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第六十四話 変身スキルでネイルしてみました。

 朝起きてベッドの上で目を覚ますとお店のために何か出来ないか?

 頭に浮かんできた。


 昨日のクロちゃんの警告の夢を見て、ずっと何か出来ないか? 寝る瞬間まで考えていた。

 イベントや新しいサービスを何か出来ないか?

 これといったものが、まだ思いつかないけど、少しずつでも何かはじめたい。


「そうだ。変身スキルならお金もかからないし、色々やってみよう!」


 今まで洋服とヘアースタイル、お化粧のチェンジぐらいにしか使ってなかったけど、たとえばネイルなんかも出来ないかしら?


「それでは、さっそく」


 自分の爪がピンク色になるイメージで……。


「出来た!」


 爪は綺麗なピンクに染まっている。

 それではいったん元に戻して立体アートつきのネイルに挑戦してみよう。


「あ、あれ?」


 も、戻らない……。

 いくら念じても爪はピンク色のまま。




※ ※ ※ ※ ※




 この日も、やっぱりマリー様のメイド喫茶『リリウム』の影響で来客数は少なかった。

 そして、爪はピンク色のまま戻らなかった。


「おや?」


 よく見ると一日で爪が伸びた分、ほんの少しだけ爪の根元は元の色になっている。

 もしかすると、自分自身の肉体を変化させてしまうと二度と戻らなくなるのかも?

 試しに髪の毛の先が金のアクセサリーになるイメージをしてみた。

 すると髪の先端は金に変化した。


「え? これもしかして髪の毛で錬金術が出来ちゃう?」


―――――――――――


10月24日(水)


メイド喫茶『オスティウム』


 料金 1時間1980デジ 延長30分ごと950デジ


 売上

  日別 35930デジ

  月別 2894670デジ

  年別 4573490デジ


 席数

  28席

  カウンター 6

  テーブル 24


 メニュー

  オムライス(メイドのお絵かきあり) 1000デジ

  オリカク  1500デジ

  メイドドリンク 1000デジ

  チェキ   800デジ

  初心者セット1500デジ

  カラオケリクエスト 1000デジ


  カラアゲ 500デジ


 メイドの心得


  メイドの心得1。

  お客様のプレゼントに遠慮はしない。代わりに全力で喜ぶ。

  メイドの心得2。

  お客様の事は、お客様から話をされるまでは詮索しない。


―――――――――――

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