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黒く染まった時

1時間目は現代文。

特に何かあるわけでもなく終わった。

いつも通りだ。


授業が終わったあと、いつのまにか戻ってきていた伊織に話しかける。


「何の用で居なくなってたんだ?」


「あぁ、部活の道具とかが届いたからそれの確認に行ってたんだよ」


そういえば部活に入っていたんだっけか。


伊織は中学の頃からずっと美術部に所属していたんだ。俺は興味をなくしたので入らなかったが。


俺が部活に興味を示さなくなった理由は一つ。中学の頃からだが、運動部からの勧誘が鬱陶しい事この上無かったからだ。


しかも、じゃあここに入るとなると入らなかった他の部活の連中から意味もなく恨みを買いかねん。と言うことで今までずっと家庭の事情と言うことで断り続けてきた。


高校に入ったってそれは変わらない。

むしろ、そのことを知らない他校の人間が混ざったことで実質やり直しだ。


話が大分脇道逸れた気もするが、そう言うわけだ。


2〜3時限目、美術。


今日の課題は誰かの似顔絵を描くこと。


デッサンというやつだな。

出来ればリンゴとか不動明王像とか動かないもののほうが描きやすいし、もし失敗しても特にダメージが無いからやりやすいのだが。


仕方がないな。評価を落とすわけにもいかないし、やるか。




だがどうしたものか。

浦野と充奈がすぐに組んでしまっていたから伊織の方に向かったのだが、伊織は他の人と先に組んでしまっていたらしい。


お、あそこに一人まだ決まってなさそうな奴が…


無視された。十数年生きてきてここまで殺意が湧いたのは初めてかもしれない。


だがめげない。

俺は陽キャ、人気者。

相手くらいそこら辺に…。


大体みんな仲のいいのと組むよな。

下手なの書いても笑って済ませられるから。


俺と組んで下手なの晒して嫌われたらって思うかもしれない。

さすがに自惚れすぎか?いや、そんなもんか。




けど…いるな。組めそうな人。


「やぁやぁ、瀬臼くん?ぼっちなのかい?」


「そういうお前は伊織と組まなかったのか?」


「いやぁ〜、始まった途端猛スピードでいおりんの元に走ってった子がいてさ、あぶれちゃった★」


ふわふわとした軽いノリのこの女は黒乃 栖(くろのすみか)

名前に合わせたのか知らないが基本こいつの身の回りは黒いものばかり。


黒髪ロングに黒い髪飾り、黒いカーディガンを羽織り、仕舞いにはドス黒い純黒のオーラを纏っている。


ちなみに、伊織のことをいおりんと呼んでいるのはこいつが伊織の幼馴染みだからだ。


「描けるのか?俺の絵」


「やだなぁ、うちコレでも美術部だよん、人の顔くらい…ありゃ、うち現実の人の顔とか書いたことないや。でも大丈夫!君は自分の心配でもしててよ」


腹立つなぁ


にしても"現実の"か。二次元のは書いたことがあるのか。

部活中に一回くらいは嫌でもあるか。


とまあ、そこから書き始めたわけだが、どちらもなかなか上手くいったので気まずい思いをすることは無かったとだけ伝えておく。


4時限目は英会話だったが、ほんっとに特筆すべき点が無かった。

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