第九十一話 女王様と四銃士
女王様の前に控え護衛する四銃士。
アンリ様にジャン様はお店でも見かけた。
ジャック様とルネ様はパレードの時に見かけて以来だ。
しかし、全員、甲冑に身をつつみパレードの時とは比べ物にならない威圧感を出している。
「魔物の周囲に兵隊。そして四銃士。さすがに今回はピンチかもね」
アゼルはため息まじりに言った。
「え? 兵隊や四銃士は味方じゃないの?」
「おそらく魔物はこのお店を潰すために放たれたんだろう。この前、街をおそったケルベロスと今、ここにいるケルベロスには同じ魔力を感じられる」
「どういうことなの?」
「四銃士は、炎のアンリ、氷のジャン、太陽のジャック、召喚のルネ。
と別名呼ばれている。
おそらくルネが召喚している」
「そ、そんな……」
こんな小さなお店を潰すために魔物を放ち、兵隊までかりだすなんて、そんなことありえるの?
「オスティウムのみなさん! お店から出てきて下さい!」
その時、屋上から四銃士の一人、ジャンが大きな声で叫んだ。
「お店が魔物を呼び寄せているので、そのお店さえ潰してしまえばみなさんの安全は守られます!」
ジャンの叫ぶ隣で、女王様が笑みを浮かべている。
これは脅迫だ。
お店さえ放棄すれば命を救ってやるという。
「アゼルさん! どうか! お願いを聞いて下さい!」
ジャンは必死に叫んだ。
「ジャン! この魔物はそこにいるルネが放ったものだ。やめさせてくれ!」
ジャンは驚いた顔でルネと女王様を見ている。
ジャンは女王様に何か懇願しているようだ。
「ゆけ!」
ジャンの説得を無視して女王様は、一言、叫んだ。




