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第九十二話 急襲
警告は一度だけということか。
女王様の号令により魔物の群れが一気にこちらに向かってきた。
「マミ、レイちゃん、ミクちゃん、シロ! お店の奥へ!」
アゼルはそう叫ぶと魔物の群れへと向かった。
アゼルの姿は瞬時に現れては消え。
現れては消え。
あたしの目では追いきれないほどのスピードで動いているようだ。
アゼルの居た後には次々と魔物が倒れ込んでゆく。
轟音が鳴り響いたかと思うとお店を囲むケルベロス5体がその場に崩れていた。
「すごい! アゼル!」
魔物は一瞬にしてアゼルによって倒された。
しかし、アゼルの表情は、より険しくなった。
「本番はこれからだ」
目の前に四銃士のアンリ様、ジャック様が静かに立っている。
「い、いつのまに!」
あたしには何ひとつ気づくことが出来なかった。




