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第八十五話 ついに……。登場
「さあ、帰ってやることは沢山だ!」
アゼルは勇者に誓いをたてたからか晴れやかな表情だ。
「うん! がんばろう!」
あたしもアゼルに元気をもらえた。
お店に戻るため広場を抜け市場に入ると何か騒々しい。
「うわああああ!」
「に、逃げろおおおおおお!」
「きゃあああああ!」
だんだんと叫び声がこちらへ近づいてくる。
「マミ、僕の後ろに!」
アゼルがこれまでに見たことないほど険しい表情をしている。
「アゼル、どうしたの?」
「魔物だ」
「え? 街の中に――」
とあたしが話そうとした瞬間。
逃げ惑う人々の後ろから巨大な獣が迫ってきた。
2階建ての建築物ほどの大きさだ。
頭が3つある。




