。


 そう考えると、奴らのせいで大切な人が傷つけられたり帰らぬ人となって悲しんでる人達は確実に存在するのだから、やっぱレオとラピのようには優しくなれないな……


 などと思っていると、おっさんが振り返ってレオとラピを見ると


「でも、そんな君達だって家族や国民達から『その考え方はおかしい』って言われて、色々と圧を掛けられたり嫌がらせを受けてるけど、場合によっては力づくで何とかしてるんだろ?」


「ええ、まあ……」


 ラピがポリポリと頭をかいてると、おっさんが笑顔で


「それと同じだよ、互いの主義主張が違った場合は説得するか妥協するか、あるいは相手から反感を買ってでも自分の意思を貫くかだけど、俺の場合は相手に合わせて説明するのが面倒くさいから、いつも力づくで済ませちゃうんだけどね」


「む~。私たちはいつも反感を買ってばかりなんで、ホント疲れます~」


 肩を落としてションボリするラピに


「まあ、確かに君達獣人族は腕力至上主義でるのと同時に、多くの子孫を残す事がほまれとされてるから、君達がやろうとしてる『一組の夫婦がもうける子供の数を制限する制度』って主張は、なかなか受け入れてもらえないんだろうねえ」


「そうなんですよ~。昔っから私たち獣人族って、家族が多ければ多いほど周りからは認められるし、寄せられる信望も厚くなるので全く受け入れてもらえないんです……」


「今は昔と違ってここまで大量に便利な魔道具は普及してなかったし、食糧も安定して供給出来なかったから、家族総出で狩りや農作業をしてたからね。そうなると、やっぱ家族が多い方が労働力が増えて安定した生活が送れたから、その頃の名残がいまだに続いてるんだろうねえ」


「でもでも、このまま獣人国の人口が増え続けるのは色々とマズイじゃないですか!」


「ああ、確かにマズイよねえ。でも、少なくても俺は君達の意見に賛同してるから、何か辛い事があったらいつでも相談に乗るよ。だから頑張ってくれな!」


 ん~、獣人国の人口が増えて色々と困ってるって話しは聞いてたが、なんか話しを聞いてると、簡単には解決出来なさそうな感じだなあ。


 などと思っていると、おっさんが


「お~い! ニュクス~。ちょっとこっちに来てくれないか~」


 密猟者に向かって何か話しかけていたニュクスさんが


「ちょっと! タールちゃん! 尋問中に話しかけないでっていつも言ってるでしょ!」


「あ~、ごめん、ごめん。続きは後でで良いから、ちょっとお願いがあるんだ」


 ニュクスさんが何かブツブツ言いながらこっちに向かって来ると


「も~、何なのよ」


 腕を組んで不貞腐れてるニュクスさんに、おっさんが


「彼とこの子を蟲族の村まで送ってやってくれないか?」


 ニュクスさんが蟲族の男の子を見てから俺を見ると


「別に構わないけど、人間も連れてくの?」


「ああ、彼も一緒に連れてってやってくれ」


「まあ、タールちゃんが言うならそうするけど……。もう直ぐにでも連れてって良いのかしら?」


 すると、おっさんが俺を見て


「何かやり残した事ってあるかな?」


「いや、特になにもないです」


「そっか、じゃあニュクスお願い……」


「ちょっ、ちょっと待って下さい!」


 ラピがおっさんの声を遮ると、慌ててレオとラピがこっちに駆け寄ってきたので、おっさんが


「ん? どうしたんだい?」


「いやいや、別れる前にケビンさんと挨拶くらいさせて下さいよ!」


「あっ、そっか! ごめん、ごめん」


 おっさんが申し訳なさそうな顔をして謝ると、ラピが姿勢を正して


「ケビンさん、助けてくれて、ありがとうございました!」


 胸に手を当てお辞儀をすると、レオも姿勢を正して


「ケビン。困った事があったら声を掛けてくれ、出来る限りの礼はするつもりだ。貴様との出会いに感謝する」


 胸に手を当て頭を下げた。


「えっと、お二人とも色々と大変そうですが頑張ってください」


「はい! 頑張ります!」


「ああ、ありがとう」


 すると、ニュクスさんが


「もう良いかしら?」


 と言い、腰に手を当て


「じゃあ、どこでも良いから私に触れなさい」


 とりあえず、蜘蛛の背にでも手を乗せようと思い近づくと


「母さん!」


 エリスがニュクスさんを呼び止めた。


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