悪魔的友人?悪友。
ピピピピッ
6:30。朝だ。
ベットから動こうともしないまま、俺は心の中でただそう呟いた。
起きなくては。
また目を閉じようとしながら、俺は心の中で(以下略)
ピピピピッ
我が安息を奪うこの無慈悲なアラームを止めなくては。いい加減うるさい。
「んぁーっ!眠い!」
ベットから出てそう叫ぶ。
安心してくれ。親は家にいないから怒られることもない。
兄貴は俺の起きる2時間半前には既に家を出て稽古に励んでいるから家にいない。
姉さんはおそらくだが、既に起きているだろう。
だから叫び声で起こすようなこともない。
部屋から出、階段を降りリビングに向かう。
姉さんは予想通り既に起きていて、台所に立ち料理をしていた。
「おはよぉ〜」
「おはよ」
俺より眠そうな声で挨拶してきた我が姉。
瀬臼 千寛、俺の7つ上。歳はあえて言わない、俺は17だが。
容貌を端的に表すのなら橋○環奈の髪をショートカットにしたような姿。美人だ。
多彩で、特にファッションに関しては敵なしで、高校大学はモデルとしても活躍していたのだが、活動を通して何を学び取ったのか、急に美容師になると言い出したのが大学二年の頃。
そこから猛勉強し、とんでもない勢いで国家試験に合格した。
そんな人だ。
「今日からお弁当でしょ?おかずに唐揚げ入れといたから」
「そうだけど、唐揚げ………ありがとう!」
「う、うん。良かった。」
唐揚げ、美味いよな。好物。
朝食をとり、部屋に戻って着替え、そろそろかと家を出るため玄関に向かう。
「行ってきまーす」
「はーい、行ってらっしゃーい」
言い忘れていたが、今日はゴールデンウィーク明けの月曜。
こういう話は大抵4月の始業式に始まるものだろうが、決意したのが昨日なんだ。
この際関係ない。気にしない。よし。
さぁ、始まるぞ、
俺の清々しい月曜日が!
………
一瞬で終わりました。
「おはよ」
「うわ〜、不機嫌な声っ、おはよ。」
「不機嫌な声?こうもなるわ。玄関開けてまずお前の顔が飛び込んできたらさ、伊織。」
ニカニカしながら家の前にいた男に告げる。
こいつは平良 伊織。
中性的な顔立ちと黒いセミロングのせいで、私服でいるとぱっと見はほぼ女だ。
高校一年の時に同じクラスになったことがきっかけで仲良くなった、所謂悪友というものだろうか?
アホなこと言い合ってゲームしたり、今期のアニメについて語り合ったりする仲だ。
「失礼な奴だなぁ、それだから女子たちに冷徹皇子とか影で言われるんだよ。」
「振られた奴らの逆恨みで言ってるんだろ?気にして無いから結構だ。」
「相変わらずだね。一応言っとくけど全員が振られてから言ってるわけじゃ無いよ?
けど、その不屈の精神には感服の一言だよ。」
「何だっていい、早く行くぞ。時間だ。」
「あ、本当だ!行こう!」
俺たちは慌てて駆け出した。