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第七十話 アゼルの変身能力 

 レイちゃんには天使の羽根をつけてもらった。

 今日のあたしのドレスはピンクでキラキラ豪華だ。

 そして、アゼルは白猫の着ぐるみ。

 ではなく着ぐるみのような白猫に変身している。


「今日は白猫にしたよ。毎日、色々な猫に変身しようかなと思ってね」

「うん。あたしのドレスみたいに毎日変われば目新しさもあるしいいわね」


 アゼルは変身魔法が高度だと言っていたけど詳しいのかしら?

 あたしの変身能力についても知っておきたい。

 以前、髪の毛や爪を変えてしまうと元に戻らなくなってしまった。

 衣装の変身が出来るだけで身体をかえてしまうと元に戻せないようなのだ。


「アゼル。変身の魔法は詳しいの?」

「うん。まあ、それなりにはね」

「アゼルの変身魔法も自分の体を変えてしまうと元に戻らなくなるの?」

「そうだね。変身魔法は元々、身体を変更する高度な魔法で衣装かえたりってのは応用なんだよね」


 アゼルは変身能力について詳しく説明してくれた。

 なんでも変身魔法と言うのは自分自身を硬質化して防御力を上げたり、逆に液体のように変更して攻撃を無効化したりするものらしい。

 ただし、非常に高度で魔力の消費も激しい為、体を硬質化しすぎたり、液体に近くするなり、元の状態から変えると戻すのが困難になるそうだ。

 アゼルは自分自身の体毛を変化させて動物ぐらいには変身できるようだ。

 

 どうりで、あたしが髪と爪をちょっと変更しただけで戻せなくなるわけだ。

 魔法なんて全く使えないし、変身能力を使いこなせるはずもない。

 けど、あたしはこれで十分、衣装をかえられればいいのだ。




※ ※ ※ ※ ※




 衣装を豪華にしたのに来客が増えることもなく、チェキの出もいまいちだった。

 そうそう、すぐに売上が改善することは無い。

 頑張ってやっていこう。


―――――――――――


10月30日(水)


メイド喫茶『オスティウム』


 料金 1時間1980デジ 延長30分ごと950デジ


 売上

  日別 34180デジ

  月別 3145050デジ

  年別 4823870デジ


 席数

  28席

  カウンター 6

  テーブル 24


 メニュー

  オムライス(メイドのお絵かきあり) 1000デジ

  オリカク  1500デジ

  メイドドリンク 1000デジ

  チェキ   800デジ

  初心者セット1500デジ

  カラオケリクエスト 1000デジ


  カラアゲ 500デジ


 メイドの心得


  メイドの心得1。

  お客様のプレゼントに遠慮はしない。代わりに全力で喜ぶ。

  メイドの心得2。

  お客様の事は、お客様から話をされるまでは詮索しない。


―――――――――――

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