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第六話 メイド喫茶の営業許可がおりました!

「アゼルさん! 今、降りてく!」


 返事をするとあたしが理想とするメイドに変身した。

 あたしが通っていたお店の推しの女の子。

 切れ長の目に整った顔立ち長いストレートヘア。

 インスタやツイッターで写メをあげるだけでフォロワーが増える尊い姿。

 制服は、茶色ベースのワンピースに白いブラウス。

 白いエプロンにカチューシャ。

 ウエストと腕の部分のシルエットが締まっていてかわいい。

 姿見に映った自分を見て思わず言葉が出た。


「はぁ~。かわいい~」


 まさか、あたしがメイドになる日が来るなんて。

 しかも、推しの姿にうり二つ。

 あたしが推しで、あたしが推せて。

 はぁ~。思わず自分自身を両腕でギュッと抱きかかえてしまった。


「マミちゃん。なんだか騒がしいけど大丈夫?」

「あ! ごめんなさい! 今降りるから」


 階段を降りるとカウンターの中を掃除しているアゼルが居た。


「マミちゃん。ごめん起こしちゃったかな?

 声が聞こえてたから起きてると思っ……えええええええええええ!」

「あら、驚かせちゃいましたか?」

「え!? だってマミちゃん?」

「はい、マミです。これがメイド喫茶のメイドなんですよ」


 スカートの両端を持って可憐に挨拶してみた。


「いや。うん。かわいいけど顔も変わってないかい?」

「女の子は、お化粧で変わるんですよ」

「そっかー。化粧ってのはすごいねぇ」


 アゼルは納得したのか、してないのか、こちらをチラチラ見ながら首をかしげている。





※ ※ ※ ※ ※





 アゼルとひととおり店内の清掃を終わらせると見違えるほど綺麗になった。

 お店を閉めるからとお客さんも来ないしロクに掃除していなかったらしい。

 けど、カウンターの中の厨房機器だけはピカピカだったのはアゼルの料理人としてのプライドを感じた。


「僕は今からメイド喫茶の営業許可の申請にギルドに行ってくるよ」

「うん。わかった。あたしはグラスを磨いたり小物類の整理しておきます」

「それじゃあ、すぐに戻ってくるから」


 アゼルはそう言うとお店を出ていった。

 出る間際まであたしの事をチラチラ見ていた。

 そうよね。

 元々あたしが推してた女の子だし気になるわよね。

 アゼルは、なかなか見込みがあるわね。





※ ※ ※ ※ ※





 アゼルは1時間もせず戻ってきた。

 入口から勢いよく入ってくると興奮気味に言った。


「マミちゃん! 驚くなよ!」

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