第六十三話 クロちゃん再び再び再び。
「やあ、マミ。久しぶりだね」
「クロちゃん!」
クロちゃんは尻尾をピンと立てている。
「前回、気をつけてって言ってたのはマリー様のメイド喫茶の事だったのね!」
「うん。そうだよ」
「もう、ちゃんと教えてちょうだいよ。この前も急に消えちゃって」
「マミの人生はマミのものだから自分で解決しないといけないのさ」
「え~……」
「そうそう。まだまだ気を抜かないようにね」
「えっ!? マリー様のメイド喫茶のこと?」
「それじゃあ、気をつけてね」
クロちゃんは、またも良いところで、くるりと反対を向くと歩いて行った。
※ ※ ※ ※ ※
目が覚めると窓から朝日が差し込んでいた。
「クロちゃん。また、途中で……」
けど、そうよね。
あたしの事だから警告してくれたんだし、気をつけなくちゃ。
「よし! 頑張るぞ!」
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10月23日(水)
メイド喫茶『オスティウム』
料金 1時間1980デジ 延長30分ごと950デジ
売上
日別 32600デジ
月別 2858740デジ
年別 4537560デジ
席数
28席
カウンター 6
テーブル 24
メニュー
オムライス(メイドのお絵かきあり) 1000デジ
オリカク 1500デジ
メイドドリンク 1000デジ
チェキ 800デジ
初心者セット1500デジ
カラオケリクエスト 1000デジ
カラアゲ 500デジ
メイドの心得
メイドの心得1。
お客様のプレゼントに遠慮はしない。代わりに全力で喜ぶ。
メイドの心得2。
お客様の事は、お客様から話をされるまでは詮索しない。
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