第九十三話 レイちゃん
アンリ様は炎をまとった剣をかまえている。
ジャック様は光に包まれている。
次の瞬間。
アンリ様が炎の剣をふりかざす。
ジャック様の姿が光となりアゼルへと向かう。
アゼルは炎の剣をかわし、ジャック様はアゼルの後方へと姿を表した。
「アゼルさん。さすがです。アンリの攻撃にあわせた私の光速剣をしのぐなんて」
ジャック様は、くやしそうに言った。
あたしにはジャック様の動きが何も見えなかった。
そう思ったのもつかの間。
アンリ様が炎の剣でアゼルに何度も切りつける。
そして、光の束がアゼルの近くを何度もかけぬける。
あまりに高速なためか、アゼルは炎と光に包まれているように見える。
「大丈夫? アゼル?」
このままじゃあ、アゼルが。
「大丈夫!」
アゼルが返事したかと思うと、アゼルの足元にアンリ様とジャック様が膝をついていた。
ふたりとも苦しそうだ。
え? アゼル、二人を倒したの?
「アゼル! ぬかったな!」
叫び声が部屋の中から聞こえてきた。
「た、たすけてくださいぃ~」
ミクちゃんが怯えている。
四銃士のルネ様が剣を、部屋の奥にいたミクちゃん、レイちゃん、シロちゃんに向けている。
「アゼルよ。最初からお前には勝てないと思っていたよ。だから二人には時間を稼いでもらった」
ルネ様は勝ち誇ったように言う。
「く、くそっ!」
アゼルは悔しそうに言い放った。
「み、みんな!」
思わずあたしは駆け出してしまった。
「相手にもならん」
ルネ様の左手から魔物が放たれた。
2つ頭の蛇が襲ってくる。
「きゃ、きゃあ!」
「マミ!」
あたしが叫び、アゼルの声が聞こえたと思ったら――。
蛇は頭を2つとも落とされて目の前に転がっている。
「くっ、なんで……」
ルネ様は膝をついている。
あたしの目の前にはシロちゃん。
そして、膝をついているルネ様の前にはレイちゃんが立っている。
「え? 二人がやったの?」
「シロちゃんがマミさんを助けに入った瞬間、このルネという者が動こうとしたので阻止しました」
レイちゃんは、冷静に言った。
「レイちゃん。そんなに強かったなんて」
「私だけでは無理でした。シロさんの動きに合わせて連携したから出来たのです」
レイちゃん、シロちゃんもただものではない。




