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第七話 小さな看板をつけました

「なんと営業許可が、おりました!」

「ええ! すごい!」

「事情を話したら設備は問題無いだろうと言うことで仮の営業許可証だしてくれたよ! 正式なものは一週間後に発行されるらしい」


 そう言えばレストランで仕事していた時、飲食店営業許可も事情を話して頼み込んだら即日立ち会い検査して仮の営業許可証くれたこともあったぁ。

 異世界でも人々の優しさがあるのね。


「アゼルさん。さっそくですがお店の名前ですがメイド喫茶『オスティウム』は如何でしょう?」

「聞き慣れない言葉だけど、なんだかそれっぽくていいねぇ」

「入口や玄関という意味です。以前の冒険者酒場みたいに誰でも気軽に入れるお店という意味を込めました」

「へー。いいね! それでいこう。看板はとりあえずこの板に、ちょちょいっと」


 アゼルはそう言うと近くにあった板切れに何かの文字をなぞった。

 指先からは炎が出ている。


「魔法ですか?」

「うん、そうそう。炎の魔法を指先にちょちょいっと出して板に『オスティウム』と刻んだんだよ」

「魔法が使えるなんてすごい!」

「昔、親父に剣だの魔法だの鍛えられたんだ。それが嫌になって料理人になったんだけどもね」


 看板は小さめだが、今はこれでいい。

 初日からお客さんが沢山来ても十分に対応できない可能性がある。

 まずは少ないお客さんでも丁寧に接客して、お店の改良をかさねていければいい。


「小さいけど沢山お客さん来てもマミちゃんも慣れないだろうし、最初はこれでいいよね?」

「アゼルさん。あたしもそう思ってました」

「そうそう。アゼルさんってのも他人行儀だし、アゼルでいいよ」

「うん。アゼル! よろしく」


 今までの冒険者居酒屋は18時オープン24時クローズだったが、


 オープン15時。

 クローズ23時。


 にした。

 定休日は月曜日。

 いずれ営業時間をのばして定休日を無くす予定だ。

 最初は定休日を作って何かあったら定休日の間に対応する。

 これはあたしのレストラン時代のノウハウだ。


「アゼル。オープンまであと5時間。メイド喫茶に必須の料理を伝授します」

「え! そんなものがあるの?」

「はい! メイド喫茶定番のお料理です」


 アゼルが営業許可を取りに行く間に厨房の食材や調味料はひととおり確認した。

 アゼルの料理の腕前があれば作ることが出来るはず。

 この世界の料理はソースや出汁と言ったものが無さそうなのでお料理だけでも革命が起きそうだ。

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