第六十九話 売上低迷対策
マリー様のメイド喫茶『リリウム』が目の前に出来て売上が激減した。
何とか対策をしなければ。
そうだ!
こちらもより豪華に演出してお客様を呼び込もう!
あたしは、変身スキルで豪華な衣装を毎日かえられる。
レイちゃんとミクちゃんは、今までの衣装に装飾品をつけてもらおう。
あと、アゼルは……。
今の状況だとアゼルの衣装や装飾品を買うまでのお金は出せない。
「どうしたんだい? マミ」
あたしが困った顔をしていたのを察してアゼルが声をかけてくれた。
「うん。マリー様のメイド喫茶に対抗してこちらも衣装を豪華にしたいんだけど、アゼルの衣装まで予算がまわらなくて……」
「なんだ、そんな事か」
「僕もこれぐらいまでなら出来るよ」
アゼルはそう言うと猫の姿に変身した。
アゼルの大きさのまま二本足で立っているので本物の猫というより着ぐるみだ。
二本足で立つ黒猫は、なかなか迫力がある。
「え? アゼル、変身の魔法まで使えるの?」
「うん。大きさはかわらないし、あくまで二本足で立てる姿だけだけどね」
「すごい! 変身スキルはあたしだけかと思ってた」
「変身魔法は、高度な部類に属するので使える人は少ないかな」
アゼル、さらっと言ってるけど、それってアゼルは高度な魔法も使いこなしてるってことで、ただものじゃない……。
※ ※ ※ ※ ※
今日のシフトに入っていたミクちゃんには、イベントで使用した猫耳としっぽをつけてもらった。
あたしは赤い豪勢なドレス。
アゼルは着ぐるみ猫。
なかなか豪華な感じだ。
豪華な内装のマリー様のメイド喫茶にも負けないはず。
今日の売上は低迷したままだけど、明日から豪華な衣装が噂になって売上があがっていくはず。
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10月29日(火)
メイド喫茶『オスティウム』
料金 1時間1980デジ 延長30分ごと950デジ
売上
日別 32230デジ
月別 3110870デジ
年別 4789690デジ
席数
28席
カウンター 6
テーブル 24
メニュー
オムライス(メイドのお絵かきあり) 1000デジ
オリカク 1500デジ
メイドドリンク 1000デジ
チェキ 800デジ
初心者セット1500デジ
カラオケリクエスト 1000デジ
カラアゲ 500デジ
メイドの心得
メイドの心得1。
お客様のプレゼントに遠慮はしない。代わりに全力で喜ぶ。
メイドの心得2。
お客様の事は、お客様から話をされるまでは詮索しない。
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